学問好き

吉継「お主、本当に幼子か?凄いぞ」

三成「自分で考えたのか?」


ま、まぁそうなるよね。当然の反応だよな。


とりあえず笑顔でやり過ごしてみる。


「…」


あれ?なんの反応もない?


吉継「そなたは学問が好きなのか?それとも…」

「あ、いや、その…」


な、なんで答えよう…まずいな…


それを見ていた父上が口を開いた。

三成「私と家中が話していたのを聞いていたのか?」

「じつはそうなんですよ〜。廊下を歩いていたらたまたま聞こえてきて…」


どうだ?セーフか?


吉継「なるほどな。でもよく覚えていたな。」

三成「だいぶ前だが、細かく覚えてるな」

2人はチラッとお互いを見ていた。


?なんの時間だ?


すると父上がこちらを見てきた。

三成「私からお前に提案がある。」

「はい…何でしょう…」

三成「どうだ?週に2回前田様の屋敷でみなで学問をしているらしくてな。お前も行ってみたらどうだ?」


へ、へぇ…そんなのあるんだ。寺子屋みたいな感じなのか?


吉継「わしの倅も通っていてな。楽しいらしいぞ。もし興味があったら…」


学問かぁ…俺黙って話聞くやつだったら無理なんだが…


三成「試しに行ってみたらどうだ?お前は頭が切れる。悪い事はないはずだ」


頭が切れるって…別にそんなんじゃ…

でも刑部殿の息子さんが通ってるらしいからそれは気になるかな、吉治って名前だよな


「楽しそうですね!私も試しに行ってみます!」


とびきりの笑顔で返すと。


吉継「おぉ楽しいといいな。」


刑部殿が優しく微笑み返す。


三成「行くときは吉治と行くといい。」

「はい!」

吉継「引き止めてしまって悪かったな。」

三成「帰ってみ皆と遊んでいてくれ。私はもう少しいる」


父上は頭を撫でながら


三成「届け物。ご苦労だった」


石田三成…冷たい冷徹な官僚って言われてるけど。そんな事ないのかもな。


俺はふふっと笑う。

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