秀次事件

久々の兄弟達

重家「八郎!!」

「兄上?」


重家兄上がニコニコしながら入ってきた。


重家「お前に客が来てるぜ!」

「客?」


こんな朝早くから誰だ?


重家「ほら!行こ行こ!」

「う、うん。」


朝食前にお客さんが来るだなんで珍しい。


重家兄上と歩いていると重成兄上と佐吉にも会った。


佐吉「あにうえー!!」

「うわっ」


佐吉はこちらに勢いよく抱きついてきた。


佐吉「あにうえ!あそぼ!あそぼ!」

「あぁ…今はダメなんだ。ごめんね。」

重家「ほら、八郎が驚いているだろ?」

佐吉「うん…」


兄弟で話していると重成がこっそりと耳打ちしてきた。


重成「最近、八郎が忙しそうだから佐吉も寂しいんだよ。」

「なるほど…」


そうか…そういえば、しばらく佐吉もそうだけど兄弟達と絡んでなかったな。俺もまた遊びたいな。


佐吉「でも!きょうはあそぶの!」

重家「だから、八郎にはお客さんが来てて…」

重成「まぁまぁ…そんなに怒らないで…」


朝から兄弟でわちゃわちゃしていると


三成「朝から元気だな。」

重家「父上!」


父上はゆっくりと俺たちの前にきた。


三成「何をしてるんだ?」

重成「それが…佐吉が八郎と遊びたいって駄々をこねてて…今はダメだって言ってるんですけど。」


重成がチラッと佐吉の方を見ると佐吉がバタバタと泣いて暴れて重家兄上を困らせていた。


「佐吉。今度一緒に遊ぼう。今日はごめんだけど…」


俺が佐吉に目線を合わせて話すと佐吉は分かったと泣き止んでくれた。


三成「佐吉、おいで。」


父上が優しく微笑み手を広げると佐吉は走り出し父上の腕の中に収まった。


三成「八郎。」


佐吉が落ち着くと、父上は顔を上げた。


「はい」

三成「客が来ている。早く行くぞ。」


父上は重成に佐吉を頼むと俺と歩き出す。


「客というのは?」

三成「お前に頼があるみたいだ。」

「は、はぁ…」


俺に頼み?誰だ?


父上が襖を開けるとそこにいたのは


為広「おう。三男坊。」

「為広殿!」

吉継「朝早くすまんな。」

「刑部殿…」


ふと二人の後ろを見ると


為景「八郎!おはよう!」

吉治「やあ!昨日ぶりだね。」


え?ちょ、二人まで…何だ?


三成「遅くなったな。」


父上が先に部屋に入り、俺も続き座る。


為広「気にするな。」


父上と俺が為広殿と刑部殿に対するように座る。


吉継「八郎。お主に頼みがある。」


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