第19話、フェニックスのやり方

俺がそう言うとお爺さんはそう思って構わないと言ってきたのでこれでほぼ確信になった。



目の前のお爺さんこそ、伝説の英雄フェニックスだと理解した。そしてそれはジュンでも理解したのはおかしいだろと言って怯え始めていた。



するとお爺さん・・・いや、フェニックスはどうした若造、このクソジジイと言っていた強気な姿勢は何処に行ったと言いながらジュンに迫って来ていた。



ジュンは完全に怯えながら必死に逃げ出し始めた、他の冒険者たちが置いていかないでとこちらも泣きながら必死に呼び掛けていた。



そう言うとジュンはふざけるな役に立たないお前たちの為にあんな化け物と戦う理由なんてねぇだよと言って一人でも必死に逃げようとしたがその時に入り口の校庭の門が急に閉まって出られないようになった。



ジュンが泣きながら必死に破壊しようとしても全くの無傷であり抵抗しても無駄と言うばかりだった。



その間にもフェニックスはジュンを捕まえてから話を始めた。



「おや?クソジジイだから聞き間違えたかな、この余を倒すと言っていた気がするがのう」



「いやいやいやいや、英雄フェニックス様に対してそんな失礼な態度などする訳がないじゃないですか。これは腕試しをしたいなと思って少しばかり過激な事を言ってしまったかもしれませんがこの自分は決して英雄フェニックス様に対して無礼な事はしておりませんと誓います」



「はてはて?ならばどうして逃げようとするのかのう、お主の話が本当ならば大切な仲間たちを見捨てずに連れて帰るのが普通の事だと余は思うのだが違うかのう」



「誠に申し訳ありませんでした、英雄フェニックス様の強さを見て軽くパニックになっていました。今すぐに連れて帰りますので穏便によろしくお願いを致したいのですが」



そう命乞いみたいに話をしていたけどフェニックス様はそれで許すと思っていたら大間違いだ、若造と言って連れ戻してジュンとそしてそのジュンに従っている冒険者たちが一斉に命乞いを始めていた。



その光景は何とも言えない感じだったけどそう言うとフェニックス様がなら5人ほど前に出てきてこの度の責任を負わせる代わりに・・・後は分かるよなと言ってからジュンたちで責任の押し付けが始まったのである。



その光景は先程よりも惨めで醜い光景だった本当に進んで出たのは2名ほどで他の3名は時間を掛けて無理矢理に前に出された。



無理矢理に前に進まされた者は泣きながら命乞いをしてそして他の二人は覚悟が決まっているかの様にその時を待っていた。



そして覚悟が決まっている二人が英雄フェニックス様に対して命を捧げますのでどうか最後のお願いを聞いてくださいと言ってきてお願い事をしてきたのである。



それはある一人は難病で侵されている妹を助けてほしいとそしてもう一人は孤児院の子供達に満足するような生活を与えてほしいとお願いをしてきてもし叶うのであればどんな地獄でも構いませんのでどうか最後の願いを叶えさせてくださいと頭を下げてお願いをした。



すると英雄フェニックス様はその二人をしばらく見つめて急に首元まで持っていた刀ではねる寸前で止めてから話をした。



「なるほどその目、偽りの覚悟ではなく真な覚悟であるか・・・良かろう、その願いを叶えさせてやろう」



そう言うと英雄フェニックス様は何か呪文らしいものを唱えてから急に今にも死んでしまいそうな少女が現れて先程まで静かにお願いをしていた男の一人が慌て始めた。



見た感じ、この男の妹さんであろうと思っていると英雄フェニックス様は背中から羽を広げたと思っていたら羽を一つ取ってからその子の胸に置いたと思ったら羽がその子の中に消えてしまって何か起きているのと思っていると信じられないぐらいの光がその子から溢れ出してきたのであった。



何が起きていると言うと近くにいたユリアちゃんがこれは先程の俺と同じ事が起きているというのだ。



マジ!?ならもしかしてと思って観察をしていたら先程とはまるで別人と思ってしまう程に元気良くなった。



奇跡としか思えないと言うとエルリアちゃんがでも私達はそれをメシアさんで見てしまっていますからもう確信したと思う方が強いらしい。



まあ、実際に目が治っているから間違いはないだろうけどなと思っていたらその男は感激してその妹さんに抱き上げて喜んでいた。



何か見ているだけなのにこちらも嬉しくなってしまうなと思っていると男は約束ですと言って煮るなり焼くなり好きにしてくださいと正座して受け入れる姿勢をしていた。



そうして英雄フェニックス様はその男に刑罰を言い渡すのだった。



「お主の刑罰は・・・妹さんをしっかりと正しく育て、妹さんに平凡な幸せになるように頑張ること、宜しいですな」



それを聞いた男は泣きながらありがとうございます!その刑罰、喜んでお受けいたしますと声を大きくして伝えるのだった。



いきなりいい話になっているなと思うとユリアちゃんは感動したのか泣いていた。



でも本当に良い話だよなと思っていると次は孤児院に関してお願いをしてきた人にある物を差し上げた。



それは肥料みたいな奴だなと思っているとこれは英雄フェニックスの魔力がこもった肥料でどんなに痩せている土地でもこれさえあれば辺り一帯を豊かな大地にさせてしまうらしい。



それにお金やいろんな植物の種など与えた、そして安定するまではなんとフェニックス軍から一人ほど派遣もしてくれるらしい。



滅茶苦茶に至りつくせりではないですかと思っているとこちらのお願いをした女性は泣いて感謝をしていた。



そしてなら二人はもうこの様な悪い者たちと組まないように気をつけないと言ってから二人と妹さんを転送させてあげたのだった。 



そして他の3名にはもう二度とこの様な過ちをしない事、そして3名には二度とジュンたちと関わりを持たないことを伝えた。



そして新たな旅立ちとして一つの贈り物を3人に与えた、それはそれぞれが得意な武器で英雄フェニックスが失敗作として残しておいた物をあげたのである。



でも俺からすれば全然、失敗作ではないですけど武器の性能を聞いているけどどれも神々が作り出した武器よりも強いですけど!?



3人もこれからは心を改めて生きていきますと英雄フェニックスに感謝の言葉を伝えた後に先程の者たちと同じように転送された。



本当に神話通りの聖人みたいであるがならこの後のことも何となく予想がついてしまった。



「さて、生贄を出せば助かると思っていた者たちよ。先程の者たちみたいに生易しい刑罰は来ないと思っていたほうが良いからのう」




そう、先程まで優しい声を出していた人とは思えないぐらいに冷たい声を出して残っている者たちに恐怖を与えるのだった。

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