第39話

「ようとうとう悠香と付き合ったか?」


「なわけないだろ。俺は美少女でヤンデレじゃないやつが好きなんだよ」


色々と制限されるのはきついからな。悠香は確かに可愛いし、優しい。だが度が過ぎるほど干渉してくるからな。それに優しすぎて彼女っていうより姉といった感じだからな。まぁ本人には言わないけど。女ということを確認させてあげるとか言って監禁されて無理矢理やらされそうだし。普通それって男がするもんなんだがな。男だと犯罪だが、悠香ならむしろして欲しいという男も多そうだ。まぁ美少女だから分からなくはないが。


「ヤンデレって相当愛されてるってことだぜ。そんなに愛してくれる人が今後現れるか分からないぞ。それと悠香の圧力がすごいからそろそろ付き合え」


最後に本音がでてるじゃねーか。やっぱり圧力加えていたのかよ。隆弘は俺と仲がいいから、隆弘が押せばもしかしたらと言った考えがあったのだろう。だが俺は諦めないぞ。悠香以外の彼女を作ることを。


「圧力に関しては悪いと思っているが、俺は優しい彼女を作るぞ」


「はぁーあの悠香を出し抜けるとは思えないが。頭脳明晰、義弘のことに関しては勘も冴えていて、女の子が近づいてきたらすぐに追い出すしな」


あれそれって摘んでね?いやまだ可能性はあるはずだ。この盗聴機さえどうにかすれば。


「盗聴機がって思っているだろうが、そもそも知らぬ間に仕掛けられてるんだから、新しいの買っても無駄だろう」


「オレカノジョデキナイ」

 

「片言で膝をついて泣くな。悠香と付き合えば全部解決するだろ。美少女で優しいんだからいいだろう。他の男だったら何をしてでもその権利を手に入れようとするぞ」


「俺はヤンデレじゃない彼女が欲しいんだよ。天使の美月なら俺のこの思いも受け取ってくれるんじゃ」


「あいつなら好きな人いるって噂だぞ。、、、、まぁその相手が義弘だと言われているが。俺は悠香が義弘を幸せにできると思ってるから悠香の味方につかせてもらうがな」


くっその好かれてる人羨ましい。天使に好かれるなんて。俺も美月に告白して成功するんだったらするが。好きな人いるなら無理か。天使で悠香の圧力に動じないとかむしろ美月ぐらいしかいないまである。何とかして彼女になってくれないかなぁー。好きな人の真似をすればいけるか?だが美月の好きになったらそいつは美月を振るか?いや振らないよな。


そんなことを考えているとチャイムが鳴った。そして先生が入ってきて朝礼を終わらしでていった。次は日本史か、真面目に受けるか。受けないと当ててくるしな。まぁ当てられても答えられるんだが。


それから4限まで授業が終わり、昼休みになった。今日は悠香と食べる日だから中庭に向かう。普段はリア充だらけで行かないが、悠香がここがいいと言ったからそこに行くことにした。


そして中庭に着くと、俺は椅子に座った。確か悠香の4限目は数学か、あの人理解させるまで授業をさせるから、長くなるんだよな。まぁいい先生ではあるんだが。だが俺はいい思い出がない。だって意味分からないことを繰り返しさせられるからな。


そんなことを思っていると、悠香か手を振りながらこっちに来た。いや目立つからやめろよ。まじて男だけで食べてる奴らがこっちをすごい形相で見てるから。女子達は羨ましそうに悠香を見ている。そんな羨ましがれるほどスマイル並みのイケメンではないが。そもそもああいった反応には慣れない。まだ嫉妬を向けられた方が落ちつく。


そして俺の元に悠香は来ると、ニヤッとした。


「これで義弘くんに気になるぐらいで話しかける人は少なくなるね」


悠香には敵わないと思ってる人が多いからそれを使って、牽制をいれたのか。くっ人が多い場所に来たらこうなることになるとは失念していた。ダガマだここにいるのはリア充だけつまりまだ発見されていない美少女はいない。まだ磨けば光るダイヤモンドばまだいるはず。


「それじゃ食べよっか」


そう言って弁当を開いた。麻婆豆腐丼だった。俺の好みを的確に把握してるな。辛いのだったら俺が好きだろうと思っているのだろう。まぁ実際にそうなんだが。特に辛いなかでもピリ辛ぐらいが一番美味しい。麻婆豆腐丼はピリ辛ぐらいの辛さだからちょうどいい。


『いただきます』


「はいあーん」


そう言ってスプーンですくって俺の口元に持ってきた。


「あーんは恥ずかしいんだが」


「なんでも言うことを聞くんじゃないの?」


シュンとなりながら言った。その仕草はずるいだろう。恐らく演技だが、他の男からみたら悠香を悲しませてるゲス野郎という認識になる。それに悠香に食べさせてもらうことは別にいやじゃない。只余計に目立つのが嫌なだけだ。だが悲しませるのはいやだから食べる。


「あーん」


俺はスプーンをパクッと加えた。程よい辛さで美味しいな。するとスプーンを悠香はぺろぺろしだした。別に間接キスは気にしないが、ペロベロはするなよ。しかも義弘くんの味美味しいって小声で言ってるのも聞こえているし。それから半分くらいあーんをしながら食べた。もう半分は自分で食べたよ。悠香も自分の分があるからな。


















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