心配事?
三成「準備してるとこ悪いな。」
突然俺の部屋を訪れた父上はいつも通り笑っているわけでもなく決して冷たいわけではない説明しづらい顔をしていた。
「どうかなさったのですか?」
俺が話しかけても父上は部屋と廊下の間に立ち、襖を開けたまま立ち尽くしていた。
なんとも言えない空気が流れる。
しばらく見つめあった後、父上は襖を閉め俺に目線が合う様にしゃがんだ。
三成「順調か?」
「え?」
三成「準備の事だ。」
「あ、はい。特に物もありませんし。」
沈黙があった割には頭痛の質問だった。
三成「そうか…」
父上は落ち着かないのか目線を逸らした。
「…父上?」
父上の笑ったり色んな顔を見てきた、だから心配している。それだけは顔から伝わってきた。
「私は大丈夫ですよ!しっかりやってきます!」
何が心配なのか分からないが、俺が元気に父上に向かって笑顔を向けたがまだ心配な心は消えないのかいつもの顔には戻らなかった。
三成「…気をつけてくれ。」
「はい!」
父上は俺の頭を軽く撫でると部屋を出た。
どうしたんだろ…父上…何か心配事でもあるのか?
まだ、秀吉と秀次は悪い関係にはなってないから行く事に心配している訳ではなさそうだが…
とりあえず、気をつけたほうがいいのかな?
・・・
三成「・・・。」
為広「良かったのか?」
三成「あぁ…別に大したことでもない。」
吉継「あの三人なら、何もないだろう。」
吉継の言葉に為広が続ける。
為広「きっと俺らが考えすぎただけさ、現にそんな話聞かない。」
三成「そうだな。」
先程の様子とは打って変わって三成はいつも通りになった。
三成「私たちも仕事をしなければな。」
為広「まだまだ、有り余ってるからな〜。二人は。」
為広はニヤリと悪戯に子供っぽく笑って見せた。
三成「何言ってるんだ。」
三成は降らないと言った様子で身を翻し、
三成「お前もまだ仕事が有り余ってるだろ。早くやるぞ。」
と言うとスタスタと歩いて行った。
為広「はいはい、分かってるよ。」
相変わらず自分の冗談を無視する三成に相手にされないのが少し不服なのか為広は苦笑する。
吉継「いつも通りじゃないか。」
為広「まぁね、たまには突っ込んで欲しいけど。」
吉継「三成が待ちくたびれるだろう、我らも行こう。」
為広「ああ」
為広と吉継は三成の後を追いかける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます