第97話 新たなモンスター
この辺りに何かが近づいているというアミーラからの知らせにより、俺たちはすぐさま警戒態勢を取る。
今回アミーラはアリッサ様の護衛に回るため、モンスターとの戦闘となったら俺たちだけで対処する必要が出てきた。
「またジュエル・リザードでしょうか?」
「だったらいいんだけどな」
「またあのトカゲだったら身につけている魔鉱石をひん剥いたあとで丸焼きにして食っちまおうぜ!」
「いいですね!」
相変わらずゲイリーは豪快だな。
そしてトカゲの丸焼きと聞いて引くどころかノリノリのエリナ。
……うん。
たくましくなったよ。
騎士としては望ましい姿だな。
そういえば、彼女と最初に行った遠征では食糧難に陥った際の対処法として食べられる生き物を探すっていうのをやったけど……エリナは泣きながら食べていたな。あの頃に比べたら見違える頼もしさだ。
後輩の成長ぶりに感動していると、何やら物音が。
ついに敵が姿を見せたようだ。
「ギイイイイイイイイイイッ!」
不快な鳴き声を轟かせながら現れたのはムカデ型のモンスターだった。
体長は五メートル近くあるだろうか。
ウネウネと小刻みに動く無数の足がなんとも気持ち悪い。
これはお嬢様に見せられないと、アリッサ様を護衛する女性騎士たちは目と耳を塞いで視覚と聴覚から得られる情報を完全にシャットアウトしている。ちなみに田舎育ちのドイル様はサイズこそ大きいが昆虫自体は見慣れているので平気な様子――も、さすがにあのサイズではちょっと引き気味か。
一方、こちらはというと、
「ムカデか……昆虫は貴重なタンパク源でもあるが、あいつは毒があって食べられないんだよなぁ。さっさと始末しようぜ」
「ですね。期待させた分、きっちり落とし前をつけてもらいましょう」
よく分からん理由で闘志むき出しだった。
まあ、敵を倒そうとする意識はあるから別にいいか。
とりあえずサクッと倒してしまおうと思っていた――次の瞬間、
「やああああああああっ!」
俺たちの間を縫うように駆け抜けていったのはラターシャだった。
「っ! 迂闊だぞ!」
さすがに真正面から突っ込んでいくのは無謀だ。
それより――一体何を焦っているんだ、彼女は。
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