一歩前進
はぁ…ダメだったかぁ…それもそうか俺、五歳児なんだもんな…俺が五歳なら吉治と為景は何歳なんだ?
三成「ご苦労だったな。」
「父上!」
あ〜、安心感。
三成「大丈夫だったか?粗相もなかったか?」
「は、はい。」
ある意味粗相だったかな、さっきのは。
最初怖すぎて殺されるかと思ったよ。
三成「それならいい。何て言われたんだ?」
俺は父上に今あったことを伝えた。
三成「なるほどな。」
いや、めっちゃ冷静だな。俺、秀吉にかなり無理言ってるのに。
三成「まぁ、仕方ない。元服ともなるとまだ先だな。」
「そ、そうですね…」
元服って大体十代だろ?俺が十歳になったら、一六〇〇年だから何も出来ず石田家が滅びることになる。それはまずい、てか俺は嫡男ですらないどうやって政治に介入しよう…三男とかって寺に預けられたりするだろ?
あぁ〜!!やばいぃい!
三成「何をそんなに慌ててるんだ?」
「いや、何でもございません。」
三成「それより、お主は何故殿下にお仕えしたいと頼んだんだ?」
「役に立ちたかったので…」
かなり落ち込んでいるように見えたのか父上が俺に話を聞いてきた。
三成「役に立つか…」
父上はしばらく考えた後
三成「なら、私を手伝わないか?」
「え?」
五歳児の俺を励ますための言葉か?それか、本気なのか?
三成「本気なんだろ?」
「あ、当たり前です!」
俺は本気だ、やるって決めた。
三成「やるか?」
「やります!」
三成「よし、いい返事だ。ひとまず帰ろう。」
俺と父上は屋敷へと並んで帰った。
「父上。」
三成「…何だ?」
「前に言っていた利家殿の屋敷でやっているやつに行きたいんです。次はいつあるかご存知ですか?」
三成「確か、明日だな。」
明日…なんか急だけど頑張ろう。
屋敷へ着き俺は自室へ向かった。
今日はとりあえず一歩前進って事か。
ともかくめっちゃ疲れた。
部屋につき勢いよく襖を開けると
為景「おつかれ、八郎。殿下とはどうだった?」
しばらく沈黙があった。
「え?なんでいるの?帰ったんじゃ…」
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