第10話

やがて担々麺が来ると、俺達は麺を啜る。ほどよい辛さで美味しい。正直辛すぎるのを全面に出すものは辛さしか求めてないことが多いからあまり信用できない。


俺達は黙って食べていた。俺も悠香もラーメンを食べるときは黙って食べるからな。俺が黙って食べてるから、悠香も喋んないで食べるのが礼儀だと思ったんだろう。


それにしても悠香は何を食べても上品に見えるのは家柄とか関係してるのだろうか?やがて俺は食べ終わった。悠香も後スープを飲むくらいだ。味わうように悠香はスープを飲んだ。そして飲み終わると、ふぅーと息を吐いた。


「ちょうどいい辛さだったし、その中にもまろやかさがあって美味しかったよ」


「そうだな、イオンにこれくらいのものがあるとは思わなかったわ」


ショッピングモールのものはチェーン店が多く、味には期待してなかったが。結構美味しかった。並んだ甲斐があったよ。ラーメン店は回転率を重視したりするので俺達は食べ終わると、すぐに会計に向かおうとしたが、悠香がトイレに行って来ると言ったので、俺は先に会計を済ませようとレジに向かうと、さっきの美少女がにっこりと微笑みながらいた。


「それではお会計1600円になります。後これ連絡先です。もしよかったら連絡してください」


悠香がいないところみはらったか。まぁいたら間違いなくヤンデレを起こすだろうしな。それを受け取る。だってこんな美少女から連絡先を教えられるなんて早々ないからな。見つからないよう登録しよう。


「念のために俺の連絡先を渡します。これなら見つかっても問題ないでしょう」


「それってあの女と付き合っているってことですか?それとも脅されて、それなら話をつけましょうか?」


この人もヤンデレかよ。ハイライトオフになっているし。後ろのお客さんがビビってるわ。


「付き合ってないですから安心してください。これちょうどです。それではまた会いましょう」


俺は悠香がこっちに来てるのが見えたのですぐに会計を済まし店をでた。あの女誑かしやがってなんて声は聞こえない振りをして。


「義弘くん何か隠しているよね?まさか女と何かあったんじゃないかな?」


なんで、こっちを見ただけで分かるんだよ。なにヤンデレはエスパーなの?だがここは知らない振りをするしかないな。まぁ保険はあるとはいえバレると面倒だからな。


「知らないぞ。思い違いじゃない、、、、すみません嘘です。これ連絡先です」


さすがなハイライトオフで威圧感加わったら正直に話すしかないわ。あの目は怖すぎ。自分が対象だと思うとゾクッとする。俺は連絡先を渡した。すると無表情でビリビリに破いた。


「これで泥棒猫とは連絡とれないね。渡し以外の女子と連絡を取ろうとするなんて、ふふどう調教しよう」


これって監禁パターンじゃないか。冷や汗が溢れてくる。嫌だよ高校中退でお先真っ暗になるのは。どうする?どうやれば切り抜けられる。そうだより女子のことを知ろうとしたってことにしよう。そうすれば悠香の好むものを知ることができるってことになるよな。実際に気になっていたし。


「悠香ともっと仲良くなるために、他の女子の情報も必要だと思っただけだ。だから調教とかやめてくれ」


「もっと仲良くかー。それなら仕方ないけど。そんなことしなくても仲良くなれるよ❤️私と付き合えばね」


それは遠慮するが。普通の優しくて美少女の彼女が欲しいし。いつヤンデレになって、制限とはされたくない。自由が好きなんだ。何にも縛られたくないからね。あー美月とか最高なんだけどな。付き合いたいがモテたいわけではない。俺は一途だからな。一人女子しか愛さない。だからモテることに興味はない。イケメンになったのもたまたまだし。


「それは遠慮しておく」


「ふぅーん好きな人でもいるのかな?ふふその泥棒猫は退治しなきゃね」


怪しく微笑んだ。好きな人ができてもバレないようにしなきゃな。最悪家の権力を使って、潰して近寄らせないようにしそうだし。何回か近づいてきた女子が転校したりしたからな。マジで何をやらかすか予想ができない。だがめんどくさいことになるのは分かる。それに近くにヤンデレも多いし。最悪殺傷騒ぎになる。

 

「好きな人はいないぞ。今のところはな」


「良かった。もしいたら家の血からを使って近づけないようにして、それでもダメだったらスタンガンで気絶させて、家に監禁して、義弘くんに近づかせないようにしてたよ」


もはや洗脳じゃん。そしてボロボロになった後にイケメンでも登場させて惚れさせでもするのか?ボロボロの状態でイケメンが甘い言葉を囁いたら惚れるよな。


「そんな簡単に好きにはならねーよ」


「案外優しくされたらころっといきそうで心配だよ。そしたらその女子は粛正するけど」


「あんまり過激なことはするなよ。それでこの後どうする?」


「アニメイトに行こ。いろはちゃんのグッツか欲しいからね」


それぞれ好きなもの見ると確実にナンパされるから悠香に御鬼をつけて、ナンパされないようにするか。俺がついていてもナンパはされないが、一人で見たいものもあるし。それに悠香を付き合わせるのは悪いからな。まぁそのアニメのキャラに嫉妬する可能性があるっていうのもあるけど。


「そうだな、それじゃアニメイト行くか」


俺達は元来た道を引き返した。鈴鹿のグッツあるといいな。アスナとかもあれば最高だが。イオンのアニメイトはそこそこ大きいから今話題のものはあるだろうな。少しワクワクしながら進んだ。まさかあんな事件が起きるとはこのときの俺は思わなかった。

















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