庄次郎とお出掛け

「では、失礼します。」

吉継「気をつけてな。」


俺は軽く会釈をして部屋を出る。


はぁあ…めっちゃいい人だった…良かった〜

でも発言には気をつけないと、俺はすぐ顔に出ちゃうから…しかも…


五助「お話は終わりましたか?」

「わあぁ!?」

五助「如何されましたか??」


いきなり話しかけられてビックリしたぁ。

五助もビックリしてるよ。なんかごめん。

また声に出てたのかと思った…


「あ、いや、その…何でもないですよ。あはは…」


さっきも使った笑いで誤魔化す。


五助「?そうでしたか…」


五助は不思議そうにこちらを見る。


五助「浅香殿が玄関でお待ちですよ。」

「あ、そうだった。」


庄次郎も一緒だったな。道案内してもらったのにすっかり忘れてた。


「庄次郎!お待たせ!」

庄次郎「用事は済みましたか?」


庄次郎は八郎に声をかけられくるりと振り向く。


「…ん?」

庄次郎「?」

「来た時からずっとそこに立ってたの?」

庄次郎「はい!」


なんと庄次郎は八郎を見送った後と帰ってきた時で全く同じ場所に同じポーズをして立っていたのだ。


「座って待ってればいいのに…」

庄次郎「いえ!武士たるものいつでも己を鍛えるのです!」


な、何言ってるんだ?よく分からないが…


「あぁ…そうなんだ…」

庄次郎「八郎様もお暇なときは鍛えた方がいいですよ!!」


なんか、真面目に訴えかけて来るが、そもそも何の特訓なんだ…


「私は遠慮しとくよ…」

庄次郎「そうですか…」


一瞬落ち込んだ表情だったがすぐに明るさが戻り


庄次郎「八郎様、この後お暇ですか?」

「ん?ま、まぁこれといって用事はないけど…」

庄次郎「実は八郎様に是非いってもらいたいとこれがあるんですよ!一緒に行きませんか?」

「うん、いいけど…」

庄次郎「それでは行きましょう!」


庄次郎は俺の手を取り元気よく走り出した。


しょ、庄次郎足速っ…俺の足が回らないぃ…


「庄次郎、私に行ってもらいたいところって?」


走る速度に慣れてきて話せるようになったので、庄次郎に聞いてみた。


庄次郎「ついてからのお楽しみです!」


庄次郎はふふっと笑うと。


庄次郎「もう少しで着きますよ!」


庄次郎はそう言いながらスピードを上げた。


ちょ、速すぎ。足がもつれるってぇ!!一体何なんだよ…

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