三成と八郎

三成「友達が出来たようで良かった。今日はみんなで何をしたんだ?」

「まず今日は利家様の屋敷で…」


俺は屋敷についても夢中になって今日の出来事を話した。


三成「はっはっはっ!それは面白いな。」

「そうですよね!」

「あとは…」


三成「八郎。」


父上は俺の話を割って話し出した。


「はい?」


どうしたんだろう?


三成「私はお前が皆と関わりを持ってくれた事。嬉しく思っている。」


ゆっくりと呟くように話す。


…どういう事だ?俺普通にしてただけだぞ?


三成「前話した事。覚えているか?」


・・・


数ヶ月前…


三成「ふぅ…」


八郎は上手くやっているだろうか?

あいつは控えめな性格だからな、殿下に粗相をすることはないだろう。

それにしても最近のあいつは活発になったな。今まではあまり皆と関わらずひたすら部屋で何かやっていて心配していたのだが…

庄次郎と出掛けたり、千歯こきを発明したり…変わったな。


外から足音が聞こえてきた。おそらく、殿下と話を終えたのだろう。


三成「ご苦労だったな。」

「父上!」


いつも通りだな。


三成「大丈夫だったか?粗相もなかったか?」

「は、はい。」


良かったとりあえず大きなことはなかったらしい


三成「それならいい。何て言われたんだ?」


「えっと…」


・・・


三成「なるほどな。」


殿下に直談判か…なかなか派手な事をするな。


三成「まぁ、仕方ない。元服ともなるとまだ先だな。」

「そ、そうですね…」


しかし…いきなり働きたいだなんでまだ小さいのに何を考えているんだ?


三成「何をそんなに慌ててるんだ?」

「いや、何でもございません。」


何かあるな…隠し事か?


三成「それより、お主は何故殿下にお仕えしたいと頼んだんだ?」

「役に立ちたかったので…」


三成「役に立つか…」


役に立つ…もうそんな事を考えるようになったのか…本当はまだダメだと言いたい。まだ政治に関わらせたくない。ダメだ絶対に。

だが、この目は本気だ。八郎が今までしなかった目をしている。


どうする?


この目を無駄にするわけにはいかないだろう。


だったら


この方法なら、八郎を安全なところで。そして気持ちを無駄にせずに済む。


よし、これにしよう。


三成「なら、私を手伝ってくれないか?」

「え?」


五歳児の俺を励ますための言葉か?それか、本気なのか?


三成「本気なんだろ?」

「あ、当たり前です!」

三成「やるか?」

「やります!」

三成「よし、いい返事だ。」

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