第30話、外はお察しの通りでした

俺は混乱している街の人々をなんとか落ち着かせる事に成功した。かなり苦労はしたけどなんとかなって良かったと思っていた。



そうだよな、俺はすでに当たり前のように接しているけど普通に魔族と接することはないから驚くよなしかも魔族によって危ない目に遭ったから余計に警戒心が高くても仕方がないとしか言えなかった。



ともかく何とかして落ち着かせる事に成功したのでここから早く出ましょうと伝えた。ここはあんまり空気も良くないから滞在はしたくはないしその上に他の魔族に気づかれて町の人々を守りながら逃げるのは大変なので早めに逃げる事にしたのだった。



それにしてもこれほどに騒ぎを起こしたはずなのに誰一人も援軍が来ないのはおかしいなと思っているとユリアちゃんがこちらの考えが読めたのか蝮と一言を伝えてきた。



でもそれだけでも俺たちは納得してしまった。蝮が負けているところ押されている所など想像もできないからなと思っていたけど念の為に急いでその場から抜け出した。



そうして外に出てみると魔族たちが山のように積まれてボコボコにされていた。思っていた通り過ぎて逆に安心した。



俺はすぐに蝮のところに向かい作戦は成功したことを伝えると蝮のはそれは良かったと言ってあたりを見て警戒をしていた。



いや、滅茶苦茶に用心深いですけど明らかにこちらが圧倒的に強いのにこの人は全くも油断もしてこない。



真面目にこの人は凄いよなと感心をしていたどんな人生を歩んできたらこんなに凄い人になれるのかと考えていると蝮が今はひとまず安全になったようだなとようやく一息を入れてくれたのだった。



それを見て俺は全くも蝮さんは警戒心が本当に強いのですねと伝えるとお前たちがなさ過ぎるだけだよと言い返されてしまった。



まあ、普通ぐらいだから蝮から見ればないと思われても仕方が無いのかなと考えていた。



そうして俺がこれからここを治める貴族になるのだからしっかりとして助けて地元からの信用を勝ち取りなと言われて蝮は背後から色々とサポートに回り始めた。



まずは町がどれだけの被害が出たのかを調べ始めた、蝮は又しても料理を作ってくれるようにお願いしてその間にも町の人々の面倒を見てほしいとお願いして俺とユリアちゃんにエルリアちゃんの三人で点検などをして町を回り始めた。



建物にある程度の被害はあるけど直せる範囲だからなんとかなりそうだなと思いながら回って終えてから明日からは町の復興作業だなと思いながらお腹が空きてきたので俺も町の人々と同じように食事をするのだった。



そうしながら町の人々と距離感をなくしてから改めて自己紹介をしたのだった。



「先程も話したと思いますが俺はこの地の新たな領主となりました、メシアと言います。覚えて頂けたら幸いでございます、町の状態は見て分かりました。なのでここにいる皆で前よりもより良い町を作りましょう。ここにいるみんなが一心になればきっと夢ではなくなります」



そう言うと町の人々は嬉しそうにして私達のことを考える領主様だと感激をしていたけどそれは当たり前のことだからそこまで感激をすることかなと思いつつもそうしてくれるならこちらとしてもありがたい所もあった。



なんせユリアちゃんとエルリアちゃんが魔族だから俺が信頼されないとここに住めなくなるかもしれなかったから良かったなと思いながらもこれからはここを復興してから更に良い町にしていかないとなと考えながらも今日は疲れたので休みたいなと思っていた。



すると蝮は疲れていそうだから休みなと言ってから本人は町の周りを警備すると言って外に出てしまった。



本当に考えが読めない人だよなと感じながらも色々と手助けなどしてくれるから悪い人ではないだろうけど、本当にあの人が望んでいることをしてあげればきっとこちらに対しても心を開いてくれるだろうけど何を望んでいるのかわからない以上は何を考えても仕方がないことだなと改めて蝮に今度こそ聞こうと決めるのだった。



そうだな、お前の命が求めているだよと言われない限りはしてあげたいところであるのだけどな。



魔法も色々と教えてくれたし強くもしてくれた、確かに怒りたい所もあるけどそれ以上に恩が大きいから何か恩返しでもしてあげたらなと思いながら疲れた体だったのでそのまま眠りについたのであった。

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