無人島に不時着したら、まずやること
るい
無人島に来たら、やりたかったこと
それは、修学旅行の途中で起きた出来事だった。
突然の嵐に船は転覆、俺は必死の思いで、浮いていた木にしがみついて漂流した。
そして、辿り着いたのが、この無人島。森と白い砂浜しかない。
「こんな下手な展開もあるんだな」
なぜか、俺には焦りがなかった。何度も、ドラマや映画で見た、物語の流れだからだろうか。
「よっこらっしょっと」
サトルは、自分の服を見てみる。
海に漂流していたから、びしょびしょに濡れていた。
「........」
心の中から、ある衝動に駆られる。
「誰もいない島。今なら、できるんではないか?」
サトルは、おもむろに服を脱ぎ始める。
「白い砂浜がある無人島で、一度はこれをやってみたかった!」
サトルは、砂浜を駆け抜け始めた。生まれたままの姿で走り回る。
「この背徳感たまらなすぎる!」
この世界には、俺しかいないんだ!
「木の上に登って、ターザンごっこしよう!」
サトルは、近くにある木に登り始める。
木の葉が邪魔で辺りは見えない。だが、これもリアルだ!
「おほっほ! ほっほー!」
サトルは、木の上で雄叫びをあげ始める。
「また、猿が叫んでおるぞ」
突然、老人の声が聞こえた。
「気にするなよ、じいちゃん。海岸掃除始めようぜ」
サトルは、察した。
この島は無人島じゃない。そして俺は、助かった。命の危機と、社会性的生命の危機、両方から脱出した。
「危なかった。二重の意味で危機一髪だった」
サトルは、心のそこから安心した。
「お兄ちゃん。なんで、裸で木に登っているの?」
サトルは、海岸掃除している少年と目が合った。
無人島に不時着したら、まずやること るい @ikurasyake
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