第25話
「お兄様は悠香さんのことどう思っているんですか?」
家をでてから数分そんなことを聞いてきた。悠香は確かに美少女で、好意も本物だと分かっているが、恋愛的な意味で好きになれない。俺にはもったいないっていうのもあるが、姉的にしか見えないんだよなぁー。ヤンデレも家族を取られたくない姉のように見えるし。多分一緒にいすぎたんだと思う。これが幼馴染みじゃなかったら好きになっていたかもしれない。
「姉的な感じだな」
「でもお兄様は気づいているんですよね。私悠香さんなら歓迎しますよ」
花梨は悠香と仲がいいけど、まさか歓迎するとは思わなかった。花梨もかなりのブラコンだから、誰ともくっついちゃダメですよとか言ってくるかと思った。まぁそれでも彼女を作ろうと奮闘するんだな。
「そんなこと言ってもなぁー。悠香は確かに魅力的だか、あのヤンデレがどうにかならないときついなぁー。何にも縛られないでしゃべりたいし。悠香が彼女になったらもっとヤンデレが悪化しそうな気がする」
「まぁ分からなくもないですが、モタモタしてると私含めて誰かに取られますよ」
取られるか。想像もしてなかったなそんなこと。確かに悠香と花梨は可愛い。いつ取られてもおかしくない。イケメンだけではなく内面まで優れている人に会ったら、充分可能性はあるだろう。それに悠香は芸能界にいる。スマイル級のイケメンで内面も優れている男はたくさん見ているだろう。そして想像してみる取られるところを。少し悲しい気分になった。そりゃ家族のような関係だからか、それとも異性として悲しいのか今の俺には分からない。だが寂しいことは確かだ。
「そうだな、少し悲しいな。これが恋心なのかは分からないが」
悠香に命を助けられたことで少し惹かれているのかもしれない。それなら今の気持ちに納得だ。まだ恋心って訳じゃないだろう。嫉妬まではいってないからな。
「なるほど、命を助けられたからってことですね。私のことも悠香さんだけじゃなくて見てくださいよ」
「妹なんだからいつでも大切に見てるぞ。変な男に捕まんないようにとか。あと花梨にふさわしくない男がナンパしてきたら潰す」
だから花梨が女子高でほんとよかったよ。共学だったら変な男がよってくるかもしれないからな。そう言えば女子高から転入生がくると言う噂が最近でてきてるんだよな。しかも三人。この時期に転入だとは珍しいものだよな。転入試験を受けに来たのを見たらしい。しかも全員美少女だとか。彼女を作るのに近づける。
「ふふ、私はお兄様以外のものになったりしませんよ」
「それそれで問題だが」
まぁ変な男に捕まって、不幸になるよりかはましか。ブラコンも年月が経つにつれ収まってくるだろうし。お願いだから反抗期は来ないでいくれよ。お兄様と一緒に下着洗いたくないですとか言われたら俺泣くよ。でもお父さんも言われてないから大丈夫か。まぁ言われたらなくなくコインパーキングで洗うが。すると花梨は腕に抱き付いてきた。
「この体も好きにできますよ?」
やめろ耳元で言うな。思わず反応しちゃうだろ。義理とはいえ妹なんだからそんなことしたら世間の目が痛い。世間の目がなくてもしないがな。
「あんま男にそいうこと言うなよ」
「お兄様にしか言わないですよ」
兄だが、一応俺男だからね?まじでいつ理性が吹っ飛ぶか分からない。それだけ花梨は魅力的なのに気づくべきだ。俺が兄じゃなかったら好きになっていたかもしれないし。
花梨は耳元で呟いて満足したのか、俺の腕にほほを擦りながら、目をは細めていた。なにそれ可愛い。俺の妹がこんなに可愛いのは間違っている。なんかラノベにありそうだな。まぁ出会った瞬間から可愛かったが。出会いは俺が中学のときだが、もうその時点でかなりの美少女だった。男からモテていてやっかみをくらい女子からいじめられてたから、最初はかなり警戒されたな。だが会話を根気強く繰り返すことでだんだん心を開いてくれて、それで密かにいじめていたやつの弱みをつかんで、さらにいじめにに加担して自分の物にしようとしていたが、失敗したイケメンが襲おうとしていたところを遭遇して、撃退してイケメンの親の買収問題を週刊誌に売って、政治家として権力を失わせて、完全に撤退させたら懐いたんだよな。悠香とはすぐに打ち解けた。
「それで花梨駅に着いたからもう話してくるサラリーマンの視線が痛い」
日曜にわざわざ出勤してるのにいちゃつきやがってという視線がすごい。これがリア充爆発しろか。端からみたらカップルにしか見えないもんな。だがそれは困る。この辺に同じ高校のやつもいるし、カップルだと思われたら彼女ができなくなる。ただでさえ悠香が女子としゃべっただけでその女子を潰すから近づいてこないのに。
「仕方ないですね。お兄様は未だに嫉妬の視線には慣れないのですか?」
そう言って花梨は腕を離した。ふぅーいい匂い過ぎて理性がやばかったわ。天国だが、一寸先は手出して終わりの未来だからな。
「そりゃ慣れないだろ。元々リア充じゃなかったんだから」
主人公ってすごいな。これやり倍の嫉妬の視線を浴びているの平気なんだから。まぁ鈍感なだけともいうけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます