第34話、明るい未来の為に

俺が空を見上げて考えていると蝮さんがこちらを見て明るく話をしてきたそこにはこちらを警戒する様子はなく心を開いてくれたようだった。



「まあ、平行世界の未来の話だと思って気軽ほどでは困りますけどそこまでずっと考えなくても良いですから。ともかく今は精一杯生きて頑張りましょう。残酷な未来にならない為にもメシアさんたちを強くしたのですから少なくてもそう簡単に倒されることはないと思っていますから最悪、この時代には英雄フェニックス様が生きているからそこに助けを求めることもできますからね」



なんか急によく喋るようになった気がするのですけどこんな人でしたっけ?



蝮さんはと思っていると蝮さんがおやおやと嬉しそうな顔をして私がこんなに話すなんてと思っていなかったような顔をしていますねと言われて本当にこんな人だったのですかと尋ねた。



「それは敵になる可能性が高い人と仲良くすることは出来ませんからね。今ではそんな可能性もかなり少なくなったと判断したので素直に私らしいこともできるようになりました。私はかなり喋ることが大好きな者ですからかなり煩いし喋る量もかなり増える事になりますけど改めて宜しくお願いしますね、メシアさん」



滅茶苦茶に話すようになったのですけどしかも表情もかなり明るくなり本当に同一人物なのかと思ってしまう程に明るくなって話を始めていた。



「そう言えばメシアさんは好きな事などありますか、私はこう見えて歴史とかゲームまたは小説とかも大好きなのですけどお互いに趣味とか話し合いませんか?でも私はここまでに色々と喋ってしまったのでメシアさんから先に話を始めてください。私が喋りだすといつ終わるか分かりませんからね」



そ、それは確かにそのとおりだとしか言えないほどに話しているなと思っていた。



どんだけ話す事が好きなんだよと思っていたけどこの蝮さんの未来のことを思い出すと話す相手もいなかったのだなと考えると無理もないなと思いながら俺は蝮さんが楽しめそうな話を始めることにした。



歴史ならある程度詳しいと思っているので話をしたら蝮さんは想像以上に詳しく俺が聞いても何もわからない事ばかり楽しそうに話して来て俺はどんな反応をすれば良いのかと思いながらなるほどなと言って誤魔化していた。



話している本人は久しぶりに話せて楽しいのかこちらが誤魔化していることに気がついていなかったので助かったと思いながら聞いていた。



それにしても冷静で冷徹、無表情だと思っていたのにこんな性格を隠していたとは思いもしなかったなと分析をしている内に時間もそこそこ経過したところで俺は蝮さんに対して話をした。



「蝮さん、楽しい話をしているところ大変申し訳ないけど時間もそこそこ経過してきたから夕食の材料とか集めませんか。話しているだけでは体にも良くはないと思いますので」



「それは確かにそうですね、それにしてもここまで楽しく話せたのは久しぶりでした。メシアさんには感謝をしていますよ、私はギリワン・ボルケーノは嫌いですけどメシアさんは好きですから」



でも心は開いてくれたので良しとしますと思いながら歩き出した、そうしながら今日の夕食は何をしますかと楽しそうにして話していた時に蝮さんが何かを察知したのか俺に対してこっそりと教えてくれた。



「少しばかり失礼と言うか前みたいになりますから気にしないで対応してくださいね」



そう言い終えると蝮さんはいつも通りの顔つきになった。誰かが近くに来たのかなと思っていると現れたのはユリアちゃんとエルリアちゃんだったけどこの二人には心を開いていないせいでいつも通りの対応をしていた。



と言うか全然感じが違い過ぎて笑いそうになったけど蝮さんが堪えてほしいと目で訴えかけてきたので頑張って堪えた。



「なんだ、ユリアとエルリアですか。散歩した帰りですか。私とメシアで今晩の食材でも採ってきますので失礼」



滅茶苦茶な塩対応で面白いですけどこんなに差が激しい人だったなんて知ると面白いけどユリアちゃんとエルリアちゃんは不満そうにしながら分かりましたとと言ってその場から立ち去った。



しばらくしてから二人の気配が遠のいてから待たしても蝮の表情は穏やかな顔になりながら俺に対して話しかけてきた。



「済みませんね、心を許していない相手がいるとどうしてもあのような対応をしてしまうのですよ。本当にメシアさんには申し訳ありませんね」



そうなのか・・・うん?待てよ、蝮さんがそのような態度をするという事はと言うと蝮さんはその通りだとだけ伝えておきますねと真剣な顔でそう言われた。



なるほどな、ユリアちゃんとエルリアちゃんは俺と同じで未来で何かしらの悪事をしてしまうのだなと何となくであるが理解をしてしまうのだった。

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