第49話

俺達は駅に着くと、電車に乗った。相変わらず声優の声には癒される。これが京葉線でも流れてくれれば嬉しいんだが。特にいろはのあざとさには癒される。あの語尾を伸ばす感じなのも最高だ。やはり俺はあざとくて優しい女子が好きなようだ。


「義弘くん声優になったら死ぬまで応援してね」


「いくらでも応援してやるよ」


悠香なら声優として成功できるだろう。それだけの才能もあるし、努力もできるだろう。声優はアイドル要素も必要だが、ルックスは悠香はアイドルの中にいても謙遜ないレベルだ。問題はガチ恋勢が何人いるかどうかだ。それによって俺の行動も制限される。まぁこっちからしたら彼女を作るチャンスなんだが。


「ふふその言葉忘れないでね。私はトップ声優になって、義弘くんに大好きだと思われるようにするよ」


推しにはなるが、声優になっても大好きにはならないぞ。まぁ他の推しよりも推していくが。幼馴染みが声優になったらそりゃ他の推しよりも優遇するだろう。


俺達は電車で声優の声を聞いていると、あっという間に幸谷駅に着いた。そこでさらに乗り換えて、海浜幕張に向かった。幸谷駅をでたあたりから誰かに付きまとわれている気がした。ここは地元じゃないから同じ高校の可能性は低いか?そう考えると、たまたま見かけてストーカーしてる感じか。まだ判断材料が少ないな。しかもこれ呪術じゃないな。人が多くなったら見失う可能性が高い。それくらい霊気を極限まで押さえている。


「悠香、誰かにストカーされてるみたいだ」


「狙いは私だよね。この前の襲ってきた人に関係ある人じゃないの?」


「幸谷駅からだからな。可能性は低いがあり得なくはないな」


その線もあったか。明らかに使っているの日本の呪術じゃないだろう。そうなると関係性的にあのイケメンが関わっている可能性はある。とうとう強行手段に来た可能性もあるな。一回視認されてるから陰業の術を使っても見つかるだろう。素人相手なら問題ないんだが。


どこかで顔を会わせないといけないか。魔術だとまだ対抗手段が分からないんだが。ストカーされている以上こっちで対応しないとな。


やがて海浜幕張に着くと、俺たちは適当に遠回りしていく。


「おかしい、明らかにいつもより人が少ない」


人が多い道を通ってるはずなのに、人がほとんどいない。これが噂に聞く人払いのルーンか。魔術師とは厄介だな。俺は今も誰もいないが、あえて呪術を使っても問題ないくらい広い場所にでた。


「おい、ストカーしてるやつでてこい」

 

「あちゃーばれてたのネ。それな攻撃するのネ」


そ言うと見たことない術式を唱えた。魔術か。なにかくるのが分からないが、俺は結界をはって防御をした。炎の竜が俺に飛びかかってきたが、防いだ。思ったより魔術は強力だな。あのイケメンとはレベルが違いすぎる。これが魔術師の放つ魔術か。


「まさか防がれるとは思わなかったのネ。陰陽道も侮れないヨ」


「ふぅーそっちもな。今のが最高の一撃って訳じゃないだろう。冷却し貫け急急如律令」


すると氷の矢が相手に襲いかかる。これは俺の霊気と周囲の霊気を使ってるから、無限のように襲いかかる。それで油断をしてしまったのだろう。後ろからの人に気づかず、包丁で刺された。


「ぐっ。まさか伏兵がいたとは」


俺は後ろを振り向こうとしたがかなり縛りをくらい、動けなかった。くそこれじゃ呪術を使えない。どうする考えろ。無理矢理これを解きにいくしかないか。悠香がこっちを見て助けようと呪術発動しようとしている。


「動くな悠香ちゃんよー。動いたらこいつ殺すぜぇー」


すると悠香は動きを止める。


「義弘くんを傷つけるなんて許さない」


悠香の目は憎しみに染まっている。だが体が動かない以上なにもできない。狙いは明らかに悠香だ。魔術をもっと研究してれば。周囲にもっと神経を張ってれば。後悔したらきりがないほどでてくる。だが起こったらこの状況を打破することが先決だ。なんとか術を無理矢理解こうとするがうまくいかない。


「もしついてくるならこいつになにもしないでおくぜぇー」


「行くな悠香!何をされるか分からないぞ」


「ごめんね義弘くん。私はどうなっても義弘くんにはなにもないでほしいの。じゃあね」


そう言って悠香は男のもとに行った。もう傷つけないと誓ったはずなのに今度は取り返しのつかないことになりそうなのに。俺の体は動かない。悠香は停まっていた車に乗ると涙を浮かべて俺を笑顔で見ていた。きっと何をされるか分からないから怖いのだろう。悠香は連れてかれた。さっきの魔術を使った男と指した男どっちもいなくなっていた。


早くこの金縛りを解かないと。くそ全然解けない。時間ばかりが過ぎていく。そしてルーンが解けて人がきだした。俺は目を瞑って考える。そうか周囲の霊気を鋭利上にして金縛りを切ればいいのか。俺は早速自分の霊気と周囲の霊気を混ぜてナイフじょうにして切った。


「ふぅー切れたな。早く追わないと」


俺はGPSを開き加速術式を発動し表示されてるところに向かった。







 







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