なりたいもののはなし

 映画っていいですよね。最近見た映画は怖いお兄さんと中学生がカラオケにいく作品です。ぼくは映画を見るのがすきで、考えながら見るの、好きなんです。あとは、映画見た後に感じるのは、俳優さんがすきっていう感情で、すきというかなんていうか、俳優さんがうらやましいっていうか、うまく書き表せないけど、わからないんだけど、映画一本見終わるたびにぼくはいつか俳優になりたいっていつも思う。


 書き方を変えてみよう。ありきたりかもしれないけれど、自分じゃない「誰か」になりたいといつもいつも思ってる。自分が嫌いだから別のやつになりたい気持ちもあるんだけど、それだけじゃなくて、なんか、人によって感じる「しあわせ」って違うから、そのキャラクターの感じる「しあわせ」とかを感じてみたいんだと思う。あとは、苦しさとか悲しさとかをそのまま背負ってみたいって思ってる。なんでなんだろう。たぶんそれはきっとあの時の経験からなんだと思う。


 高校入ってばっかりの頃。ふとしたときにぼくはいつも不安になってた。「ぼくっていやな奴だろうな」「それって周りにもばれてて、嫌われてるのかもな」って。本当はこんな人になりたいわけじゃないのに…って。自分は第一志望じゃない高校に行くことになっていろんな意味で嫌になった。ついていけない会話、どうでもいい話、面白くもないのに大声で大げさに笑う女の子たち。馬鹿みたいに悪ふざけばかりの男の子。ぼくにとってはクラスっていう狭い空間がつらくて嫌いだった。でも、ヒーローに救われた。日曜日の朝に放送しているその名の通りかっこいいヒーローに。つらい過去を持っていても、向き合おうとする姿。仲間と支えあって強い敵に立ち向かう姿がどうにも眩しくて羨ましくて、仕方なかった。


 あの時の眩しさが今の僕になってるのかもしれない。

ヒーローの仲間にあこがれたあの日から、ぼくはずっと俳優になって、仲間が欲しいんだと思う。隣に当たり前のようにたっていて、笑って、苦楽を共にする存在になりたいし、そんな存在がほしいとも思っているのかもしれない。望むだけでは手に入らないから、今日も前に進んでみようと思う。なんてかっこつけてみる



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