第38話

時は一週間流れ月曜日悠香が退院する日だ。その前に外国人に迫られたでしょと言われ、今までのラインのやり取りをみせて好きにはなっていないということを証明した。エマは美人だからもっと他の男を捕まえたと思っていたが、結局めぼしいのは俺だけだと言っていたが、その事を知った悠香はエマに電話して義弘くんは私のものだから取るのは許さないよと言うと言っていたが、悠香ほど大切なやつはまだいないと言ったら収まった。


そして今日は悠香と登校する日である。用意を済まして、俺は家をでると、自転車にまたがっている悠香がいた。2人乗りってことですねぇー。


「おはよう義弘くん」


「おはよう悠香。あれか2人乗りか?」


「そうだよー。あんまり無理したくないからね」


単に2人乗りがしたかっただけだと思うが。まぁそう言ったところでなにも変わらないし、別にいいか。そこまで重くないしな。俺は鍵を閉めて、自転車に鍵を差し込んだ後、自転車に乗った。悠香は俺の背中に胸を押し付けてくる。柔らかい感触が背中越しに伝わり、煩悩退散と唱え続けた。


「義弘くん2人乗りって気持ちいいね」


「そりゃなにもしてなくても進んでいくからな」


「そいうことじゃないんだけど。まぁいいや。乙女心を分かったらもっとモテて潰す手間ができるし」


まぁ確かにモテても悠香に潰されるだけだな。だが彼女を作るのは諦めない。きっと優しく美少女な人が俺を待っている。すると急に周りの温度が下がった。


「義弘くん別の女を考えてたでしょ。義弘くんは私の物なんだから、彼女なんていらないよね?もしいるとしても私がなるからね♥️」


ヤンデレは心の中を読み取れる能力でもあるの?できれば別のことに使って欲しかった。だって俺の心筒抜けじゃん。ていうかなんで分かるの? 


「愛だよ♥️」


「だから心読むなよ。俺に考えることすらさせないのか?」 


「良からぬことを考えなければいいだけだよ。そうすれば読まれても問題ないでしょ」


問題あるわ。考えを読まれていたら心の中でなにも考えられないだろ。プライバシーもくそもないだろうが。まぁ全部が全部読まれているわけじゃないはずだ。読まれてないよね?


「まぁいいや。読んでもあまり口に出すなよ」


「分かったよー。まぁ義弘くんがなにかを企んでいない限りね」


彼女作るとかそいうことか。何とか悠香の視線を潜り抜けて彼女を作ってみせる。俺は青春をしたいからな。彼女と図書館デートとか憧れる。互いに分からないところを教えあったりな。放課後制服でディズニー行ったりな。まだまだやりたいことはたくさんある。


「互いにいい学校生活を送ろうね」


まぁいい人ができるまでは悠香と学園生活を送るのも悪くないな。それだけそれなりの好意は持っているし楽しいしな。きっといつか終わりは来るのだろうが、それまでは楽しむか。


やがて学校に着き、堂々とは入ってきたため、他の生徒はついに付き合ったかとヒソヒソ話している。付き合ってはないがな。失念していたわ。2人乗りして入ってきたら付き合ってると思われるよな。これじゃ彼女ができる前に彼女できたらしいよという情報が流れ、近寄ってくる女子がいなくなる。只でさえ少ないのに。


「フフ作戦通り」


謀られたな。あまりにも自然に乗っていたからその後のことを考えてなかった。まぁでも胸の感触を堪能できたからいいか。思ったより巨乳だったな。背中越しに胸の形が変わるのが分かった。それでも俺は足派だからな。太ももの魅力には敵わない。


俺たちは教室に向かうと、男からの羨望の眼差しを受ける。こんな美少女といれるなんて羨ましいと言ったところか。お前達悠香がヤンデレでもそう思うか?GPSをつけられ常に場所を知られて、盗聴機をつけられて、会話を聞かれるんだぞ。自由に女子と話すことも難しいんだぞ。それでも羨ましいと思うか?


「じゃーまた放課後ねー」


「ああじゃあな」


俺たちは教室の前で別れた。俺は教室に入ると、俺に対して視線を向けてくるやつは少ない。まぁ悠香が俺に執着をしてるのをクラスメイトは知っているからな。まぁヤンデレなのはばれてないが。


俺は自分の席に座ると、頬づえをついていた。すると周囲の女子が色めき立つ。そんなイケメンいたか?まぁいいや俺はボーとしたいんだ。彼女ができるのが遠くなったと現実逃避するために。どうやったら悠香のことを掻い潜れるだろうか。いっそのこと制服も鞄も変えるか。そうすれば盗聴機も仕掛けてこないだろう。いつか変えるか。


「あ、おはよう義弘くん」

 

なんと輝かしい笑顔なんだ。浄化される。やはり天使はここにいたか。八幡が戸塚を天使と呼ぶのも分かるわ。だが美月は女子なのだ。だからこのまま美月ルートもいける。悠香のヤンデレにも動じず優しいまさに理想ではないだろうか?


「ああ、おはよう。味噌汁を毎日作ってくれ」


やべうっかり告白しちゃったよ。これは振られて美月といづらくなってしまう。何てことをしてしまったんだ。


「?毎日は無理だけどたまにならいいよ」


まじか俺の告白に気づいていない。やはり天然は違うな。悠香だったら死ぬまで作るよとか満面の笑みでいうな。やはり天使はそれなりの対応をしてくるんだな。















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