第21話、謎の男

俺は明らかに怪しい男を見つめていた、かなり怪しい様子を見せてはいたけど特に向こうから何かをするつもりはなさそうだったので警戒していた。



するとユリアちゃんがあなたの名前を言いなさいよと強気で言っていたけど男は少し笑いながら答えた。



「いやいや、私はそう簡単に名前を言う人ではないのでお答えはできませんね。ですがあだ名で宜しければお伝え致しますね。人中の蝮と呼ばれる事がありますのでそれでよろしくお願いします」



人中の蝮・・・人類の中でも悪党と言うことかと言うとその通りだと返事が返ってきた。



ますます信用できないですけど、でも敵なら襲い掛かってくるだろうからなと考えながら何が目的なのですかと尋ねた。



「何が目的ですか・・・そうですね、あなた達の出来事を観察するのが目的と言えば宜しいですかな」




絶対に違うだろ、それはと思いながら聞いていると人中の蝮はある質問をしてきたのである。それはその子達と幸せな生活を望んでいるのかと尋ねられた。



俺はそれはもちろんの事だと伝えると人中の蝮・・・いや、ここは言い方を簡単にして蝮はなら協力をしてあげても良いと言ってきたのであった。



しかし、その代わりにあるものをお願いするというのだ。しかもそれの内容は教えてくれないと言うのだ。



それを聞いたユリアちゃんが契約内容を分からないまま契約をすると思っているのかしらと言っていたけど全くその通りだと俺も賛成した。



そう言うと蝮はでも私を仲間にしないとあなた達、特にメシアさんは不幸が訪れるというのだ。



ならその不幸を教えてくれと言うとそちらの方は素直に教え始めてくれた。



その内容はもし、俺がこの蝮と契約をしないまま行けばこの後にフェニックス様と合流するけどこの後にゾロアスター教の邪神、アーリマンが現れてその配下となったジュンに襲われてしまうというのだ。



英雄フェニックスは邪神、アーリマンとの戦いで精一杯になってしまって化け物になったジュンに襲われてしまって俺は負けてしまってユリアちゃんとエルリアちゃんを連れて行かれてしまうらしい。



その後に必死に英雄、フェニックスの元で修行をして助けに向かうけどその時には二人は完全にジュンに寝取られてしまってここで俺の心は完全に壊れてしまってそのまま力と女を求める化け物に変わり果てる。



そうなった後、ジュンを食い殺してその後に俺を裏切ったユリアちゃんとエルリアちゃんも食い殺して力を吸収して更に化け物になって他の世界にも勢力を広げて黄昏の神、そしてアーリマンと並ぶ怪物として歴史に名前を残してしまうというのだ。



その後に一度は英雄フェニックスに討ち取られるけど生まれ変わって魔族となり次々から人々を殺しては力を吸収して怪物になりそして英雄フェニックスの力も吸収してやばい怪物になりはしたが黄昏の力を持つ者に倒さそうになったが何とか別の体を奪い生き延びるらしい。



そしてその体は英雄フェニックスの子供でそれを利用して世界を我が物にする怪物に成り果ててしまう事になるらしいけどそんな事を言われても信じられないと思いたい。



でももしこの二人が本当に寝取られてしまったら本当にそうなってしまうかもしれないと思ってしまうと恐怖を覚えてしまう。



更にその理由としてユリアちゃんの前世は俺の幼馴染のアヤカだと言うのだ。それも判明して余計に俺は世界にも自分自身にも絶望して壊れてしまうというのだ。



嘘だと思いたいけど嘘とも思えないその理由もあるので余計に恐怖を覚えてしまっていた。



そして先程に襲ってきた集団は未来で俺が非道な形で家族を奪われた老人たちが結束して俺を殺すために未来から来たのだと言うのだ。



だからこそ死ぬつもりで来たので特攻してきたのだと伝えてきた。



そう、あの気迫の意味もしっかりとしていたので俺は既に嘘だと思えなくなっていた。



だからこそ蝮は素直に私と契約してこの悲惨な未来を変えられるチャンスだと言うのだ。



本当にどこまでがそう考えているのか分からないけどこのままでは先程の悲惨な未来みたいになってしまう可能性が高い。



この男の本心が気になるけど少なくても敵ではなさそうだった。



その時にエルリアちゃんが蝮に対して目的はお金ですか女なのですかと尋ねると2つとも違うと返事が返ってきた。



ならば確かにヤバそうな内容にはならないかもしれない、それにこの後のことを知っているうえで助けてくれるのは敵ではない証拠だと考えて俺は考えを伝えるのだった。



「分かりました、どうか宜しいお願いしますのでどうか助けてくれませんでしょうか」



そう言うとユリアちゃんにエルリアちゃんは決断をするの早すぎと言われたけど相手の男がよくぞ英断をしてくれましたと言って喜びながら言うのだった。



「流石ですね、ならば私はその決断に後悔させないように全力で取り組みをさせて頂きます」



そう男が言うとすぐに持っていた紙らしい物を取り出したがそれは地図であり何処のだと思っているとすぐに男は答えてくれた。



「この地図はこの町の地図であります、現在場所がこの学校でありそこから南西に向かいますとそこにこのフェニックス軍の元駐屯地がありますがそこにある兵器があります。それを使えば化け物になったジュンぐらいならば撃ち殺すことができる兵器がありますのでこれからそこに向かいます」



俺は兵器の正体が気になるので教えてほしいと言うと蝮はすぐに答えてくれるのだった。



「それは英雄フェニックスが編み出した魔法式のガトリング砲が一台、そこの駐屯地に未だに新品と呼べるほどのやつがあるのですよ、メシアさん」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る