第47話、内通者

俺たちは無事に転送して外に出られたのですぐに町に戻り言われた通りに行動をしようと動き出した。



いくら蝮さんが足止めをしてくれると言っても限界があるはずなので急いで町に戻った。町に戻ると何かと静かな感じをして嫌な予感に襲われたが気のせいだと思いながらすぐに作業に入ろうとした時にエルリアちゃんから尋ねられたのである。



「メシアさん、何か町の様子がおかしいと思いませんか。私は気が付きましたけど何かと調べたほうがよろしいかも知れません」



「確かにその心配はあるけど今は調べている暇はないから落ち着いてから調べよう。エルリアちゃんも後で宜しくね」



そうしているとユリアちゃんから私からも嫌な予感がすると言ってきたのだ。それもかなり悪い予感がしかし、蝮さんが罠を嵌めてくるとは思えないけどなと言うとユリアちゃんはもしかして蝮さんも罠にはまってしまったと言う可能性を指摘してきた。



確かにそれならば納得するけどそれってかなりやばくない蝮さんですら想定していない事が起きていることになる。



それを俺たちで対応できるのかと言われるとかなり厳しいとも言える。そうではないように祈っているとエルリアちゃんが話を持ってきたのであった。



「そうだ、メシアさんは何か不思議に思いませんでしたか。私が町の人々からかなり慕われている事に気になった事はありませんか」



そうだな、確かに・・・俺はそう考えた瞬間にある可能性を閃いた。すぐにユリアちゃんを連れて後退して俺はエルリアちゃんに質問をした。



「その質問をすると言うことはすなわち・・・エルリアちゃんは敵と繋がっていたわけだな。いつからだ、いつから敵と繋がってしまったわけだ」 



「最初からと言ったらどうなるかしら、メシアさん」



信じたくはないけど現実に裏切りそうな雰囲気を出しているので信じるしかなかった。そしてそれを出すという事は隠す必要がなくなったということになり俺はすぐにユリアちゃんを姫様抱っこしてその場から走り出した。



まずい、ここにいれば必ず駄目だとすぐに逃げ出した。どこに逃げれば良いのかわからないけどともかくここから逃げないと蝮さんの努力が無駄になってしまう。



それにそうなったら俺たちに未来はないので必死に逃げ出した。しかしながらそんなことは想定していたように俺たちを逃さないように敵とも思える人たちが包囲していた。



だけどこれぐらいならば二人の力を合わせれば何とかして逃げ切れると思った次の瞬間に聞いたこともない声が響いた。



「ほうー、意外と粘るなこの時代はそんなに強くはないと思っていたのだが・・・あの生物兵器のせいか」




そう言って現れたのは幽霊みたいな雰囲気と見た目をしている男性であった。ユリアちゃんは泣きながら驚いていたけど俺も違う意味で驚いていた。



その人物は見たことはないけど何となく理解をしてしまったので俺は確認共に尋ねて見た。



「そこの御仁、ギリワン・ボルケーノで間違いはありませんか。魔族になっているのですぐには分かりませんでしたが俺と同じような特徴を備えているので・・・間違いでしたら答えてください」



すると幽霊らしいものは笑いながら俺の質問に答えた。



「その通りだよ、意外と頭が回るようだな。その通りだ、かつてのわしよ」



俺は蝮さんや全てを狂わせた元凶、未来の自分と不本意ながらも対面を果たしたのであった。

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