お呼び出し

為景「何怖い顔してるんだ?」


為景が顔を覗き込んでくる。


「え?いや、まぁ考え事」


為景「考え事?」

「なんか、火縄銃ってこれ以上進化しないのかなーって」

吉治「使い易くなるとかそういう事?」

「そう。」

為景「うーん、あるんじゃない?それだったら。それか火縄銃より強い武器が南蛮から来る、とか。」

「南蛮…」


輸入するのはアリだ。でも、輸入したら俺ら以外の大名もそれを手に取れるだろう。

ダメだ、なるべく自分達だけを強化したい。


為景「八郎ー?」

「あ、ごめん。」

為景「武器とか好きなの?」

「まぁ…好きというか興味はあるかな。」

吉治「物好きっぽい雰囲気あるしね。」

「…そうかな?」


三人で話していると鍛冶屋がこちらに来た


鍛冶屋「おう、もういいのかい?」

為景「うん、ありがとう。」


為景に続きありがとうございますと言いながら返していき店を出る。


吉治「やっぱここの火縄銃が一番だよな。」

為景「あぁそうだよな!」


そんなに凄いのか、この鍛冶屋。


左近「八郎様ー!!」

「うん?」


左近がこちらに向かって走ってくるのが見えた。


「左近?どうしたんだ?」

左近「八郎様。殿がお呼びですぞ!!」


父上が?何の用だ?朝から出かけるのに


為景「お!お父上にお呼ばれか。」

吉治「どうしたんだろうね?」

「じゃあ、行ってくるよ?」

為景「おう、行ってこい!」

吉治「また出掛けようねー。」


二人に手を振り左近と帰る。


「父上は朝からいないんじゃ?」

左近「先ほど帰ってきてな、八郎様をお探しじゃったから。」

「私を…」

「一体何の御用だろう…」


屋敷につき早速父上のところに向かう。


「父上、八郎にございます。」

三成「おぉ入れ」


襖を開けるといつも以上に真剣な顔をした父上がいた。


なんだろう?


「私に御用とは何でしょう?」

三成「殿下がお主に会いたいそうじゃ。」


え?俺に?


「なんで…」

三成「千歯こきが噂で広まり、殿下のお耳に入ったんだ。そしたらお主に会いたいと」


あー、千歯こきか。殿下に会えるんだったら、アピールしとかないと!秀吉と面識ないのは痛いからな


「なるほど、今すぐですか?」

三成「今すぐだ。」



今すぐ〜!!何も考えてないぞ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る