第37話、平和な日々
俺たちは割とどうでも良い内容の話をして料理を待ってしばらくすると遂に料理が出てきた。
その見た目はかなりきれいでありとてもあのマンドラゴラを扱った料理とは思えないほどに見た目は良くなっていた。
そうして食べてみますかと思いながら食べると滅茶苦茶に美味しく確かにこれならばこれほどのお客が集まっても納得ができるなと考えながら食べているとエルリアちゃんが声を小さくして俺に話しかけてきたのだった。
「そう言えば私は気になっているのですけど蝮さんを本当に信用をしても良いのでしょうか。あそこまで色々と隠していると怪しくて不安なのです。他の人から聞いても無表情と言われております、子供たちはかなり面白いおじさんと呼ばれているのですけど私には理解ができませんしあの蝮さんが子供たちに顔芸などしていた噂なども信じられないのですけどメシアさんはどう思っていますか」
・・・うん、普通に考えたら信じられないよね。前の俺でもそんな話を信じなかったと思うけど実は現実に子どもたちを喜ばせるにはと蝮さんに聞かれて変顔などをしてみたらと提案して実際にやっている所を見ているからな。
個人的に何も言えない立場なんだよなと思いながらも俺はでも火がないところに煙は起きないから何かしらの事はあるのじゃないかと伝えおいた。
それを伝えても二人はあの蝮さんに限ってそんな事はないと思うけどと言われてしまって全く信用していなかった。
まあ、こればかりは教えるよりも見てもらったほうが早いからなと考えて二人に伝えることを諦めた。
いつかはユリアちやんにエルリアちゃんたちも蝮さんの本心を知る事になるだろうし構わないかと思いながら食事をしていた。
そんな事をして食べ終えた俺たちは次はどこに向かうと尋ねるとエルリアちゃんが川でも向かい釣りでもしませんかと提案を出された。
確かに釣りは好きだから良いかも知れないなと俺も賛同したけどユリアちゃんだけが猛烈に反対をしてきたのであった。
何でなのかと尋ねてみるとユリアちゃんからあなたの胸に聞いてみてと言われてので必死に聞いたけど心臓の音しか聞こえないけどと伝えるとユリアちゃんがイライラしながら答えてくれた。
「メシアはここ町に来る前に訪れたダンジョンで私を湖に縛り付けた後に落としたでしょう、私は絶対に忘れないからね」
「ユリアちゃん・・・俺はそんな記憶はございませんな。ユリアちゃんみたいな美少女を落とすほどに俺は鬼畜ではないからさ」
「鬼畜野郎でしょうがー!!貴方ほど鬼畜は中々いないわよ。おかげさまで私は死にかけて前世かもしれない記憶まで流れて危ない所だったのだからね、だからエルリア、この男は急に鬼畜な事をするから気を付けておきなさい」
全く・・・その通りだけどそこまで言わなくても良くない。別にそこまでの鬼畜は余程なことがない限りはやるつもりはないからと思っていたけどこの二人だとまたやってしまうかも知れないなと思ってしまった。
それと前世の記憶は何が見えたのと尋ねるとユリアちゃんは先程まで怒っていたのに急に暗くなって話をしてきた。
「あんまり覚えていないけど後悔ばかりが残る前世だったと思うほどに見ている時は辛かった。それこそメシアに捕獲されて湖に落とされた時と比べ物にならない程に辛かった」
ユリアちゃんの表情がかなり辛そうにしているのを見てこれって明らかに聞いては駄目なことだったと思いすぐに話を変えるために話を始めた。
「まあ、先程は俺が悪かったから次はやらないようにするからそうだ、ユリアちゃんが行きたい場所はあるからそこに向かうからさ、遠慮なく俺たちに教えてほしい」
それを言い終えるとすぐにエルリアちゃんに今回は諦めてほしいと顔で伝えるとエルリアちゃんは理解して分かりましたと返事を返した。
するとユリアちゃんは首を振って今日は気分が悪くなったから帰るねと言ってからその場から立ち去ろうとしていたので俺も向かうと言うとユリアちゃんは大丈夫だからと言って行ってしまった。
真面目に今度は何か彼女が喜びそうな事をしてあげないといけないなと考えながらユリアちゃんを見送る事しかできなかった。
だからエルリアちゃんに二人だけかもしれないけど釣りに向かうと言うとエルリアちゃんはなら言葉に甘えさせて一緒に行きたいですと返答が来たので俺はエルリアちゃんと共に川に向かってから釣りを始めることにしたのであった。
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