第19話

やがて、食器を洗い終わり自分の部屋に籠った。テストと模試が近いからな。ちゃんと勉強しておかないと。英語は捨ててるから問題ないが、学校の意向で私立文系志望なのに、七科目受けなきゃいけないんだよなぁー。そう数学があるのだ。ここにきて東大進学数が多い弊害がでている。高校受験のときはそんなに苦労しなかったんだが。難易度が高校にきて上がったし、中高一貫だから進むのが早い。もう少しで高校の内容終わるんだぞ。まだ高2の夏休み前なのに。ここに入るんだったら中学入試で入るべきだった。まぁ入れるかどうかは微妙だが。普通の県立進学校だったらもしかしたら数学もついていけて、難関国公立大学目指したかもな。タラレバだから今さらそんなこと言っても仕方ないが。それにこの学校での生活も楽しいな。


「これはこうして、ふむこの参考書分かりやすいな」


今やったところの復習をしてるんだが、この東進の参考書は分かりやすい。抜けてるたところもチェックできて、直ぐに覚えられる。あとは問題集をやるか。ポラリスでもやるか。


それなりに問題数をこなし、一旦休憩をしにリビングに来た。ガンガンに冷えているマッカンを飲むためにな。やっぱ勉強したあとはマッカンに限る。


「あ、お兄様勉強はどうですか?」


「まぁまぁだな。まぁテストは二週間後で模試は3週間後だからある程度余裕は持っているな。一週間後には応用問題を始めるつもりだ」


「お兄様数学は大丈夫なんですか?」


「問題ない。捨ててるからな!」


「それ問題ありですよ。留年しますよ?」


「大丈夫だ。赤点でも赤評がつかなきゃ大丈夫だからな。課題はちゃんとこなしてるし」


まぁ参考書を見て答えを写しているだけだが。だって書いてあること意味分からないんだもん。というかうちの学校はいきなり数1の基礎的な内容を四倍くらいこスピードで終わらしたからな。まぁ内部生に追い付くためだろうが。数学を得意にしていない俺からしたらもう無理だと諦めるには充分だった。


「お兄様それなら数学教えますよ。先取りで終わらしたので。せめて赤点は回避してください」


まぁ数学の課題を参考書見ながら解く労力に比べれば、教えてもらって赤点回避する方が楽か。妹に教わる兄ってところが気になるが。俺はプライドはないから問題ないな。


「頼む。正直先生からの模試でいい成績を取れとのプレッシャーもあるからな」


いくら先生の評価に繋がるって言っても、私立文系志望に数学でいい成績を取れという方が無茶である。だって志望校に関係ないから勉強しなくていいし。


「確か渋幕は東大が多いんですよね。それなら自ずと数学の進行は早いですからね。苦手だと無理はないです」


最近だと海外の名門大学にいくやつもいるからな。その人達は英語で数学を解いているんだろ。尊敬するわ。英語自体が無理なのに、それで数学を解くなんて考えられたない。


「少しは解けないやつにも配慮してほしいものだ。まぁ無理なら最初から来るなと言われたらそれまでだが」


中学のときはそれなりに解けたからな。苦手だとは思わなかったんだよなぁ。県立のトップクラスの進学校でも私大文系が多かったりするから、やはり中学の数学と高校の数学は別物と考えた方がいいだろう。


俺はそう思いながらマッカンを飲んだ。やっぱり脳を使ったあとマッカンは体に染みる。この甘さかたまらなく美味しい。マッカンを飲むと癒しまで追加されるからすごいよな。霊力もなぜか回復するしいいことづくめだ。糖尿病になるって?マッカンに病気になる要素などないぞ。だって千葉県の誇る神的な飲み物だからな。


それとおやつであるブラックペーパ味のポテトを食べながら、日本史の本を読み始めた。こういった本を読んだお陰で日本史は勉強しなくてもかなりの高得点が取れるようになった。休憩は三十分だ。ある受験勉強の本によるとそれくらいがちょうどいいらしいからな。まぁこれある程度勉強しなれてないと、少し勉強したら休憩とか、休憩時間を長引かせちゃう恐れもあるが。何事も習慣がついてないときつい。俺は勉強してないと不安だからやってるだけだし。


そして日本史の本をある程度読み時間を見ると、休憩時間終わりそうだったので、本を閉じて、部屋から参考書とプリントを持ってきた。そして数学の勉強を始める。


花梨はとなりに座って数学を教えてもらうんだが。距離感が近い。足と足が当たるほどだ。それに胸も当たりそうで、ドキドキする。妹だからこんな感情は抱いてはダメだと分かっているが。


「これはこうしてこうですよ。この問題は公式暗記がいいですね」


「ああ、分かった」


言えないわ。距離が近いとか。そんなに私が近くにいるのが嫌なんですか?とか言ってきそうだからな。なんとか我慢するしかないか。それから最初の方はドキドキしてたが、慣れたのか後半はドキドキしないで集中して勉強を教わることができた。それに花梨のことだからわざとじゃないだろうしな。それと教え方は数学の先生よりも分かりやすかった。公式がなぜこうなるのかという説明をしてくれたからな。


「それじゃそろそろ終わりするか」


知識を詰め込んだから疲れたし。マッカンで体力を補強しないとな。









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