歴史改変・千歯こき

とりあえず、俺は今日も庄次郎と千歯こき制作の続きやらないと。父上が見にくるらしいから。


「庄次郎!おはよう」

庄次郎「おはようございます!八郎様!」


庄次郎は一足先に着いたらしく準備をしてくれていた。


「今日は父上が見にくくるらしいから、頑張ろうね。」

庄次郎「そうなんですか!?この前殿にお話ししたからかな?」

「うん、庄次郎が褒めてたって言ってた。」

庄次郎「ふふふっ、たくさん褒めときましたよ〜」


ニヤニヤと悪戯な笑顔を浮かべる。


そのあとも庄次郎と真面目に千歯こきを作っていた。


三成「八郎、よく励んでいるな。」

「父上!」


父上に声をかけられ振り向くと父上と誰かがいた。庄次郎は素早く二人の方を向き跪いていた。


為広「ほお〜、随分と大きなものを作ってるな。」


だ、誰だ?結構イケメンだな。


三成「そうだな、脱穀の道具らしいぞ。」

為広「へぇ〜」

三成「いきなり見にきてすまんな。見たいと言うんで客人も連れてきた。」

「あ、はい…」


キョトンとした顔の俺に父上が気がついた様子だった。


三成「あぁ…為広のことを紹介してなかったな。」

為広「平塚為広だ。君の父上にはよく世話になってるよ。」


お〜!!!平塚為広!!大谷吉継の盟友と言われている!!へ〜、父上とも仲よかったんだ!


為広「ところでこの道具はどうやって使うんだ?」


為広殿は興味を持ったのか近くに来て道具を見ていた。


三成「気になるな」


父上も道具に近寄ってきた。


「製の台に付属したこの足置きを踏んで体重で固定し、櫛状の歯の部分に刈り取った後に乾燥した稲や麦の束を振りかぶって叩きつけ、引いて梳き取るんです、そうすれば簡単に脱穀ができると言う農具です。」


俺はこの前庄次郎にした説明を二人に説明して、父上が来た時に見せられるように事前に庄次郎が持ってきてくれた稲で実践してみせた。

すると二人は刑部殿の時以上の驚いた顔をしていた。


為広「なんと…」

三成「これは自分で考えたのであろう?」

「まあ…はい…」


実際は江戸時代の人が考えたやつだけど。


俺が返事をすると父上はしゃがんで俺の両肩を掴んできた。


三成「八郎、すごいぞ!これは使える!」


父上は今以上にない驚きと嬉しさの顔で俺に言った。


為広「これは格段に効率が良くなるな。」


また、為広殿も深く感心したらしくしばらく道具を見ていた。


「あ、ありがとうございます。」

三成「このような道具よく思いついたな。」

「色々、試行錯誤しまして…」


全然試行錯誤なんてしてないよ、ただ知ってたらか作っただけで…戦国時代に千歯こきを作ってしまった…


為広「こりゃ農民も喜ぶな。」


為広さんも俺を褒めていた。


俺が千歯こきを作った事はたちまち噂になっていた。

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