第2話、ダンジョン探索は備えが大切

俺はお金の為だと老後の為だと必死に馬鹿にしてくる冒険者たちに対する怒りを抑え込みながら自分に言い聞かせてダンジョンの中に入っていた。



今のところはとてもやばい魔物は生息しておらずこんな俺でも簡単に攻略できそうなダンジョンで少しばかり気合を入れすぎたかなと思うぐらいだった。



それでももしかしたらと考えて探索をして周っていたダンジョンとは魔物が発生源でもあるので潰せるのであれば潰したほうが良いところであるがそうしてダンジョンを潰せたのはそんなに多くはない。



その理由としてダンジョンのコアと言うか核が見つからない事が多いのだ。その核さえ破壊をしてしまえばダンジョンとして機能を失って近いうちにダンジョンは崩落してなくなってしまうのである。



その為にダンジョンのコアを破壊するのはかなり重要でそれを破壊すればかなりの金額を貰えることになる。



無論のこと強敵ばかりを生み出すダンジョンなら更に金額を張り冒険者たちは必死にそのダンジョンのコアを探している。



それはもちろん俺も探していたけどそんな簡単に見つかるなら俺は今頃、お金持ちになっているからと言いたい。



それでも比較的に簡単であるから本当にダンジョンコアが見つかるかもしれないと思いながら探していた。



でも結局、見て回ったがダンジョンコアが見つからずに苦戦をしていた。でもそれでもダンジョン内の広さなどは把握したので最低限のことは果たしたのでとりあえずは帰還する事になった。



これで何事もなく帰れると良いのだけどなと思っていると俺のことを馬鹿にしてきた冒険者たちがそう言えばメシアおっさんの能力を見せてくれと言ってきたのである。ここは広場で皆に見せやすいから見せてくれと言ってきた。



別に断る事もできたけど面倒くさいことになりそうだから素直に見せてあげる事にした。そうして見せてあげたけど俺のステータスを見ても本当に弱いよなと感じてしまう能力だった。



メシア

職業、見習いメイジ  レベル12


力 32

速さ 39

魔力 87

防御力 27


魔法

ファイアー




周りの者たちはこのステータスを見て笑って馬鹿にしていたけどこればかりは俺もそう思うとして何も思わなかった。



だって仮にもメイジなのに覚えている魔法がファイアーだけって完全に舐めているだろと怒られても仕方がない程に覚えていないのだ。



本当にそろそろ中級クラスの炎魔法、ファイガーでも覚えたいけどなと思っていると何か違和感を感じたのである。



長年、冒険者をしてきたからなんとなくであるけどここにいると不味い気がしてきたので早めにここから逃げようと言い出したその瞬間にダンジョンの通路が塞がりそしてこの巨大な部屋から魔物が一気に発生したのである。



これはモンスターハンスと呼ばれている突然な大量発生のことを指してこれで多くの冒険者たちの命を奪い取ってきたと言っても過言ではない程に危険な現象だった。



先程まであれ程に元気に俺のことを馬鹿にしていた者たちですから真っ青になって混乱をしていた。死にたくないと生きたいと泣きながら逃げ始めたのである。



俺はすぐに声を上げて伝えるのだった。



「お前ら!!とりあえず半分は通路の確保する事に、他は退路を作っている以外の者たちはその者たちを守るぞ!!お前たちだって死にたくはないだろ!!!」



そう言うと先程まで慌てていた者たちがそんな事落ちこぼれに言われなくても分かっているよ、おっさんと言われたけど実際に立て直してくれたので問題はなかった。



この場から逃げきれば良いのだから、こんなところでは俺も死にたくはない。どうせ死ぬなら可愛いサキュバスちゃんに搾り取られて死にたい。こんな魔物たちによっては少なくても死にたくはないと俺も必死に魔法を発動して応戦をしていた。



そうしてしばらくしてからようやく退路を作り出せることに成功したので俺は仕方がないかと思いで叫んだ。



「ここは俺が殿をするからお前たちは先に逃げろ、安心しろ狭い通路なら魔法の攻撃は必ず当たるから時間は稼げるはずだ・・・分かったらさっさと逃げろ!!せっかく生き延びられるならどんなになっても生き延びてみせよ!!!」



そう言うと他の冒険者たちは何も言わずに逃げ出すのだった。全く、お礼の一つぐらい言ってくれると嬉しかったのだけどな。



さて、こんな俺でも物語に出てくる主人公みたいに格好いい事でもしてみますかと迫りくる魔物たちの群れを俺は必死にファイアーを唱えて応戦して徐々に後退して逃げていた。



逃げても逃げても魔物たちはかなり追ってきており俺も持ってきていたポーションなど使い何とかして耐えて逃げていたが予備で持ってきていたポーションが全て使い果たしてしまった。



流石にヤバいかなと思っていると近くに隠し扉みたいな物を発見したので俺は一か八かと思いでそこに飛び込んだ。



するとそこに隠し扉みたいな物は存在しており入ると魔物たちの群れから逃げ切る事に成功したのだった。



俺はヨッシャーと叫んで喜んでいたが先程の戦いで疲れてその場で横になってゆっくりとしていた。



良し!この話は必ず武勇伝になるから俺も少しばかりは見直しされるだろうと思いながら俺はステータスを見てみると先程よりもなんと2つもレベルが上がっていたのである。



やはり、先程の戦いは余程に危険だったのか良く分かることであったが俺は生き延びたのだと嬉しくなって落ち着いてきて俺はある疑問が起きたのであった。



この道の先に何があるのかと気になったのである先ほどは命がけで逃げていたので気にしていなかったが落ち着いてきて冷静にもなり気になり始めたのである。



気になったら向かうのが冒険者でしょうと思いでそちらの方にゆっくりと歩き出した。幸いな事にこちらの方には一切の魔物が現れていないから安全、ゆっくりと歩いても何も問題はなかった。



そうして一本道を歩いていると奥の方に何かしらがあるのが見えてきたので歩きながら何だろうと観察しているとそれはなんとダンジョンコアがそこにあったのだ。




や、ヤッターーー!!これで俺もお金持ちになれる!やっぱり神様は何処かで見ているだな、俺がみんなのために残って一生懸命に頑張っていたからこんなに凄いご褒美があるなんて俺は感激するしかないな。



それは良いのだけどもう一つ玉みたいな物があるのだけどあれは何だろうと思ってみていたけど理解が出来ずに少なくても何方かはダンジョンコアなのは間違いはないので俺はまずは自分でダンジョンコアだなと思った方から壊してみる事にした。



すると思っていた通りにこのダンジョンから感じ取れていた魔物の気配が消え始めて正解だったなと思っていると急に痛みが襲ってきたのである。



これは初めて経験する事だけど間違いないレベル痛と言うやつだ。レベルが一気に3ほど上がると痛みが発生するというやつで聞いたことはあったけどこうして経験をするのは初めてだと思いで耐えていた。



そうして収まってきたので落ち着いてから俺のステータスを確認してみると本当にレベルが一気に上がっていたのである。



しかも夢にも見たレベルが20に到達したのであった。本当に嬉しすぎて泣きそうになった、こんな俺でもレベルが20まで上がったぞと喜んでいたけどならもう一つのやつは何と思い始めた。



同じダンジョンにコアが2つあるなど聞いたこともないのでこれは違うことは分かるけどならなんだと思ってそれを手にとって調べていたけど何だろうなと思っていると僅かにこの玉が動いていることに気がついたのである。



もしかしてこれって何かの卵だったりすると俺はそう考えた。それならば納得するしダンジョンのコアがある場所にある卵なんて絶対にやばいと決まっているから出来る限りにここで倒しておかないと思って動き出した。



でも疲れもあるせいでお腹が空いてきたのでこのダンジョンで取れた怪しいキノコがあるのだけどとりあえず匂いなど肌にあてても問題はなさそうだったので俺はファイアーで加熱をして食べる事にしたのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る