第16話
そろそろ昼か。土日だし、花梨がお昼を作ってるころだろう。これで帰らないで外食をすると私料理美味しくないんですか?私のこと嫌いってことですか?自殺しますなんていいかねないからな。花梨がいるときは帰らないとな。悠香は人に嫉妬するタイプのやんでれ系だとすると、花梨は自分を傷つけたり、抱え込むタイプのヤンデレ系だ。人を傷つけないだけましだが、自傷をしたりするからな。一回包丁を持ち出したときはまずいと思ったな。
「それじゃ俺そろそろ帰るな」
「ねぇそれって他の女とでかけるからじゃないよね?私が入院していてなにもできないからって」
「違うぞ。花梨が待っているからだ」
「それなら仕方ないね。また明日も来てね」
悠香は花梨のタイプを分かっているから何も言わない。自傷して入院はしてほしくないからだろう。悠香も人を傷つけることはしたくないからな。それじゃ早く帰るか。
「じゃあな」
「じゃあねー」
俺は病室をでると、花梨に今帰ると言って家に向かった。電車に乗っても花梨から返信が帰ってこなかった。これはもしかしてお風呂か、なにかやっているんじゃ。俺は早く電車に最寄り駅についてくれと願いながら席に座っていた。そして最寄り駅付くと、俺はすぐに降りて早足で帰った。
するとすぐに家に着いたので、鍵を使って家を開けると、血なまぐさい匂いがした。俺はイヤな予感がしてすぐにリビングに向かうと、花梨がリストカットしていた。涙を流しながら。
「うぅきっとお兄様は私を嫌いなったんですね。お昼になっても帰ってこないなんて。そんな私はいりませんね」
「いらないわけないだろ。花梨は大切な家族だ」
「お兄様。他の女とでかけていたんでは?」
「悠香のお見舞いに行っていたんだよ。とりあえず救急車を呼ぶぞ」
俺は電話で救急車を呼んだ。血だらけのまんま病院に歩いて連れていく訳にはいかないからな。俺は悠香を抱き締めながら片方の手で頭を撫でた。
「俺が花梨をいらないと思うわけないからな。それに料理まで作ってくれるんだぞ?不必要どころか必要だ。義理とはいえ大切な俺の家族なんだから」
花梨は嗚咽をもらした。それを俺は頭をポンポン叩きながら落ち着かせる。
「お兄様が他の女の人とでかけるてると思ったら私が不必要な存在に思えたんです。だから必要と言ってもらえて嬉しかったです」
「そうか、それならリストカットはやめてくれ。もし花梨がそれで死んだら俺は悲しいどころか、引きこもるまである」
実際に死んだら俺はずっとこうかいし続けるだろう。もしかしたら俺はもう大切なものを失いたくないといろんな人と関係を切るかもしれない。
走行してると救急車が来たので、俺達はそれに乗った。そしてどこの病院か聞くと、千葉大学病院だった。まぁ土日でどこもやってないからだろうから。ちなみに悠香はヤンデレだが、花梨とは仲がいい。ヤンデレだけど妹は対象外ってことかね。
花梨ベットに横になり、今は眠っている。相当不安で落ち着いて気持ちが切れたのだろう。血を出しすぎていうのもあるだろうが。止血は病院の先生がした。呪術を使うほど危なくはなかったからだ。
「まさか二日連続で救急車に乗ることになるとはな」
「貴方が初めてですね。二日連続で乗るのは」
そうだろうな。そりゃ救急車なんて、急いでるときしか乗らないからな。普通は複数の重症に出会えるのが稀だ。まぁ花梨に関しては、何回か救急車に乗っているが。飛び降りて、骨折したり、胸を包丁で刺したり、よく生きてるよな。まぁ花梨には強力な守護霊と、式神を付けているからなんだが。
「まぁそうでしょうね。、それで様態は大丈夫ですか?」
「血を少し流しすぎてるぐらいですね」
それならいつも通りで安心する。これがいつも通りなのはかなり感覚後狂っているが。強力な式神を着けているとはいえあいつは死にそうじゃない限り助けないからな。守護霊は死なないようにしか干渉できないし。結局は傷ついてしまう。やはり俺が今回もどこに行くとかいわなかったのが原因だし、前もって言っておくか。これ彼女で来たときや一人暮らしするとき大丈夫だろうか?まぁその時になったら考えるか。なんか花梨は着いてきそうだが。
そうこうしてると、病院に着いた。俺は救急車を降りて、病院に入った。
「あれ義弘くん帰ったんじゃないの?やっぱり私に会いたくなって来ちゃったの?」
「そんなすぐに来るわけないだろ。花梨がリストカットしたから来たんだよ」
「ああ、花梨ちゃんね。事前にどこ行くか言わないとダメだよ。GPSだけじゃ場所しか分からないんだから」
当たり前のようにGPSを付けているのもどうかと思うがな。まぁ事前に言えば防げたことだし、これからは気を付けるが。
「それじゃ俺は花梨のところに行ってくるわ」
俺は悠香と別れて、花梨の検査している場所に向かった。そろそろ目覚めている頃だろうな。後が付いてたら呪術で消しておくか。花梨には傷が付いてほしくないし。俺はそう思いながら進んだ。
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