第23話

そんなこんなで理性と戦っていると、最寄り駅に着いたので、俺は花梨にもう片方の空いている手でポンポンと頭を叩き、着いたぞと合図をした。すると花梨はふぇと言う声を出した。


可愛すぎだろふぇって天然でもそうそう言わないぞ。これはもう天使と言っても過言じゃないだろう。しかも美少女だ。こんな天然なことをしたら男は皆死地に向かうだろう。そして屍の山ができる。俺の屍を越えていくんだ!おっと振られる側に行ってしまったわ。まぁ妹に告白したら父さんがなにかをしてくるだろうが。父さんは義理の父親だ。だから余計に自分の娘を兄なんて渡せんと言った感じになるだろう。


「お兄様、撫でてください」


「いいぞ」


俺は滋しむように頭を撫でた。それにしてもさらさらだな。こんなに撫で心地がいい髪はそうない。俺はしばらく撫でていると、花梨の目かとろけてることに気づいた。ヤバイこのままだと可愛すぎて襲っちゃいそうになるわ。俺は撫でるのをやめた。俺の妹が天使過ぎる件。


「ふふ気持ちよかったですよ」


「そうか、それならよかった。彼女できたときのシミュレーションをしてた甲斐はあったわ」


「彼女は作るのは認めませんよ。お兄様は私のものです」


妹そこまで想われるのは嬉しいが、彼女は作りたいんだが。青春とかしてみたい。花梨は天使で妹じゃなきゃ彼女にしたいと思っていた可能性は否定できない。だが今は妹だ。だから兄として、花梨には幸せになるために動かなきゃならない。そのためには俺と付き合うよりも、他の人の方がいいに決まっている。


「いづれ彼女は作るぞ。まぁ当分できそうにないが」


悠香が俺に飽きない限りな。悠香のヤンデレに負けないやつと言ったらヤンデレしかいないし。だからヤンデレが収まんなきゃいけないからな。悠香が俺に飽きなきゃ彼女はできない。


「悠香さんがいる間は安泰ですか」


悠香は普通だったら彼女にしたいと思うだろう。だが俺には悠香は家族的にしか見えないんだよ。あまりに世話を焼きすぎて。それにあまりにも優しい。俺がいじめられてるときも最終的に助けてくれたし。でも俺が悠香の隣にふさわしいように努力したのも事実だ。だがそれで女子が近づいてきて悠香が潰していくことになったんだが。


「それじゃ電車乗るか」


俺達は電車に乗った。そして一駅で着いたので降りると、花梨は再び腕に抱きついてきた。もうはたから見ればカップルである。まぁ別にいやではないんだが、妹だと思うと罪悪感がな。


「お兄様私をいつまでも見ていてくださいね」


「花梨のことはいつまでも大切に想ってるぞ。世界が敵に回っても。俺は花梨のことを信じる」


「ありがとうございます。私もお兄様がどんなに非難されてもお兄様を信じます」


俺達兄妹は強い絆で結ばれている。義理でもそこら辺の兄妹よりもな。まぁだが花梨の兄妹愛は重いが。そこが花梨の可愛いところでもある。彼氏ができるか心配だが。花梨は大学に入ればいろんなイケメンに出会うだろうから大丈夫か。スマイル系のイケメンが口説けば花梨も話くらいは聞くだろう。あとは好みかどうかだが。


「花梨は周囲の視線が気にならないのか?もし知っている人がいたら追求されるぞ」


「気にならないですよ。むしろ彼氏だと自慢するくらいです」


それはそれで不味いような。兄妹だとばれたら俺も花梨も居づらくなるだろう。いくら義理とはいえ兄妹に変わりないからな。それに花梨の学校は女子高だ。噂が広がるのは早いだろう。それとこれが悠香の耳に入ったらヤンデレを発動して、めんどくさくなる。


「あまり彼氏だとか言うなよ。兄妹だとばれたら面倒だぞ」


「それもそうですね、、、、いづれ付き合うので言わなきゃいけないときがくるかもしれませんが。それに悠香さんとも付き合って端から見たら二股してるように見えるので、そこら辺は覚悟してもらわなきゃいけませんね」


なんか小声で言っていたが、声が小さすぎて何を言ってるか聞こえなかった。まぁ悪口じゃなければ別にいいんだけど。花梨は大切な存在だ。だからその辺の男には渡すつもりはない。花梨のことだから俺の目に叶う人をつれてくると思うがな。


「それで花梨、いつまで腕を繋げるんだ?」


「家に着くまでですよ」


知ってる人に見られませんように。特に悠香の耳には入りませんように。悠香の耳に入ったら監禁されることになるからな。悠香のことを好きになるまで。俺は自由でいたいんだ。束縛はあまり好きじゃない。ヤンデレに大してないか言う気はないが。どうゆう性格にするかを強制するほど傲慢じゃない。好みが優しくて自由を認めてくれる人なだけだ。


「そうか、あまり胸は押し付けるなよ」


「お兄様もやはり男なんですね。反応してくれて嬉しいです」


そう言って余計に押し付けてきた。言わなきゃよかった。理性と戦いながら俺は家に向かった。やがて家に着くと、花梨は腕から離れた。やっと着いたわ。結構長く感じた。胸というものはやはり妹とはいえ侮れない。



















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