共同ミッション

吉継「八郎。お主に頼みがある。」

「はい…何でしょう?」

吉継「八郎だけと言うより…お主ら三人だ。」

吉治「僕たちも?」

「え?何も聞いてないの?」

吉治「うん。」

「為景も?」

為景「なんも。」


二人とも知らないんだ…てっきり知ってるのかと…


吉継「で、その頼みと言うのはな…聚楽第に行ってもらいたいのだ。」

「聚楽第?」

吉継「そうだ。」


聚楽第と言えば、この年はまだ豊臣秀次が生きてるから、いるよな?きっと。


為景「聚楽第って…それが頼み事ですか?」

為広「あぁ詳しいことは俺もわからん。」

為景「へぇ…」


んー。なんだろ。


三成「関白殿下からの頼みだ。聞いてくれるか?」

「関白殿下が私たちを?」

三成「お前たち三人をと…」

為景「おぉ〜面白いじゃん!」

吉治「ね!」


面白いかは分からないが、行ったら豊臣秀次に会えるかもしれないって事だよな。


「もちろん。お引き受けします!」

為広「おっ、やる気があって良いな。」

吉継「それは良かった。」


父上たちは安堵の表情を浮かべる。


吉継「聚楽第まではここから近い。準備をして昼前には出ると良い。」


あ、今すぐなのか。京都だし近いもんな。


吉治「分かりました。」


吉治が返事をすると、父上たちは忙しいのかすぐに立ち上がった。


三成「では、頼んだぞ。」


吉治「ねえねえ。」


吉治がぴょこんと横から顔を出し突いてきた。


「どうしたの?」

吉治「八郎な関白殿下にお会いするのは初めてでしょう?」

「うん。二人は会ったことあるの?」

為景「あるよ、関白殿下は気さくで優しいんだ。こんな俺たちにも気をかけてくれる。」

「そうなんだ。」


秀次って厳しいとかより優しいイメージがあるから本人もやっぱそうなんだな。


吉治「とりあえず準備しないと。」


吉治が立ち上がると為景も立ち上がった。


為景「また後でな。」

「うん!」


二人と一旦別れると準備をするため部屋に向かった。


「ん〜。」


準備と言っても何を持ってけば良いんだ?

別に何かを届けたりするわけでもないし特に…手土産とか必要なのか?


俺が一人であれこれ考えていると父上が部屋に来た。


「あれ?父上?」

三成「準備してるとこ悪いな。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る