第15話

病院内のコンビニ着くと、俺はカラムーチョを篭に入れた。飲み物も欲しいよな。京都産の宇治抹茶のお茶でいいか。悠香は宇治抹茶好きだし。後はチョコレートかな。甘いものが食べたくなるときにチョコレートを食べたくなるからな。お茶に関しては少し高いのを篭にいれてある。まぁ数十円しか違わないけど、味は全然違うからな。おれようにレモンスカッシュも買っておく。甘いのもいいが、酸っぱいのも酸味があってなかなかいい。


俺はレジで会計すると、袋に詰めて貰い、それを受けとり、悠香の病室に向かった。途中ここに入院してる人にナンパされかけたが、待っている人がいるというとすぐに引いた。


「買ってきたぞー。それでなに俺の上着を被ってスーはしてるだよ」


悠香は俺の上着を着ながら匂いを堪能していた。心なしか少し顔も赤くとろけきった表情をしている。そんなに俺劇薬な匂いはしてないと思うが。


「はぁー最高~。薬物よりも依存性があるよー。これを毎日嗅げたらきっと幸せだろうなぁー。あ、そうだ結婚すればいいんだ!」


「いやしないからな。悠香にはもっといい人いるだろ」


すると悠香はハイライトオフの目でこっちをみてきた。いやなんでこれでヤンデレ化するの?女子の名前出してないよね?


「私には義弘くんしかいないのに何を言ってるの?私じゃ不足してのるの?どこを直せば付き合ってくれるの?なんでそうやって私を遠ざけるのかな?ナンデナンデナンデ」


ぶつぶつと同じ言葉を吐いている。好きな人に他の異性を紹介されたらそりゃ傷つくか。配慮が足りてなかったな。確かに俺は普通の彼女が欲しい。だが悠香の好きになる人まで口を挟むのは違う。だから謝ろう。俺は悠香抱き寄せて頭をポンポンと叩いた。


「ごめんな悠香。他の男を勧めるようなことをして。だけど付き合うことはできない。ても大切な幼馴染みには変わりないからな」


周布と悠香は俺をハイライトが戻った目で俺を上目使いで見てくる。これ計算してるだろ。可愛すぎなんだが。


「私の好意を汲み取ってくれたから許して上げる。だけどすぐに振り向かせるから覚悟してね?」


長く一緒にいて、今さら見方が変わるとは思えんが。まぁアピールするのは自由だから何も言わないが。いづれ悠香も別な人が好きになるかもしれないし。俺なんかじゃ釣り合わないからな。いくらイケメンと言ってもスマイルほどじゃないからな。悠香は芸能人のなかでもトップクラスに可愛いし。もっとイケメンなスマイルとかに好かれているだろうしな。


「そんな簡単に変わるとも思わんが、それでこれカラムーチョとチョコな」


「ありがとう。やっぱなにも言わなくても好きなものを買ってくるんなんてさすが義弘くんだよ。これは相性もいいってことだよね」


「単に幼馴染みだから好きなものが分かるだけだが」


これだけ長く一緒にいれば今食べたいものくらい分かる。まぁあれだ家族のような存在だから、大抵のものは分かる。それで辛いものを食べてから甘いものを食べようとも思っているな。


「幼馴染みでも大切に思ってないと無理でしょ。それだけ思われているなら勝機はあるね。あんな天然ビッチに負けないよ」


いやむしろ美月は清楚だと思うが、まぁ誰にでも優しいところが媚売っていてビッチに見えるんだろう。


「後これお茶な宇治抹茶だ」


「ありがとう。やっぱカラムーチョにはお茶だよね」


カラムーチョを食べながら、お茶を飲んで幸せそうにしている。俺もレモンスカッシュ飲もっと。蓋を開けて飲む。やっぱこの酸っぱさがたまらないな。味が濃い方がやっぱり飲んでいて、気分が高まる。ある程度飲むと、悠香がそういえばと言って、あの女子高生は大丈夫なのと聞いてきた。


「ああトラウマにはなってないらしい。警察官が言っていた」


実は昨日病院で少し取り調べを受けた。その時親が菓子折りも持ってきた。悠香が起きたらまた来るって言っていた。


「とりあえずこれ昨日くれた菓子折りだ」


「これゴリバじゃん。それだけ感謝してるんだろうね。やっぱ義弘くんはすごいよ。私は守るだけで背一杯だったし」


「守るだけでも立派だろ。命を救ったんだから」


少なくとも俺は命をはって人を助けることはできない。恐らく見殺しにするだろう。逃げれるなら逃げる。勝機のない戦いには挑まないで逃げるタイプだからな。


「義弘くんだって包丁持っていたのに立ち向かったじゃん」


「あれは勝機があったからだ。呪術を使えなかったら見殺しにしてただろうよ。わざわざ死にに行きたくないからな」


悠香が先に気づいていたら悠香は動いていただろう。悠香はヤンデレで俺に近づく女子は潰すが、俺が関係なければ誰よりも優しくて困っていれば助けるからな。俺は困っていた人を何回か通りすぎたことがあるし。面倒ごとになると思って、ナンパされてる人も見逃したことあるし。


「でも結果的に助けたならそれでいいんじゃない?だからもっと誇っていいと思うよ」


「そうかもな。これからも呪術を磨くか。後今回のことで霊気をもっと探れるようにならないとな」


俺はこれからも成長し続ける。悠香にピンチになったときに助けられるように。







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