第38話、暗雲

そうしてから俺とエルリアちゃんで釣りに来ていた。釣りをする場所は町中にも存在しており釣りはすることができていた。



町の人々も釣りは好きな上にエルリアちゃんが釣りをするとどこからか聞いたのかかなり集まってきて気合を入れていた。



エルリアちゃんに少しでも良い所を見せようと必死になっているのが言葉に出さなくても分かってしまうほどに強い意志を感じていた。



別に俺は今晩のおかずなど釣れたら良いなと思っているぐらいなのに町の人々が本気すぎるので少しばかりびっくりとしていた。



ともかく今はゆっくりとして釣りを楽しむことにしよう。何か大きな良い魚でも釣ってユリアちゃんにも振る舞える魚でも振る舞えると良いなと考えながら釣り始めた。



それにしても先程のユリアちゃんの反応はかなり辛そうにしていたのでもしかしてとても嫌な記憶でも思い出してしまっていたなかなと考えてしまった。



前に蝮さんが二人に対して未だにあんまり好意的な対応をしていないのはユリアちゃんもエルリアちゃんも未来の世界では悪事をしていたからと言っていた。



それって前世でかなり嫌なことが起きてしまったから闇堕ちをしてしまったのかもしれないと思っていた。



俺もそうだから何も言えないけど嫌なことが起きてしまったから闇堕ちてしまったと考えたほうがしっくりとくるので俺はため息を付きながら次の対策を考えないといけないなと思い始めた。



だってそれは他人事では無いのだからそうして二人に嫌われることになったら俺だってもしかしてら闇堕ちてしまうかも知れないのだから。



それにしてもユリアちゃんの前世はどんな事が起きたのか・・・それよりもどんな女性だったのかを知ることができればもう少しばかりは対応ができると思うのだけどな蝮さんなら何かしらの事を知っている可能性があるから聞いてみることにするか。



そうと決めながらも釣りを楽しむ事にした、ここで俺が嫌な顔をすれば今度はエルリアちゃんが俺たちに顔に見せなくても嫌な気持ちをさせてしまうからな。



本当にハーレム主人公は凄いよなと思ってしまう程に俺ではとても真似ができないことをしてくるよなと考えていた。



そんな事を考えていたら魚が餌に食らいついたのか釣り竿が動き始めたので俺は良しと言いながら釣り上げた。



魚の大きさはそこそこでまずは一匹目と思いながら釣りを楽しんでいた。



それからしばらくしたけど俺は結局のところ一匹しか釣れずに終えてしまったが釣れた魚が食べられる魚だったから良かったなと思うことにした。



そうして俺たちが住んでいる屋敷に戻ろうとした時に町の人から俺に知ってほしいことがあるからと言って教えてくれたのであるが実はユリアちゃんが急に町の外に出てしまったと言うのだ。



その話を聞いた俺はその話は本当なのか慌てながら尋ねるとその町の人々が俺の気迫に押されながらも答えた。



「はい、我々が何処に向かうつもりなのですかと尋ねても何も言わずにただどこに向かうのかも分からずに出てしまいました」



俺は嫌な予感をした、すぐに荷物をエルリアちゃんに任せて町の人々たちにユリアちゃんが向かった方角を聞いてから俺は飛び出すように走り出すのであった。



空はもう夕暮れとなりまもなく夜となるのに構わずに走ってユリアちゃんに連れ戻そうとするのだった。

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