第44話
しばらく歩いていると、一茶双樹記念館に着いた。和風な建物だ。江戸時代に作られたような家だな。こういう家は千葉市にはないから興奮する。やはりというか商人の家ぽいな。ここで詩を歌いあったりしたのか。風情があっていいな。
「ここみりんを作った人の家らしいよ」
「道理で豪勢なわけだ」
お金を持っている人の家の作りをしているからな。流山のみりんは江戸時代に作られて、白みりんとゆって繁盛したらしい。お酒に主に使われたらしい。甘くて流行ったんだとか。楽しみだなみりんの使った料理。
「こいう家に住むのもいいね。土御門家本家もこんな感じなの?」
「そうだな、まぁ江戸時代に作られた家でこれより武家屋敷に近いな。所々改修されていて、中はモダンみたいな感じだが」
まぁ金銭的余裕がないから手放そうかも考えているらしいがな。つまり俺の代まで持つか分からん。俺的にはあの武家屋敷に住みたいんだがな。一から買うと一億は最低でもするし。それくらい稼げるきはしないし。できれば継承して武家屋敷に住みたい。
「へぇーいいね。私達が住むには歴史があっていいじゃん」
なんで一緒に住む前提なんだよ。そこがまずおかしいだろ。俺は自由を認めて、優しい美少女と結婚するんだよ。ヤンデレだと人間関係も制限しなきないけないからな。まぁ悠香お住むのも悪くはないかもしれないが、それでも俺は優しい奥さんになってくれる人を探す。
「ここが庭か。日本庭園って感じでなかなかいいな。さすが俳人でもあるから庭園にもこだわっているな」
うちも元貴族だけどそこまで庭園にはこだわってい。どっちかというと家の外装にこだわっていた。だから外からみたら結構美しく感じる。貴族だから外観をきにするからな。他の貴族の家は庭とかもこだわっている家もあるらしいが。俺も家を継げたら庭にこだわろうとここを見て思った。だって庭園は美しい方がそこでボーとするのも楽しいな。家をでなくても楽しめる。
「日本庭園って美しいよね。私たちの住む家も庭にこだわろうね」
もうつっこまない。悠香にとっては確定事項なんだろう。飽きたりはしないのかね?芸能界には俺よりイケメンで魅力的なやつはたくさんいると思うんだが。それなのに俺にこだわる理由ってなんだ?
すると悠香は庭園を哀愁の雰囲気を漂わせながら、言った。
「それは私が太ってていじめられたときに助けてくれたからだよ。別に可愛くもないのに、他の女子からいじめられる可能性もあるのに、そんなことを気にしないでね。それでみんなと同じように関わってくれて、一緒に遊んでその優しさに触れたからだよ。だから私は義弘くんたか大好きなんだよ」
そう言って満面の笑みで俺に微笑んだ。かなりドキッとして可愛いと感じた。これがなんの企みもない悠香の笑みか。破壊力抜群だな。それと助けたのはヒーロに憧れていたからだ。どんな困っている人も助けるヒーロに。だからこれは俺の偽善心でしかない。だからそんなに感謝されるようなことはしていないが、悠香の気持ちも分かるから否定はしない。
「そうか、俺にこだわる理由は分かった。だが俺じゃ悠香を幸せにできない。俺は頭がいいわけでもスマイルほどイケメンなわけでもお金持ちでもない。正直俺より魅力のある男はいっぱいいるだろう」
「なに言ってるの?義弘くんが隣にいるだけで私は幸せなんだよ?それに顔だけのイケメンなんかに腐るほどナンパされたけど、誰にもトキメなかったし、お金持ちもお金を見せびらかして、ナンパしてくるから興味ないよ。私は優しい義弘くんがいいんだよ」
そんなに俺のことを大切に思ってくれてるのか。だが俺はやはり家族的な愛しか感じられない。やはり俺は女子に恋をするのが怖いんだろう。また告白をしていじめられるのが。女子に避けられるのが。彼女作りたいって言ってるのに恋をするのが怖いとかなぞだな全く。
「そうか、まぁそこまで思ってくれて嬉しいよ」
「義弘くんに近づく女どもはちゃんと排除するから安心してね」
ハイライトオフの目でそう言った。できれば排除するのは勘弁してほしいが。彼女ほしいし。まぁそれよりなんとか人を好きになることから始めてみるか。
「そろそろ行くか。近くに明治時代の蔵を改修した喫茶店があるらしいからそこに行くか?」
「そうだね、そこでみりんの料理があるの?」
「みりんのケーキがあるらしいぞ。味はテレビにでるくらい美味しいらしい」
それにケーキは甘いらしいから楽しみだ。きっと最高級の甘さを提供してくれるだろう。みりんの入った肉じゃがは食べたことあるが、あまりみりんは感じなかったからな。みりんを主体にしたスイーツは始めて食べる。どんな味か楽しみだな。
「テレビにでるほどかーそれは楽しみだね」
悠香は笑みを浮かべる。その笑みは女神のようだった。それくらい絵画じみていた。この笑顔を俺は守りたい。悠香を本当に大切に思っているやつが現れるその日まで。きっといつか現れるはずだ。悠香を本当に愛してくれる人が。それが近々俺の気持ちに変化をもたらすことをこのときの俺は知らない。
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