影から

庄次郎「くぅ〜、見失った…」


庄次郎は八郎たちがいた木の下で周りを見回す。


庄次郎「殿からちゃんと着いて行けって言われたのに…さっきまで居たのに、どこ行っちゃったんだ?」


数刻前…


三成「庄次郎。」

庄次郎「ははっ。」


庄次郎は三成に呼ばれ三成の自室に来ていた。


三成「お前に頼みがあるんだ。」

庄次郎「なんでございましょう?」

三成「八郎たちが聚楽第に行くのは知っているだろう?」

庄次郎「はい、存じております。」


三成は庄次郎の返事を聞いてから少し間をおいて続きを話した。


三成「あの三人をお前に見守って欲しいんだ。」

庄次郎「見守る?」

三成「あぁ…ただ着いてくだけで良い。」

庄次郎「でも、もう行ってしまいましたよ?」

三成「影から見守って欲しいんだ。」

庄次郎「影から…」


影からってなんで一緒に行くじゃダメなんだ?そっちの方がいいのに。


三成「庄次郎、耳を貸せ。」

庄次郎「?」


ほうほう…

なるほど!そう言う事か!


庄次郎「もちろん、やります!お任せください!」

三成「頼りにしている。」

庄次郎「ははっ!」


・・・


庄次郎「とは言ったものの…見失ったらダメなんだよなぁ…」


とりあえず辺りを見回す。

特に目印はない。


庄次郎「まずいな…」


庄次郎がふと下を向くと数人の足跡があった。


庄次郎「これは…足跡…?もしかして…」


庄次郎は少し考えると顔を上げ走り出す。


庄次郎「八郎様たちのか分かんないけど、追ってみよう。」


・・・


一方八郎たちは…


「矢助!これも食べない?」

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