第45話
俺達は一茶双樹記念館をでると、灯輪に向かった。それにしてもまた来たいと思う家だったな。それだけ江戸時代に建てられた家には魅力があるってことだろう。一応指定文化財だからな。この家。今から行くところも指定文化財だ。そういえば松戸にも松戸徳川家の住んでいた家があるらしい。徳川家の家で公開されているのはそこだけだとか。今度行ってみたいな。
「義弘くんちょっと行く途中に神社行かない?赤城神社ってのがあるらしいんだけど。千葉にはないから行ってみたいんだぁー」
「いいぞ、そこに行くか。赤城神社か、たしか富士山の麓に本社があるんじゃなかったけ?」
「さすが義弘くん詳しいね」
土御門家も土御門神道と呼ばれる神道もあるからな。神社のことはよく調べれている。有名な神社はだが。ちなみに土御門神道は今の福井県にある。土御門家の一族ではなく他の人がそこの神主をやっているが。
土御門家は京都に戻ったから、そこに一族はいないのだ。お墓はあるが。そこの神主も高齢で今跡継ぎを探してるらしい。どこも跡継ぎを探すのは大変ってことだ。それが特殊な職業だとなおさらな。
「まぁ一応陰陽道に神道も入ってるからな」
陰陽道は色んなのが混ざっている。だからそれぞれ宗派の色んないいところがあるのだ。特に密教は呪術によく使われている。真言宗とかな。
「陰陽師の勉強も私もしないとね。奥さんになるんだから。今度書籍貸して?」
「コピーでいいならな。さすがに原本は悠香といえど渡せない。呪術本は家宝だからな」
呪術本は陰陽師として必至のものなのだ。陰陽師は最近は占いが主だが、妖怪を討伐しにいったり、幽霊を祓いにいったりするからだ。それに外部に漏れると呪術を悪用するやつがでてくるからな。陰陽師以外は呪いの類いは禁止されている。陰陽師は政治家が利用したりするから禁止されていない。
「そうだよね。外に漏れると大変だし。コピーでいいよ」
「それと家だけで見てくれよ。他に見られるのは危険だからな」
それとこの間の魔術はどこから提供されたんだ?素人が簡単に手に入るものではないだろう。もしかしたらあいつの親は有力者なのか?陰陽師に対抗するために繋がっている魔術師の仕業だろうか?それならまたすぐにお金を払って少年院には行かなそうだよな。また現れる可能性もある。今度は本物の魔術師を連れて、用心しておくか。
「どうしたの?そんな難しい顔して」
「いやなんでもない」
悠香に心配はかけたくない。秘密裏に解決しないと。魔術師能古とは正直よく知らない。まずは情報を集めることから始めるか。じょうほうほどぶきになるものはない情報ほど武器になるものはない。
「あまり無茶はしないでね?それで死んだらもともこうもないんだから」
なにかに悠香は感づいているんだろう。心配そうに顔を覗き込みながら言った。その仕草可愛いな。しかも天然でやるから余計にドキドキする。あざとかったらあざといで終わるんだが。
「分かってるよ。俺は無茶はしない主義だからな。できることしかしない」
大学入試だって早々に国立は諦めて、私立文系に絞ったしな。それに情報がないだけで魔術師に負けるきはない。俺だって土御門の端くれだ負けるわけにはいかない。土御門ならどんなに強かろうと諦めないが家訓だからな。清明公のようになれが家訓にもなっている。あんなに偉大な陰陽師は早々でないと思うが。
「それなら安心かな?まぁ無茶のない範囲で頑張れ」
そんなことを話していると灯輪に着いた。蔵と聞いたからもっとこじんまりしてるのを想像していたが、思ったより立派だな。明治期に建てられたこともあって結構モダンだし。外装はかなりおしゃれだ。さすが指定文化財だな。これなら家の方はもっとすごかったのだろう。今は残っていないらしく残念だが。
俺達は三勢の敷地内に入ると、外でも食べれれのかと思った。思ったより敷地が広かったのだ。そして店内に入ると、俺達は空いている席に座る。
「みりんはこれか。みりんレモンケーキ」
「そうみたいだね。それじゃこれ二つとカフェオレ二つ頼もっか」
それから店員さんが来て、二つ頼んだ。なんかみたことある顔だったな。まぁ可愛いから芸能活動でもやっているのかもしれん。だがその霊気は妖怪のものが混ざっているのが少し気になった。まぁ悪いやつじゃなさそうだし、どっちかというとハーフなきがするから気にしなくてもいいだろう。
「義弘くんなにあの店員さんを目で追ってるの?私というものが隣にいるのに。やっぱり人外が好みなの?そんなことないよね。あの変態と違って私みたいな人間がこのみだよね?もし違うならあの妖怪を討伐しないと。ヨウカイナラトウバツシテモカマワナイハズ。ヒアブリガイイカナ?」
ヤンデレ化してるし、それに妖怪なこと気づいてるなら、普通の武術を嗜んでいるぐらいものじゃ勝てないことも分かっているだろう。それとも女的に負けられないとかか。
「妖怪の霊気が混ざってるから気になっただけだ。別に気になったとかじゃないぞ」
悠香が隣にいるのにそんな自殺行為をするはずがない。
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