四話

「……それは、上層部に私が信用されていないということでは?」

 魔法使いに襲われ、彼らを取り調べした後日。署長は嵐を会議室に呼び出した。

彼が手に持っている資料には『トリスタンに関する計画又は提案』と書かれている。

「いや、まぁ……。俺からも色々取り合ってみたんだが……。今回は見送りとなった、というだけだ。君は、それ以外のことを考えなくていい。嵐警部。君はよくやってくれている」

「……私は対魔課に所属している人間です。所属している時点で、皆と同等に評価され、皆と同等に扱われないと困ります」

 嵐は少しいらついた様に署長に言葉を返す。それを受けて、署長は申し訳なさそうに。

「ああ……。だから私も、出来る限りは取り合ってみているよ」

 と言った。

「…………分かりました。用は以上でしょうか」

「ああ。仕事をしている中すまない。戻ってくれ」

 嵐はそそくさと扉の前まで行き、そして「失礼しました」と言って部屋から出て行った。会議室の中には、署長だけが残る。

「……すまない。でも、俺達はまだ懐疑的なんだ。

……君が本当に人間なのかどうかすらも」

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