現代の知識

為景「そんなにいるのか?」

忠利「うん、みんな咳したり熱を出したり…」


風邪か?みんなって…


吉治「そんなに大勢が?」

忠利「うん、もう治った人もいるけど。」

為景「みんな部屋で隔離か?」

忠利「部屋から出ないでとは言ってある。」


ふーん。でもなんでそんないっぺんに?

一緒にいたらうつるとかは分かるけど。


「何か催しでもあったの?」

忠利「宴とかならあったよ。」


それだ、原因絶対それだよ。


忠利「回し飲みとかしてかなり盛り上がったらしいよ。」

うわっ確信犯だ。


為景「宴ってそんなしょっちゅうやるもんか?」

吉治「まぁまぁ…」

「部屋に隔離って換気とかしてない?」

忠利「うん、してない。」


ダメじゃん。まぁ、この時代はそうなのか?


「換気はした方がいいよ、空気がこもるのは良くない。」

忠利「そうなの?」

「そうだよ。」

忠利「どうして?」

「えーっと…」


・・・


ん?説明するの案外難しくないか?ウイルスとか言っても通じないし…


考え込む八郎を三人は黙って見つめていた。

すると吉治は何が思い付いたのかポツリと話し始める。


吉治「でもなんとなく分かる気がする。」

為景「何が?」

吉治「八郎が言ってる事。」


え?納得したの?


忠利「確かに。」


いやいや、何も説明できてないって。


「えっと…?」

忠利「他にも何かある?」


忠利は真剣にこちらを見てきた。


「あぁ、うーん。消化にいいものを食べる事、乾燥を防ぐ為に加湿したり…あとは水分補給とかかな。」


俺がそう答えると忠利はよし!わかった!と言って早速お茶を持ってきた家臣に伝えに行った。


大丈夫かな?薬とかないけど…風邪ならなんとかなるか?


為景「それにしても…」


為景は喋りながらこっちを見て


為景「そんな事どこで知ったんだ?」

「えっと、知ったと言うか…」

吉治「?」

「考えついた?みたいな」


・・・


為景「なるほどな。」


納得するんかい。


為景と話していると横で吉治が爆笑しながら言った。


吉治「あははっ!やっぱ八郎と一緒にいるのは楽しいや!」

「なんで?」

吉治「だって八郎は僕じゃ思いつかない事を考えるし、知らない事を知ってる。」


まぁ、ただ現代の誰もが知ってる知識だけど…


吉治「あと、一緒にいて面白い!」

「あ、うん。ありがとう。私もそう思ってる。」

為景「八郎といれば普段は見れないものを見れる気がする。俺もそんな感じがするんだ。」


二人とも…

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