第12話 今!再びの~?
「と、言う訳でこの犯罪者Aについてどうしたらイイと思います?」
「‥‥そうさねぇ~~~‥‥顔はイイし胸もデカいからパクっとしな?」
「オイオイ。流石の俺でも選ぶ権利はあるんだぞ?ばーさんよ」
「っちょ!何よそれ!この私に魅力が無いって事!?」
又してもガオー!と嚙みつく勢いで反論する痴女A。
「お前はどこに文句つけてんだよ‥‥で。バーさんよ」
「なんだい?あとバーさん言うな」
「マジな話‥‥コイツはどうするべよ?」
「『べよ?』とか気持ち悪い喋り方するんじゃないよ‥‥でもそうだねぇ~」
そう言って黙り込むバーさんからは『面倒です。お引き取り下さい』といった雰囲気を感じるが俺もね?面倒なんですよ。
いやね?
もしだよ?ばーむちゃんとバーさんの言葉に従ってツンデレちゃんをパクっとするとしよう。
問題はその後だよ。
『抱いたかたには責任取れ!』とか言われたら流石に困る。
なにせ俺はこの世界に来てまだ1日も経ってないんだぞ?それに住所不定無職なんだよ?そんな男が今後の面倒を見れる訳もないので‥‥パクっとは無しだ。
まぁパクってしてポイが許されるなら迷わず『パクポイ』を選びますがね!!
てかパクポイとかマジで鬼畜の所業やん!とか考えていると、ようやくバーさんが口を開いた。
「真面目な話、流石に鍵のかかった部屋に侵入して部屋を漁ったのは立派な犯罪さね。変態行為はまぁ‥‥『ご褒美』に思える男も居るから除外するとしても‥‥このまま街の憲兵に付き出して領主様に沙汰を下してもらうしかない」
「…憲兵?」
「領主様直々の治安維持する兵隊さんの事さ」
「へぇ~…なら憲兵に付き出せば相応の罰を受けてお終いだろ?」
「‥‥相応の罰ねぇ‥‥アンタ本気で『それだけ』って思ってる訳じゃぁないだろうねぇ?」
「ここに来てまだ1日も経ってないから知らんよ?」
「旅人だったのかい‥‥まぁいい。じゃぁ犯罪者。特に女の犯罪者がこの街でどういう扱いになるか教えてやるよ」
そう言って痴女Aに聞こえないように音量を抑えた説明を受ける事10分。
マジかぁ~~~この話聞かなきゃよかたよぉぉー!!
対応が面倒で全てバーさんに丸投げしようとした報いを受ける事になってしまった。
(…まさか女の犯罪者=即性奴隷落ちとか‥‥エロゲーじゃんかよ!)
『まぁマスターの居た世界。とりわけ法治国家で生まれ育った人からは異質に思えますがこの世界では割とポピュラーな対応ですよぉ~?』
(いやまぁ‥‥そう言った話は知ってはいるんだ。歴史の勉強とかでもそう言った時代が有ったのは事実だし‥‥でななぁ~~~~)
まさか自分が1人の人間――とりわけ超をつけてもイイ程の美少女の人生を握る事になってしまったのは…正直キツイ。
これが物語の話なら俺も憲兵に付き出す前にパクっとね!とか軽く考えちゃうが‥‥実際に自分の行く末が明るくないと理解しちゃった少女を見ると‥‥心が痛い。
「で?どーするんだい?憲兵に付き出して兵士達のおもちゃにするかい?」
「‥‥その聞き方は卑怯だぞばーさん‥‥憲兵に付き出すのは‥‥しない」
「甘っちょろいねぇ?‥‥でも話を聞いちまった以上無罪放免とは出来ないよ?」
まぁバーさんにとっては自身が経営する宿内での不祥事だからな~何かしらの『けじめ』は必要だろう。
「勿論無罪放免にはしない。憲兵に付き出す代わりにこの宿で一ヶ月働け」
「え?私が?」
「それと名前や今回の不祥事を起こした理由を洗いざらい吐いてもらう。もしイヤなら即憲兵に付き出す。以上だ」
「ほーん?あんたはソレで良いのかい?ずいぶんと罰が甘い気がするが?」
「問題ないぞ?あ、それとバーさん。俺の部屋を一番イイ部屋にしてくれ。それと食事も朝と夜は必ずつけてくれ」
「‥‥構わないけど…当然金は払ってもらうよ?」
「その支払いにそこの犯罪女の労働対価を当ててくれ」
「…え?私‥‥無償労働?」
「当然だろーが。なんで犯罪者が金貰えると思ってんだよ?」
「なるほどねぇ。まぁこっちはソレで構わないよ。部屋も一ヶ月に延長しとくよ?」
「ああ、それで頼む。で?新しい部屋は明日からって事でいいか?」
「問題ないさね。鍵は明日の朝交換だ」
「了解~」
よーし。これで話は終わったぁ~
俺の良心は痛まずかつ他人の金で豪華な生活を送る…うむ。素晴らしい。
「素敵な人生をありがとうございますバームクーヘン女神様」
『…私にも感謝してくれてもいーんですよぉ~?』
(ハハハー当然ばーむちゃんもありがとうございます!)
『ところで』
(なんだ?)
『なんで監視とか拘束しないんですか?アレ絶対逃げますよ?』
(それが狙いなんだよ)
『what do you mean ?』
(うぉぉ!すげーイイ発音‥‥簡単さ。向こうから逃げてくれれば俺の落ち度は一切なくこの件は終わりになる。まぁ部屋のグレードは下がるが‥‥言ってしまえばその程度のデメリットしかない!)
『それなら一ヶ月後も同じでは?』
(もし一ヶ月待って私も一緒に行きます!とか言い出したら面倒じゃん‥‥)
『あーなるほど恩返し的な意味で旅のお供にって奴ですね?』
(そーそー。それにあの人‥‥なーんかヤバそうな地雷持ってそうで関わるのヤなんだよね)
『地雷ですかぁー?』
(ああ、『探し物』の話になると妙に神妙な顔するのが気になってな。そこら辺が地雷だと思ってる)
『なるほど。まぁマスターがそれでよければ私はOKです。あ、予想以上にカロリーを消費したので朝食はガッツリでお願いしまーす』
‥‥つい数時間前にあんだけ食べたのにまだカロリーがたりないのかよ…女神様もびっくりだよ!
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