第28話、英気を養う

色々と考えているうちに蝮が食材を持ってきて何を作るつもりなのかと思っているとマムシは鍋にして明日の朝食にも使おうとしていると言ってきた。



まあ、確かに理に適っているから問題はないけど蝮は料理が出来るのかですかと尋ねると蝮は食べてみれば分かることだと言ってそれ以上のことは何も言わずに作り始めた。



そうして俺たちは見守りながらしていると蝮がどうしても私の事が気になりますかと俺たちに対して話しかけてきたのだった。



俺は急なことで動揺したけどすぐにそれはそうですと答えると蝮は少しばかり考えた後に話を始めたのであった。



「・・・そうだな、ある程度は強くなったことだから話しても良いかな。私は薄々気がついているかもしれないが未来からやってきた男でな、この時代に来た理由としてあの絶望と呼べる未来を変えたいと思ってきたわけ」



「蝮さん、その未来ってもしかして俺たちがかなり関係していることでしょうか・・・いや、関係しているから蝮さんがここに居るのですよね」



「否定は致しませんよ、メシア。ついでに詳しい事は言いませんが未来は全ての生物が絶滅して滅びの未来と言える状況だと伝えておきますね」



・・・想像以上にやばい未来から蝮はやって来ていたのか。だから殺気とか凄いのかと思いながら納得しているとユリアちゃんが私達は未来の世界で生きていますでしょうかと尋ねた。



すると蝮は数年前に俺を始め、ユリアちゃんやエルリアちゃんは死んだと返答が返ってきたのであった。



それは確かに聞きたくない話だったなと思いながら俺は納得していた。そうか、この蝮が本当に生きている時代には俺達はすでに亡くなっているのだなと改めて認識をした。



でもエルリアちゃんはまだあの人は何か隠しているとエルリアちゃんはそう言ってきたけどそれは辛い内容だから話したくないだけではないのと俺はそう考えていると食事の支度が終わって俺達は食べ始めた。



そして蝮の料理の腕は滅茶苦茶にある事が思い知らされた。俺よりも料理が上手いとかマジですか!?



こう見えて俺だって今のところは独身だったので料理とかは俺が作っていたのに負けてしまうとは蝮は本当に恐ろしい人だと思い知った。



その後は食べ終えてから蝮はは疲れたからお前たちも早く休むことをオススメすると言ってから横になり休み始めた。



俺たちも明日はきょうほどではないにしろつかれることはつかれると思う内容なので素直に休ませてもらう事にしたのだった。



それにしても今日は本当に濃い一日だったよなと振り返りながら俺は眠りにつくのてあった。



翌朝、蝮が朝食用意している音で目を覚ました。蝮は黙々と支度をしておりまるで機械の様にしているから余計に不気味だったけど俺は声をかけることにしたのだった。



「おはようございます、蝮さん」



「うん?おはよう、メシア。今、昨夜の鍋の残りとお米と卵を入れて雑炊を作っているから待っていてほしい」



本当に蝮は色々としてくれるから信用したいけど敵になるかもしれないと思うと怖くて俺は仲良く出来ないよと考えていたら雑炊が完成したので二人を起こして雑炊を食べ始めた。



そうして食べながら蝮が今後の作戦を話し始めた。



「さて、昨夜も伝えたかもしれないけど魔族に支配された町を解放するために行動を移すのだけど私は囮となって魔族たちを出来る限りに惹きつけるのでメシアたちは捕まっている町の人々を助け出してほしい。気になることがあれば遠慮なく聞いてほしい」



そう言うとユリアちゃんが蝮が本気を出せば全てが終わるのではないでしょうかと言って質問した。



確かにそうかも知れないと思っていると蝮はすぐに返答したのだった。



蝮は力があまりにも強いから力を出してしまうと周りの町は間違いなく壊れてしまって辺りが地平線になってしまうけど構わないかと聞かれた。



それは確かに嫌だなと納得してそのやり方で向かう事にした。



それから俺達は蝮を先頭に歩き出して向かっていると途中から隠れるように移動となりそして遂に目的の場所にたどり着いた。



しかし、見張りの魔族がいる上に蝮から聞いていた数よりも多い気がしていたので聞こうとしたら蝮が声を出すなと行動で伝えてきてから蝮は紙に書いて内容を伝えた。



予定よりも数が多いけど最初の作戦通りに私が囮になるので皆さんは捕らえられている町の人たちを助けに向かってほしいと書いてから蝮は見張りの魔族をこっそりと背後から襲って一気に仕留めた。



蝮は暗殺スキルまであるのですかと思いたくなるぐらいに鮮やかな暗殺だったので感心していると紙に書いてからこちらに飛ばしてきて書いてあったのはいいから早く行け!と書かれてあった。



俺達は頭で答えを示してから向かい始めた、確かこちらから向かえば地下で捕らえられているはずの町の人たちに合流が出来るはずだけど。



果たして上手く行くのかなと思いながらも俺はユリアちゃんやエルリアちゃんに声を掛けたのだった。



「ユリアちゃんやエルリアちゃんはこれから魔族と戦う事になるけど構わないか」



俺は戦う前に念の為に確認をしておくのであった。

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