第8話 其々の決意(後編)

 火曜日の朝、智久は少し寝坊して自宅を飛び出した。昨夜遅くまで、引っ越すにあたっての段取り等に夢中になってしまったのだ。絵里も含めて三人で暮らす事に、心弾ませながらなのであっという間に時間が過ぎて行くのだ。

『ヤッベェ、明日から休むのに今日遅刻したら洒落になんねぇじゃん。』

『ゴメンねぇ、あたしも一緒に寝坊しちゃった。』

『あはははっ。そりゃそうだよ、一緒に遅くまで起きてたんだからさ。』

『明日から休むからって、責任感感じて無理しちゃ駄目だよ。トモ君は、そういうとこあるから。安全運転だからね!』

『うん、有り難う。じゃあ、行ってくるね。』

『細かい準備はやっておくから、心配しないで行ってらっしゃい!』

取り敢えず引越し先は、昨日絵里が内見をして決めてきてくれた。そして母・絹子のベットは、今使ってるクイーンサイズのベットを使ってもらう。自分達は、マットレスか何かを買ってくればそれでいい。

智久は、母・絹子を連れて来る事だけに集中していた。

『兎にも角にも、明日朝イチの便で田舎に帰る。そして、今日契約し終わる新居にお袋とチャロを連れ帰る。』

医師の往診等の手続きも、財前の奥さんから連絡があり何とかなりそうだ。智久はいつになく、えも言われぬ興奮を味わっていた。

『親父の時には、何も出来んやったしな。ちっと、気張らんといかん!』

智久は、そう自分に言い聞かせながら駅へと走った。




 同じ頃、絹子は胸を押さえながら目を覚ました。六月も末になるというのに、首筋に寒さを感じて呟いた。

『何か、暑かとか寒かとか分からんねぇ。』

そう言いながら、ふと時計に目をやる。

『八時かぁ、智久は飛行機に乗ったとやろうか?』

テレビを点けて、今日が火曜日である事に気付き大きく溜め息を吐いた。

『はぁ〜、なんね智久の来っとは明日やかね。』

そう言って、また横になった。その様子を横目に、蒼子が部屋の前を通り過ぎる。それに気付いた絹子は、振り絞る様に声を出した。

『蒼子、・・・・チャロにご飯ばやってくれんね。』

『・・・・・・。』

蒼子からの返事は、・・・・返ってこない。

だが一階からは、チャロの鳴き声がしている。

『蒼子?チャロがお腹すかしとるけん・・・・』

胸を押さえながら、絹子が起き上がった時に蒼子が顔を覗かせた。

『なんね、そこに居ったとねぇ。チャロに朝ごはんばやってくれん?』

『・・・・・・。』

蒼子は、不貞腐れて頷いた。絹子はまだ、智久と明日東京に行く旨を伝えようか迷ったまま言えずにいた。

蒼子はチャロに餌と水を与えて、自室に戻ろうと絹子の部屋を通り過ぎながら横目で見る。何となく視線を逸らした絹子を、蒼子は見逃さなかった。こういう時には、いつも何かを言われる時だからだ。しかし絹子は、胸を抑えて深呼吸をするだけで何も言わない。何も言わない絹子を不思議に思いながら、蒼子は自室に入りスマホを手に取った。

プルルル・・・・プルルル・・・・

『あっもしもし、朝早くすみません。琴美ですけども。』

『あっ、蒼子さんおはようございます。全然良いんですよ、どうかされましたか?』

『鷲巣さん、なんだか様子が変なんです。何か避けてるって言うか、よそよそしいって言うか。それに視線逸らしたりして、兎に角何か変なんです。』

頻繁に蒼子が連絡路取るこの男は、鷲巣維文わしずまさふみという(有)コトミが依頼している会計士である。鐵工所時代から会社と琴美家の会計と税務に携わってきた。もうすぐ七十歳になるこの男と、蒼子は特別な関係にあった。只特別と言っても、体の関係ではない。特別に精神的というか、特別な信頼関係を持っているのである。その鷲巣に、蒼子は今だけではなくここ数日の絹子の様子を伝えた。

『ん〜お母様は、弟さんと頻繁に連絡取り合ってるんですよねぇ?』

『ええ、毎日連絡取り合ってる筈です。』

『蒼子さんは?いつ弟さんと話しました?』

蒼子は、天井を見つめながら応えた。

『先週・・・・ですかね。』

『私が把握しているのは、先週余命宣告を受けた日の翌日だと思います。それ以降、何か話しましたか?お母様の看病とか、会社や不動産関係の事とかについて何か?』

『いいえ、全く。』

『分かりました、それでしたらいいんですけど。私は面識がないんで、何とも言いようがないんですが・・・・。』

『鷲巣さん、今日にでも自宅に来ていただけませんか?今後の事も直接説明していただければ、あの五月蝿い弟も大人しくなると思いますし。』

『いやぁ蒼子さん、私もそうして差し上げたいのですがね。お父さんが亡くなった時の印象が悪かったみたいで、お母さんは私に良い印象をお持ちではないですから。私が今お母さんに会うのは、得策ではないと思います。』

しかし蒼子は、被せ気味に言った。

『そっそんな事はあり得ませんよ、鷲巣さんの事を悪く思っている訳がないじゃありませんか。それに先日鷲巣さんが、弟が何か洗脳しているかもって仰っていたのが気になりますし。』

『ん〜それは、私も気になっているんです。東京に行って、二十年近くも実家の事をほったらかしにしていた。にも拘らず、この段階になってあれこれ口を出してくる。弟さんは間違いなく、蒼子さんを蔑ろにして遺産を独り占めするつもりでしょう。もしかしたら、数年前からお母さんを洗脳していたのかもしれない。お母さんが最初に会社の解散を言い出した時、私が止める様に勧めたのも良くなかった様ですし。』

『そうなんですか・・・・。』

『兎に角、ここが正念場ですよ蒼子さん。貴方の未来も何もかも、愚鈍ぐどんな弟から琴美家を守らなければなりません。』

『そうですよね。』

二人の密談は、もう暫く続いた。




 十時頃、智久に財前から電話がかかってきた。看護師の奥さん共々、絹子の事で大変お世話になっている。先日財前に相談してから、こまめに連絡をしてくれる。

『昨日、ウチのから連絡あった?』

『はい連絡いただきましたよ、有り難うございます。』

『絵里ちゃんだっけ?なんか、長電話してたみたいだぞ。』

『そうなんですよ、これで往診も直ぐにお願い出来そうです。助かります。』

『そうか、そりゃ良かった。それで、引っ越すみたいな事言ってたけど?』

『うん、そうなんだよね。お袋が、田舎でワンコ飼ってるんですよ。だから一緒に連れて来たいのと、どうせなら少し広い所にって思ってっすね。』

『うんうん、ペットとかいるんだったらな。うちのお袋もそうだったもんなぁ。年取ったり病弱になると、何でかペットとかに依存すんるんだよなぁ。』

『解んないんですけど、実家に居た時と変わんない環境にしてあげたいから。』

そういう智久に、財前は聞き難そうに言ってきた。

『そんで姉さんは、何にも言ってこないのか?何だかんだ言っても、親子な訳じゃんか。何にもしてくれねえって言っても、叩いたりはしねぇんだよな?』

智久は、少し考えて返す。

『正直確認してはないんだけど、叩いたりされたとは聞いていないっすねぇ。自分が確認しているのは、炊事洗濯家事全般を何もせずにお袋にやらせている事。それと、病院への送り迎えとか体を気遣う事を何もしないって事っすかねぇ。会話も無視されてて可哀想だし、一緒に暮らしているのにショートメールでコミュニケーション取ってるんすよ。』

『いや悪りぃ、変な事聞いちまったな。テレビなんかで良く見る、介護医師や看護師が隠れてやってるやつあんじゃん。そんな感じじゃないんだったら、まだマシなのかなぁ?難しい問題だけど。』

智久は、頷きながら応える。

『そういう感じじゃなくっても、お袋本人が精神的に辛いって言ってますんで。変な話、最後くらい嫌な思いさせたくないじゃないですか。』

『そうだよな。そんで、明日連れて来て引っ越しは?』

『彼女の弟が、今日から色々手伝ってくれてますんで。引っ越しも友達何人か連れてきて、レンタカー借りてやってくれるそうです。』

いろんな人の協力を得て、智久は母親の受け入れ態勢を急ピッチで進めていた。

『あぁそういえばトモ、お前も今度は絶対に病院来いって言ってたぞ。ウチのが、健康診断早く受けろってさ。』

『えっ?・・・・俺がっすか?』

『ああ、トモがだよ。なんか絵里ちゃんから言われてたらしいぞ、お袋さんの事は病院だ何だってやってるけど。自分は、何年も健康診断受けていないって。今日、受ける予定だったのを延期したんだって?ちゃんと健康診断受けろってさ。』

『はい、分かりました。お袋来て、落ち着いたら行きますよ。』

智久は、自分の事は暫くいいかと思っていた。まずは、絹子の事に集中したいと思っている。この時には、そこに運命の落とし穴がある事に気付く事は出来なかった。




 その頃琴美家では、蒼子が出かける準備をしていた。最近は、毎日の様に鷲巣の事務所に通っている。車のキーを取り自室を出て、何か気味の悪い音が聞こえた様な気がした。

『んっ・・・・・?』

空耳かと思い、母・絹子の部屋を通り過ぎる時に横目で部屋を見た。ベットに座って胸を押さえ、震えながら小さな呻き声を発している。

『ゔぅぅ・・・・』

何だこの音かと言わんばかりに、蒼子は苦しんでいる絹子をじっと十秒位見つめていた。そして、値踏み見る様にして考えている。

「この人は、態と見せ付ける様にして痛がってるの?これは私に、当て付けでやってるとしか思えんとやけど。」

蒼子は、心の中でそう呟いていた。どうせ何の世話も出来ない自分に、嫌味ったらしく当て付けで痛がって見せていると。

蒼子はいつも、「貴方は、本当に役立たずなんだから。」と言われて生きている思っていた。弟は手放しで可愛がり、自分はいつもしいたげられて生きて来たと。

若い時には、自分は血の繋がりのない子供なのではないかと疑ったりもした。そして子供の頃読んだ、シンデレラの様に虐げられ続けていると。お城から招待状が届き、人生逆転の奇跡が起きる。そんなヒロインに、自分を照らし合わせながら妄想していた。「待てば海路の日和あり」。そんな奇跡が起きて両親を、そして弟を見返してやれると。そしてそれが、今から起きる奇跡なんだと。蒼子は、絹子を睨み付けて胸の内で叫んだ。

「今まで私を虐げてきた分、たっぷりと苦しめばいい!」

そう思ったところで、蒼子は眉一つ動かさずにそのまま出かけて行った。

絹子は自分を睨み付けていた蒼子が、何事も無かったの如く立ち去る背中を見ながらゆっくりと瞼を閉じた。

ベットに座ったままで・・・・・。




 午後の業務中に掛かった絵里からの電話を、智久はトイレに向かいながら取った。

『もしもし絵里ちゃん、どうした?』

『うん、今賃貸契約済ませたとこ。鍵も貰ったし、明日引越し出来るよ。後は、私達のマットレスとか買い物に行こうかなぁって感じだよ。』

『そっかそっか、お疲れ様。あと、ワンコのトイレみたいなのも見といてくんない?すっかり忘れてたから。』

『オッケー、じゃぁ夜はちょっと遅くなっちゃうかも。そうだね、今日中に買っとかなきゃいけない物が結構あるし。お母さんが来てからだと、時間が作れないかもしれないからね。それと、区役所に転居届も出しとくね。』

『あぁ、有り難う。流石だね。』

『それで、私実家に行って弟と打ち合わせしてくるね。だからヤス君の夕食、今日は作れないかもなぁ。』

『大丈夫だよ、晩飯なんて帰りに何か食って帰るしさ。こんだけ色々やってくれてんのに、「飯作ってくんねぇのか?」なんて言う訳ねぇじゃん。それに、絵里ちゃんに頼み過ぎてるけど大丈夫?無理してない?』

『任せなさ〜い!』

絵里は、何となく西日本風の訛りで応えた。

『まただよ、どこの訛か解んないよそれ。じゃあ、悪いけどよろしく頼むね!』

『はぁ〜い!じゃぁねぇ〜。』

絵里との電話を切り、智久は時計を見た。

『十四時過ぎか。・・・・・・。』

智久は一瞬母・絹子に電話をするかと思ったが、明日直ぐ会えるからと思い業務に戻った。




 ちょうどその頃、蒼子は鷲巣の事務所から帰宅したところだった。玄関を開け、いつも以上に吠えるチャロにイラつきながら靴を脱いだ。

『本当この馬鹿犬は、上の人によう似とるねぇ。飼い主に似るって、よう言うたもんねぇ。』

そう言いながらもいつもとは違う吠え方に、流石の蒼子も何かを感じた様だった。

『アンタ、ここら辺にオシッコでもしたっちゃろう。何か、可笑しかねぇアンタ。いつもと違うやかねぇ。』

蒼子は、リビングの床や柱の所を見て回ったが何も異常はなかった。辺りを見て、蒼子は自室へ戻ろうと階段を上がろうとした。すると、チャロがより一層強く吠え出したのである。

『チッ、本当せからしか面倒くさい犬やねぇ。』

舌打ちをし、絹子の部屋を通りがけに横目で見た。すると、またベットに俯き加減で座っているのである。

「こっちも嫌味ったらしく、まぁださっきと同じ格好でるやかね。本当に嫌らしか事すんねぇ。」

蒼子は胸の奥でそう呟き、そのまま通り過ぎて自室に戻った。部屋着に着替えて十分程スマホをチェックし、飲み物でもと思い冷蔵庫へと向かった。絹子の部屋を通り過ぎ一階へ降りる。炊事場でグラスに氷を入れて、アイス珈琲を注いで部屋に戻ろうと階段を上る。そして、絹子の部屋を通り過ぎぎわに横目で見た。

絹子はまだ、ベットに俯き加減で座っている。

流石の蒼子も可笑しいと思い、絹子に近寄り顔を覗き込んだ。瞼を閉じたまま、絹子はピクリとも動かない。

『ねぇ、ちょっと。』

蒼子が軽く絹子の肩に触ると、絹子はそのまま後ろに倒れたまま動かない。

『んっ・・・・死んでるの?』

蒼子は、ゆっくりと慌てる事なく自室に戻りスマホを取った。

プルルルル・・・・プルルル

『鷲巣さん、私です。琴美です。』

『どうされたんですか?先程・・・』

蒼子は、鷲巣に構わず言葉を被せた。

『帰ってきたら、死んでるんです。あの人・・・が、・・・・帰ってきたら死んでるんですよ。』

『死んでって、お母さんがお亡くなりになったんですね!』

鷲巣は、ミュージカル俳優の様に大きく通る声で言った。

『あれ?先程、往診の医師がいらっしゃるんで帰らなければならないと仰ってましたけど。医師は、そこに居るんですか?』

『いえ、まだ来ていません。如何すればいいですかね?』

『先ず、往診の医師に連絡して下さい。病院にも、携帯にもどちらにもかけて緊急である事を悟らせるのです。そして医師が来たら、指示を仰いで下さい。自己判断だけは、絶対に避けて下さいね。先ずは、医師に死亡診断書を書いてもらわなければなりませんので。』

『・・・・はい。』

『私は、書類をプリントアウトして弟さんの帰郷に備えます。ですので医師の判断を仰いだ後は、先日仰っていたセレモニーホールへも連絡して下さい。葬儀関係の準備等は、そちらの指示に従って下さい。』

『はい。』

『私は弟さんに渡す資料と、相続に関する資料を大急ぎでプリントアウトします。あっ、そして弟さんには直ぐに連絡はしないで下さいよ。今からだと、ギリギリ最終便のキャンセルが取れて今日中に戻って来れる可能性があります。ん〜。十八時位になって連絡すれば、東京からでは今日中に戻ることは出来ないでしょう。いいですね、十八時位迄は絶対に弟さんには教えない事です。』

『はい、分かりました。』

『いいですか蒼子さん、これからが本番ですからね。私が付いていますから、安心して下さい。』

蒼子は、鷲巣の指示通りに医師に連絡を取った。そして、医師の到着後は指示を仰いそれに従った。葬儀の方は母が積立していたセレモニーホールに連絡をして、通夜・葬儀に至る準備は万端である。

しかし、まだ十五時半だ。まだ、あいつには連絡出来ない。そんな時に、玄関のインターホンが鳴った。

『すみません、警察です。この度は、お悔やみ申し上げます。少しお話を伺いたいので、お時間少しよろしいですか?』

蒼子は、玄関で迎えて対応した。

『はい、どう言った御用件でしょう?』

『いえねぇ〜形式だけなんですが、亡くなった時の状況を詳しくお伺いしたいんですけどよろしいですかねぇ。』

『ええ?でも、私は何も・・・・』

『いえいえ違うんです。そういう事ではなく、何時くらいに気付いたのかとか朝はどうだったかとか。お母様と最後に会話したのは、何時頃だったですかねぇ?』

何だかんだと人のことを疑う様な質問をされて、蒼子はイラつきながら警官に応えていった。警察はいやらしい感じの質問を、幾つもして来たわりには呆気なく帰って行った。蒼子は、大きく深呼吸をしてソファーに腰掛けた。

『まったく、まるで私が殺したみたいじゃない?どいつもこいつもさぁ。私の邪魔ばっかりしないでよね!』

普段とは全く違う雰囲気と、人の出入りの多さにチャロは驚いて大人しくしている。

『ふぅ〜、やっと落ち着いたかな。』

そう言って時計に目をやると、十七時になったところだった。

「もう大丈夫だろうそろそろ電話してやるか?いや、・・・・待って。」

蒼子はもう暫くテレビを見ながら時間を潰して、十八時近くになって智久に電話を入れた。

『喪主がいないと、何にも始まんないからねぇ。』

そう呟きながら、蒼子は家電の受話器を手に取った。

プルルルル・・・・

『はい、もしもし。』

相手に構わず、蒼子は淡々と話し出した。

『・・・・・。』

『もしもし、ことっ・・・・。』

『貴方のお母さんが亡くなりました。』

『はぁ?何言ってんだよお前!俺は、昨日・・・』

『今日の昼過ぎに、お亡くなりになりました。』

『何で昼過ぎに亡くなってんのに、連絡がくんのが今なんだよ?ふざけんな!』

『長男の貴方が帰って来るまで、通夜も葬儀も執り行う事が出来ませんのでよろしくお願いします。』

蒼子は、一方的にそれだけ伝えると電話を切った。

こうして蒼子は万全の体制を整えて、どんな時でも周りの愛情を独り占めして来た忌々しい弟を迎えるのである。

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