千歯こきを作ろう!

庄次郎「って何をするんですか?」

「脱穀が楽になる道具を作る。」

庄次郎「何が思い付いたんですね〜、楽しみです。」


俺は帰るなり早速取り掛かろうとした。


重家「あ!八郎!」

重成「随分時間かかったな」

佐吉「あにうえー!おかえり!」

「あ、うん。ただいま。」

重成「何を急いでいるんだ?」

「ちょっとやりたいことがあって…!!」


俺が庄次郎の手を引っ張り走って行こうとすると


重家「後で遊ぼーなー!!」

「はい!楽しみにしてます〜」


みんなに急いであいさつをし俺は自室に行き、紙と筆を取り出した。下書きをして庄次郎に見せる為だ。


庄次郎「ほおほお…」

「こんな感じのやつ!」

庄次郎「どうやって使うのですか?」


「製の台に付属した足置きを踏んで体重で固定し、櫛状の歯の部分に刈り取った後に乾燥した稲や麦の束を振りかぶって叩きつけ、引いて梳き取る。そうすれば簡単に脱穀ができる!」


庄次郎「おぉ…流石八郎様!分かりました!まずは木材を持ってきますね。」


庄次郎は木材を持って来る為部屋を出て行った。


よし、構想は浮かんだ。あとは形にするだけ。庄次郎を待とう。


しばらくするといろんな大きさ形の木材を持ってきた。


庄次郎「まずどうします?」

「この先っちょのとんがってるところ削りながらを作る。」


俺は良さげな木材を運び出し庭で切ることにした。


「よぉし、やるぞー!」


俺はやる気満々で気を切ろうとしたが


「あ、あれ?…力が足りなくて切れない…」


そういえば、俺まだちびっ子なんだ…忘れてたッ…それにしても一向に切れない…


庄次郎「大丈夫ですか?やりますよ?」

「ぐぬぬぬ…」

庄次郎「俺が切るんで、組み立てて下さいよ。お任せください。」

「ハァハァ…分かった…ありがとう…」


くそっなんか悔しい。


それから二人はずっと作業をしており、いつの間にか夜になっていた。

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