四話
「……それは、上層部に私が信用されていないということでは?」
魔法使いに襲われ、彼らを取り調べした後日。署長は嵐を会議室に呼び出した。
彼が手に持っている資料には『トリスタンに関する計画又は提案』と書かれている。
「いや、まぁ……。俺からも色々取り合ってみたんだが……。今回は見送りとなった、というだけだ。君は、それ以外のことを考えなくていい。嵐警部。君はよくやってくれている」
「……私は対魔課に所属している人間です。所属している時点で、皆と同等に評価され、皆と同等に扱われないと困ります」
嵐は少しいらついた様に署長に言葉を返す。それを受けて、署長は申し訳なさそうに。
「ああ……。だから私も、出来る限りは取り合ってみているよ」
と言った。
「…………分かりました。用は以上でしょうか」
「ああ。仕事をしている中すまない。戻ってくれ」
嵐はそそくさと扉の前まで行き、そして「失礼しました」と言って部屋から出て行った。会議室の中には、署長だけが残る。
「……すまない。でも、俺達はまだ懐疑的なんだ。
……君が本当に人間なのかどうかすらも」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます