第50話
幕張はいくつかの使われてない工場がある。そのどこかだろう。GPSからはそこそこ遠い場所が表示されている。まぁ加速術式を使ってるから車並みに早く走れるが。それでもこれは長時間使えない。体の負担がでかいからな。使いすぎると骨折する。だが今は出し惜しみしてる状態じゃない。
そんなことを思っていると廃工場に着いた。目を瞑り霊気から細かい場所をチェックする。俺は目を開けると、その目は赤く怪しく光っていた。
「へへへやっと俺のものにできるぜ」
「北条くん貴方は卑怯だよ。魔術師をお金で雇って、私を誘拐するなんて」
「なんとでも言え。最終的に終わりよければいいんだよ」
「さてと楽しませてもらうか」
悠香は唇を噛み締めて、悔しそうな表情をしている。そして泣きそうでもあった。こんなことになるなら義弘に初めてを無理矢理でも捧げておけば良かったと思っているんだろう。そして魔術によって動けない悠香の制服を破いて形の整った巨乳とも言える胸がさらけだされた。
だが悠香は義弘を守れたなら良かったと思い始めた。
義弘くん元気でね。私は魔術が解け次第自爆の術をしてこれ以上被害をでないようにするよ。きっとそれがこの世ためにもなるからね。
「へへいい胸してるなぁー。今まで触った中でもトップクラスだ」
「くっヤるなら早く終わらせて」
「それじゃー」
ドカン!その音と共に魔術師達がやってきた。
「北条さん何者かが侵入してきました。ここから移動を」
「ちっいいところなのによぉー。仕方ない」
北条は悠香をお姫様抱っこで奥の部屋へと向かっていた。
どうせお姫様抱っこされるなら義弘くんが良かったよ。この爆発恐らく火の系統の呪術だよね。助けに来てくれたんだ義弘くん。でも私はこの組織に狙われてるから、助けてくれてもまた義弘くんが狙われちゃう。たまたま北條くんとこの組織の狙いが一致して協力してるだけ。きっと私の霊気の強さが目的だろうね。強力な魔術師を生ませるためだよね。最初は北條くんになりそうだけど。
「「大丈夫か悠香。ちっ移動し始めたか。しかも転移する魔術を使ってるから少し遠いな」
「またまた会いましたネ。ここで決着をつけようじゃないですカ」
「ちっまたお前かよ。全力ですぐにかたをつけさせてもう」
俺は霊気の封印を解いて、周囲の霊気と混じりあっているのが分かる。魔術師の男は冷や汗をかいてるのが分かる。まぁそりゃそうだろう。自分よりも格上の霊気を放っていたら普通はプレッシャーで倒れてもおかしくないからな。
「これはすごい魔力ですネ。思わず膝をついちゃうほどでス」
「それじゃそのまんま膝をついて攻撃するのやめてくんない?その方が楽なんだけど」
「それはこの組織にいる以上できませーン。まぁ足掻くとしますヨ」
そう言ってルーンも字をかき地面に手をあてた瞬間地面が盛り上がった。これで動きを止めるつもりか。なら俺は霊気を迸らせて、周囲に結界のようなものを作り、跳ね返した。
「次はこっちの番だな。雷よ轟け全てのものを焼き尽くせ急急如律令!」
呪符からこれでもかというくらいの雷が男に降りそそぐ。周囲の霊気も混ぜたからな威力は抜群だろう。すると男はルーン文字を使って、防御の姿勢に入った。それくらいじゃ俺の呪術は防げねーよ。最初の方は奮闘してたものの次第にきりつが走り、雷が直撃した。
「これで終わりか。ささっと悠香をさがしに行かなくては」
俺はこの場をあとにしようとしたら男が炎を放ってきた。俺はそれを舌打ちしながら結界を張って防いだ。まだ動けるのかよ。結構な威力だったと思うんだが。
「まさかこれで倒れないとはな。魔術師を甘く見ていたわ」
「君のことは調べたヨ。天才陰陽師なんてネ。そんなやつと戦えて光栄だヨ」
調べられてるか。まぁ調べたぐらいで俺の弱点は分からないだろうが。次は何をするか。早く決着をつけて、悠香を探しに行きたいからな。あのイケメンが近くにいると何をするか分からん。
「燃え盛る炎よ我の元に集まれ」
すると呪符から炎の玉が何個も現れる。そして弓の形へと変わる。
「焦がしつくせ矢に滅せられよ急急如律令!」
炎の矢が無限に男に向かう。これならぶっ倒れるまで攻撃を受けるだろう。俺は霊気を探る。守りきれないと思ったのか、一生懸命に炎の矢を避けているが、何個かは服にカスって燃えている。この様子ならいづれ直撃するだろう。俺は目を赤く染めて、周囲の霊気から悠香の情報を探る。ちっ転移してるからそこそこ遠い場所に空間が割けている。俺は空間を移動する呪術が苦手だ。だから走っていくしかない。俺はもう一度男を視ると、炎の矢で串刺しになっているのを確認して、ここから移動をし始めた。
悠香の元に向かっていると、だんだん弱々しい悠香の霊気を感じてきた。ほかにも魔術師がいてそいつがなにかやったのか?また戦闘をすると逃げられる可能性があるな。どうするか。奇襲を仕掛けて、一瞬で魔術師を追い詰めるか。
そう思い俺は陰業の術を使い隠れて移動をし始めた。
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