第41話

「義弘くんは悠香さんのものじゃないよー」


「私が一番義弘くんを分かって愛してるの。そこら辺女子とは比べられないくらいね。だから私の義弘くんなんだよ」


愛が重いが。まぁいつものことだ。だが美月がここまで反論するのも意外だ。てっきり、あ、悠香さん来たよー愛川はず愛されているねーとか言って見送るかと思ったからな。まさか美月の好きな人って俺なのか?いやさすがにそれはないか。美月はいろんな人と仲がよく俺だけが特別って感じはしないからな。それになかには俺よりイケメンとも仲良くしてるし。

 

「愛してるってそんな一方的な愛なのに何を言っているのー。相互に愛しあってなきゃ治部和のものとは言えないと思うよー」


「このまま言っても平行線だね。このまま義弘くんとの貴重な時間を無駄にしたくないからここは引くよ。ほら義弘くんもボーとしてないで行くよ」


あ、終わったのね。このまま続けるかと思ったわ。あとそこの女子修羅場とかドラマでしかみたことなかったですの。興奮しますわとか言うな。そんなこと思うなら助けろよ。二人挟まれてどっちの味方についても攻撃を食らう未来しか見えない俺の絶望よ。


「分かったよ。それじゃあ美月」


「バイバイ」


それから俺達は教室をでると、悠香が腕に抱きついているため好奇視線を集めている。興味津々といったところか。悠香は胸で腕を挟んでくるし、心が休まらない。まじて柔らかいです。谷間にまさか俺の腕がはまるとは思わなかった。巨乳っていいな。女子は肩がこると言うが、男からしたら夢のつまったものである。


そして靴を履き替えるために腕を離す。べ、別に残念だなんて思っていないからね!やめよう男のツンデレはキモいだけだ。本当に残念だなんて思ってないよ?だってこのままだと彼女できないし、勘違いされてな。


やがて靴を履き替えると、駐輪場に着いた。そして俺は前に乗り、悠香は後ろに乗った。


「それで義弘くんあの女狐と私の胸どっちがよかった?」 


どっちも巨乳だから甲乙付けがたい。まぁ胸より足だが。それに美月のはどれくらい柔らかいか分からない。そうなると必然的どれくらいいか分かる悠香に分配が上がる。


「悠香だな。まぁ美月がどれくらいいのか知らないからな」


「知っていても私の方が感触はいはずだよ。だって私鍛えているから」 


トレーニングをしてるから、脂肪の塊ではなく、ちゃんとした胸だと言うことをいいたいのだろう。まぁ美月のもスタイルは細いし、ちゃんとした胸だと思うが。まぁそれを言おうものなら悠香がヤンデレ化するから言わないが。ちなみに悠香もスタイルいい。


俺は自転車漕ぎ始めると、悠香は後ろから目一杯抱きついてきた。まるで私の胸方がいいでしょと言った感じに。まぁいい感触だからだまっておくがな。男ならだれても憧れるシーンだしな。これも青春か。彼女ができなくても今の生活を維持できればいいんじゃないかと俺は思い始めた。いや彼女を作ってたくさん青春するんだ。煩悩に負けるな。


「それで今日はどこに行くんだ?」


「流山にでも行かない?流鉄に乗ってみたい。それに声優がどんな感じなのか聞きたいし」


「悠香は声優を目指しているのか?」


「うん、義弘くんがよく声優を応援してるからね。アイドルも考えたけど、恋愛禁止だから無理だなと思って。だれかに愛を制限されたくないし」


まぁアイドルの熱狂的ファンに悠香が推されたら間違いなく炎上するしな。ガチ恋勢が俺のことを刺しかねないからな。まぁそこら辺の男に負けるつもりはないが。


「まぁ声優も多少はアイドル要素あるがな」


「最初っから愛している人いますといえばガチ恋勢は沸かないでしょ」


最初からいえば確かに、そいうやつはファンにはならないだろう。それに悠香の実力ならそいうやつがファンにならなくても有名声優になれるだろう。美海さんみたいに。そういえば正弘さんは美海さんが彼女なことを公表しないのだろうか?週刊紙に撮られる前に公表しておいた方がいいと思うが。まぁ正弘さんは頭いいし、時期は考えているか。美海さんの人気が安定してから公表するのか。


「そうだな、だが全くいないわけじゃないから夜道とか気を付けろよ」


「分かってるよーそれで海浜幕張に自転車置いておこう」


「そうだな、そこが一番近いし」


俺は海浜幕張に方向を変えた。それにしてもやっぱり秋葉と違って人が少なくていいな。こんなに魅力的な町なのに人がいないっていうのは自分だけが知っているみたいで気分がいい。


それから海浜幕張に着くと、俺は駐輪場に自転車を置いた。そして悠香は降りると、手を繋いできた。まぁ胸を押し付けられるよりこっちの方がいい。胸の感触はよくて最高だが、理性がごりごり削れるからな。それに腕に抱きつかれるより手のすべすべ感を味わいたいからな。


俺たちは海浜幕張駅に着くと、スイカでタッチして通った。駅にはちらほら高校生がいるため視線はこっちに向いて、嫉妬の視線を浴びるが、羨望よりは慣れてるので大したことない。
















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