初めまして

利長「あぁ吉治殿!為景殿!」


ん?誰だろ?


吉治「利長殿!」


前田利長か、この人も今後警戒していかないと。


利長「今日も来たのか、勉強熱心なのは良い事。」


挨拶しておこう。


「初めまして、こんにちは。」

利長「八郎くんだよね?」

利長「君もここで伸び伸び学んでいけ。きっと役に立つ。」

「はい!ありがとうございます!」


利長殿と会話をしていると何やら大声が聞こえてきた。


勝典「うぉぉおお!」


こちらに向かって全速力で走ってきている。


「な、なんだ?」

為景「勝典殿だよ、いつもああいう感じ。」


勝典は勢いよく屋敷の門をくぐると俺たちの方に来た。

すると勝典は無言で俺を見つめてきた。


こ、この人なんだ?しかも近いし…


「えっと…初めまして…」


俺が挨拶をすると勝典は


勝典「私は勝典!戸田勝成の嫡男である!」


と誇らしげに自己紹介をする。


「私は石田八郎。石田三成の三男。よろしく」


俺が自己紹介をすると勝典がまた俺の顔を見つめてきた。


勝典「三男坊か!珍しいな!仲良くしよう。」

「う、うん。こちらこそ。」


また熱血みたいなやつが増えた…


吉治「中入ろうよ。」

為景「そうだな。」


俺は二人と屋敷の中を歩く。


はあ〜、やっぱ迷路だよな。道覚えるの大変なんだよ。


為景「ここ。」


為景が部屋を指差す。


為景「いつもここでやってるんだ。」

吉治「時間あるから待ってよう。」


二人は入って行き真ん中を開けて座る。


為景「ほら、ここ座れよ。」

「席、自由なの?」

吉治「そうだよ!決まってない。」


俺はちょこんと二人の間に座った。


為景「ふあ〜眠い。」


為景が横で眠そうな顔をしていると吉治が笑っていた。そんな待ち時間を過ごしていると足音が近づいてきた。


勝典殿か?


俺が振り向くと居たのは


利家「おぉ…お主らは早いのぉ…」


そこに立っていたのは二人の小姓を連れた前田利家であった。


為景「利家様!」

利家「おお、為景か吉治に八郎も。」


俺のこと知ってるんだ。利家様。なんか、歴戦の武将感かすげぇ…歳はとってるけど強そう。


吉治「おはようございます。利家様。」


吉治が礼儀正しく深々と頭を下げた。


「おはよう御座います。」


俺も吉治に続き挨拶をする。


利家「よいよい、固くなるな。」


利家様はゆっくりと俺たちの前に歩いてきた。

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