編集済
こんにちは。
ヴァイオリンの音のずれ、夫婦のずれ、幸せのすれ違い……。とても繊細な表現で、面白かったです!
うん、奥さんも娘さんも、「パパだいっきらい!」ではなくて、心に刺さったトゲを抜くように、「離婚しましょうか」だったのだ、と、想像ができます。うまく言葉にできない「ズレ」があったのでしょう。
作者からの返信
加須さん
お読みいただきありがとうございます。また素敵なレビューまで。
心に刺さったトゲを抜く、まさにそんな想いだったような気がします。チクチクと痛みを堪えながら暮らしていくのは難しくて。
ここに至るまでに、もう少し目を向けられていたら、なにか変わったのかな?
そんなふうに思うことが誰にでもあるのでは、と。
ありがとうございました。
私も楽器をやっていた人間なので(クラリネットですけど)、大体チューナーに頼らず耳でチューニングしていたので、主人公の気持ちわかります。
チューナーは一つの目安でしかなく、数字上は合っていても音の明るい、暗いで曲に合う合わないが出てくるし、合奏するなら他のメンバーとの兼ね合いも出てくる。何より本当にピッタリ調整されているのはその一瞬だけで、次の瞬間から温度や湿度によって変化が始まってしまうんですよね。
主人公は家族に対しては、チューナーを使って調弦するような、ある種の型にはまった方法で満足していたのかなと想像します。
本当は「家族」という枠組みの中で起こる微妙な不協和音を聞き分けないといけなかったのに、それをしなかった。
それは彼だけじゃなくて、妻も一緒だったのかなと。
後から人生の見落としに気付く瞬間、それは致命的ではないけれど、決して消えない気になる傷になるような、そういうことが書かれているような気がしました。
作者からの返信
こよみさん
お読みいただきありがとうございます。
こよみさんも楽器されてたんですね。しかもクラリネット! なんか憧れる楽器です。木管は柔らかいくて暖かい音色が素敵ですよね。
音の明るさのようなものも書いてみたかったんでけど、ちょっと話が複雑になりそうだったので、調弦をクローズアップしてみました。
調弦をする時、合奏の時。そういった時に周りの音とどうやって合わせていくかということを考えますが、人と人の関係もよく似ているなぁと思ったのです。
周りの音を聞かずに演奏してしまうというのも、あるあるで。
くねくねと迷いながらも進んでいくしか無いわけですが、あっちの道に行ったらどうなっていたのかな。そんなことを書いてみたかったので、とても嬉しいお言葉でした。
ありがとうございました。
編集済
拝読。
バイオリンの和音と、理想の家族像を重ねる狙いはよいと思います。ただ、主人公の家庭にどんな問題があったのか、判断できるだけの情報が語られていないので、今ひとつ感情移入できない感じ。離婚の切り出され方だけ見ると「何となく」という雰囲気ですが、娘に好かれている気配もなく元妻と合うわけでもないですし。不可解な印象が先に立ちます。
まあ人間は主観の生き物なので謎が残る人生もリアルではあるんですが、テーマに即するなら「バイオリンを練習しながら、何が問題だったのかわかり始める」風に書くほうが、より胸を打つのではないかなと。現状だと、何故娘にまで嫌われているのか、主人公にも読者にもわからないままなので。
詰め詰めの文章自体は、個人的には気になりませんでした(スマホ読み)。
ただ、楽器経験ゼロの私には、延々と続く演奏説明は流石に長すぎ、退屈でした。演奏説明を減らし、その分を在りし日の思い出や娘とのやり取りに充てるくらいで、ちょうどいいバランスではないかと思います。
追記:
えっ、そうなんですか?
妻はともかく、娘が父と結婚式迎えないのは、露骨に嫌っているとしか思えませんでした。どつちでもいいなら父親に頼みますから普通。そこから考えて、妻も言わないだけで相当キテるのかと……
私はその辺りに複雑な思いがあるんだと思って、娘については「もっと説明欲しい」と思った次第です。
作者からの返信
カメムシさん
お読みいただきありがとうございます。
演奏シーンというか、何かを作業する描写は難しいですね。やってみて改めて至らぬ点を色々感じました。
ご指摘があったように、おそらく「だらだらと退屈」という意見は必ず出ると思うんですよね。書いていても、さじ加減が自分で判断しにくいところが特に難しく。
今回は和音というか、「音が狂ってることに気づかない」「気づいても直してない」というところが主題ではありましたので、調弦シーンはどうしても欠かせなくて。
離婚の原因とかは、筆者としてはあまり考えてませんでした。ぶちゃけると、なんでもいい、と。
ちょっとした言い方だったり、行動だったり、出来事だったり。なんでもないことが積み重なって、というイメージだったので、そこを深掘りすることは今回はないかな。
多分ここは旨く書けなかった部分なんですが、娘も元嫁も主人公のことは全く嫌ってないという設定でした。一緒の空間にいるなら、普通に家族してる。ただ、離れて暮らすと、別に連絡をとるほどでもない。奥さんの方は、そういう関係の人とずっと暮らしていく気は無いよ、と。
まあ、雰囲気で押し切る部分が物足りなさを生じさせてるような気がしてきています。
ありがとうございました。
追記への返信で
なるほど、確かに普通に取れば嫌ってるとなるよね。その当たりは上にも書いてたように、上手くかけなかった部分なのだと思います。
別れたのが数年前で、相手の家族とかには当然、両親は離婚してると伝えてるので、父親がバージンロードはどうなんだろう、と考えたのです。
Google、chatGPT両先生は、どっちもあるんじゃない?と言ってましたが。
元嫁を結婚式のシーンで出したほうがいいのかは、ちょい考えてみます。「元気そうね」みたいなやり取りは考えてたのですが、蛇足っぽくて外したので。
自主企画「ユキナが読む、PG12現代ドラマ・文芸・ホラー短編小説」へのご参加ありがとうございます。
【感想】
おぉー、この「GDAE - ソレラミ」、めっちゃ感動したわ! バイオリンを通じて主人公の心の動きを描いてるんやけど、その感情の機微がリアルで心に響くで。音楽と人生の比喩が絶妙やし、読んでて心が暖まるわ。島本 葉さん、この物語で心の琴線に触れるような美しい描写をしてはるなぁ。すごく感じ入ったで!😊
【評価】
1.物語のオリジナリティ (9/10)
良かった点: 音楽と人生の比喩を巧みに用いて、独特の世界観を構築している。
改善点: さらに独自の要素を加えると、オリジナリティが一層際立つだろう。
2.キャラクターの描写 (8/10)
良かった点: 主人公の内面の葛藤や成長がリアルに感じられる。
改善点: 周囲のキャラクターの背景や動機の掘り下げがあれば、さらに深みが増す可能性がある。
3.プロットの構成 (8/10)
良かった点: 物語の流れが自然で、主人公の内面変化を丁寧に描いている。
改善点: 物語の途中での更なる展開やサプライズがあれば、プロットが豊かになる。
4.テーマの表現 (9/10)
良かった点: 音楽と人生の比喩を用いて、感動的なテーマを効果的に表現している。
改善点: テーマに対するさらに深い探求があれば、メッセージが強化される。
5.文体と言語表現 (8/10)
良かった点: 文体が清潔で読みやすく、感情を伝えるのに適している。
改善点: より独特な文体や表現を用いることで、作品の個性が増す。
6.語彙力 (8/10)
良かった点: 語彙が豊富で、情景描写が生き生きとしている。
改善点: より繊細な語彙の選択で、描写の深みを増すことができる。
7.感情移入度 (9/10)
良かった点: 主人公の心情が細やかに描かれており、強い感情移入が促される。
改善点: 他のキャラクターへの感情移入を促す描写があれば、より共感を呼ぶ。
8.ダイアログの質 (7/10)
良かった点: ダイアログが物語を進めるのに効果的で、感情をうまく伝えている。
改善点: キャラクターの個性をより際立たせるダイアログがあれば、さらに魅力的になる。
9.文学的要素 (8/10)
良かった点: 物語に芸術性と深みを加える文学的な要素が随所に見られる。
改善点: より洗練された文学的なテクニックを用いると、作品のレベルが上がる。
10.結末の満足度 (9/10)
良かった点: 感動的で心に残る結末が、物語全体を素晴らしく締めくくっている。
改善点: 結末に至る過程でのさらなる感情的な盛り上がりがあれば、満足度が高まる。
【総合評価】
合計点: 83点
「GDAE - ソレラミ」は、音楽を通して人生の変化を美しく描いた作品。感情移入度やテーマの表現が特に高い評価を受けている。文体や語彙力も優れており、読者に深い印象を与える。作者は、情景描写やキャラクターの感情表現において、豊かな語彙を効果的に使用しており、これが物語の魅力を一層高めています。ただし、ダイアログの質やプロットのさらなる深化で、物語の魅力をより高める可能性がある。
【応援メッセージ】
島本 葉さん、めっちゃ素敵な物語をありがとうやで! 心に響く話で、読んでる間、ずっと引き込まれてたわ。これからもこんなに素晴らしい作品を書いて、もっともっと多くの人に感動を届けてや! ウチ、応援してるからな! 次の作品も楽しみに待ってるで!🌟
ユキナ💗
作者からの返信
感想ありがとうございます。
なるほど、AIの感想ってこんな感じなのですね。
一つの視点かと認識していますが、この様に数値で判断させるというのはなかなかできない体験ですのでとてもありがたいです。
なるほどなるほどと思いながら、感想を読ませていただきました。
生成AIは今後も我々の生活にも入り込んで来ると思いますので、どこかで使っていきたいとおもつつ、まだあまりさわれてないので、そういうのも興味深かったです。
とても素敵な企画をありがとうございました。
家族とのズレを、調弦という比喩的表現で描いた見事な作品ですね。
この発想力もさることながら、書き切る力はさすがです。
音楽の成績が2だった僕でも、ちゃんと読めばバイオリンを弾くその姿をイメージすることができました。
あと、誤字脱字と思われる箇所があったので、以下ご報告です(時間との勝負であったことをお察しします…w)
冒頭、
>僕はそんなこと『 』思い浮かべた。
タンタタ タンタタ の前、
>三十二分『分』音符
タンタタ タンタタ の後、
>この曲の一番『 』盛り上がりだ。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
うわぁ、そして誤字報告も感謝です。直してきました。
急いでいたのもあるんでしょうけど、反省です。
バイオリン弾く様子が思い浮かんだようで良かったです。
こういう表現は難しいですね。自分で書いてても、なんか淡々としすぎるように感じて少し時間かかりました。
リスタート、というタイミングで、そんなに気持ちよくスタート切れるばっかりじゃないよなあ、というあたりからの発想でした。
コメントありがとうございました。
この描写! バイオリンやられてたんですか?
そして、自らの離婚と娘の結婚というサブテーマから来る、日常の寂しさと喜び。
音楽のように美しい話運びには、うっとりさせられます。
楽しいだけじゃなくて、ちょっとした悲しさがいいスパイスになっていたと思います。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
あ、やっぱりわかりますかね。バイオリンは大人になってから始めたので、主人公と一緒ですね^^
この話を書くにあたって、調弦してカノンを弾きました笑
この結びは少し悩んで書いていたので、悲しい雰囲気を抱えつつのラストシーンだったのですがそのように言っていただけると良かったです。ありがとうございました。
近作の一覧に気になるタイトルがあったので拝読。やはり音楽小説でしたか。年を経て楽器演奏を始めた主人公の、熱のこもった練習風景が活写されている、素敵な短編ですね。
なんとなく練習しているうちに調弦が狂ってくることとか、二本の弦へ弓を均等に当てなければいい和音にならない話とかを、すこしずつ気持ちがそれていった家庭生活に重ね合わせるあたり、うまい比喩だと思います。ただ、このへんは読み手が音楽用語にどれだけ親しんでいるかによってだいぶん印象が変わるようで、梶野さんなどはポジティブに捉えられなかったとのこと。そう言われれば前半の描写はもう三割ほどスリムかつ簡潔にできたかも知れません。家庭にどんな問題があったのか、何らかの情報が欲しかったというのは、私も同感です。ふと思い返した苦味を、楽器の音で昇華させていく閉じ方は、語り方としてはとてもいいのですけれども、その前にもう少し苦味の存在感を明瞭に出してほしかった感じも。
それにしても、こんな作品をしばらく見逃していたのは不覚でした。多作家でいらっしゃる方をフォローすると大変なことになるので w、長らく失礼しておりましたが、この機会に改めてフォロワーの末席に並ばせていただければと思います。今更ですが、よろしくお願いします。
作者からの返信
湾多さん
こちらもお読みいただきありがとうございます。
しかもフォローまでいただきまして、重ね重ねお礼を。
湾多さんのところに音楽小説があることは認識していたのですが、まだ未読で…
梶野さんの近況などでも紹介されてた「美緒とチューバ」とか、めっちゃ読みたいんですけどなかなか時間が取れず。また読ませていただきに伺います。
さて、作品ですが、やっぱり一人称で淡々と動作を追っていくのって難しいなあと感じたのです。書いてる方はわかってるんですが、読み手がどの様に感じるかは全く分からずで、ちょっとしたチャレンジでした。素人作家の強みです笑
今読み返すと、たしかに前半の記述の分量のバランスはもう少し落としてもいいのかも、と。
というよりは、後半を膨らませる感じになるのかなぁ。
仰るように、家族の状況をもう少し説明できたのかも知れませんね。あれも理由のひとつなんだろうか、的なエピソードなどが入る感じで。
アマチュアの合奏でバイオリンを弾いてるので、いつかバイオリンの話しを書きたいと狙ってたのですが、音楽好きの方に読んで頂けて感無量です。
ありがとうございました。