第8話

しばらく歩きやっと着いた。本当新都心幕張広すぎこんなにでっかくしなくても良かっただろ。これじゃ全部見る前に飽きるか、歩き疲れるかのどっちかだと思うが。こんなに歩いたのに半分も歩いていないっていう恐ろしさよ。まぁお膝元だしでかくする気持ちは分かるが。本屋とかの本店は大抵でかいしな。それだけ気合いを入れたってことだろうし。


「それじゃ入ろっか」


俺達は中に入ると、思ったよりお洒落なのに驚いた。さすが10代に人気なだけはあるな。それにしてもバックだらけだ。そりゃバックを専門に扱っているんだからそうなんだろうが。


「やっぱお客さんは10代が多いな。いかにも女子高生ってやつが多いし」


「この年代だとこのくらいの金額がお手軽なブランドだからねー。ふむ、どれにしようかな」


ハイブランドだとこれ百個ぐらい買えそうな値段だしな。ハイブランドってやっぱり俺達みたいな高校生が持つようなものじゃないだろ。まぁ不思議と悠香が持つ分には目立ったりしないで、自然に持っている感があるが。やっぱり家柄が良くて上品だから似合うのだろうか。それに芸能人だし。


「これなんてどうだ?」


「アンドシュエットバックのブラックグレーブラウンかー。シンプルなデザインで良いね。これなら色んな服に合いそう。うんこれにするよ。それに義弘くんが選んでくれたものだしね」




俺は人に選ぶのは得意だ。自分のはあまり目立たないのを選ぶがな。だって俺の場合合う合わないを考えずにお洒落だって思ったもの買っちゃうからな。後は妹に選んでもらっている。妹も進んで俺の服を選んでいるからな。妹曰くとなりに歩いているお兄様はもっとカッコ良くいて欲しいとのことらしい。


「そうか、それなら良かった」


そう言って鞄をるんるんとした気分をだしながら、レジに持っていた。またナンパされるとめんどくさいので、俺も一緒の場所に行った。またナンパされるとか自分で言うと痛いやつだな。女子はそう言っても違和感ないのに男が言うと、ナルシスト感が増す不思議。男はやっぱり自分でイケメンだと思わないほうがいいかもな。


やがて買い終わると、俺達は店をでた。お腹空いてきたな。ついでにここで食べるか。


「悠香ここで食べていかないか?」


「いいよーちょうどお腹空いてきた頃だしね」


「ちょっとマップみようか。ここで食べたことないからどんなのがあるか分からないし」


俺も食べたことはない。飲食店は大体数ヵ所ぐらいに集まっているから探すのが面倒だし。ラーメンがいいな。辛いラーメンが?もしくは北海道味噌ラーメンだな。


「こことかいんじゃないかな?辛いのとかあるし。私も今日は辛いの食べたい気分だし」


そこの表紙になっているラーメンを見ると確かに辛そうだ。それに中華料理屋ぽいし辛さには期待して良いだろう。それより悠香はいっつも俺と同じものをなんで食べるんだ?


「それで良いが、あんまり歩きたくないからできるだけ近くがいいな」


「えーと、そこまで遠くはないみたい」


それは良かったわ。近ければすぐに食べれるだろうし。そう思うと、辛いのを早く食べたくなってきた。ラーメン屋はナンパを注意しておかないと、ラーメン屋に美少女がいるのは希だし、複数の男だと気が大きくなってナンパされやすいんだよな。隣に男がいてもな。ナンパ対策として鬼の式神を出しておこう。男にしか見えないようにして。


俺はそんなことを思いながら、ラーメン屋に向かった。相変わらず悠香は俺の腕に引っ付いて胸を押し付ける。胸なんかで惚れたりなんかしないからね!だけどこの感触は味わおう。おお、腕が胸に埋もれている。凄い柔らかい。これが巨乳。なんと魅力的なんだ。惚れないと言ったがうっかり惚れそうになる。なんとか我慢しなくては。


「それで悠香、俺ナンパ避けに使えているのか?」


「イケメンなんだから使えているよ。そもそもナンパされないためにやっておる訳じゃないし。義弘くんに意識してもらうためにやっているから」


意識か、確かに胸がドキドキしちゃうわ。これが恋?何てことは思わないが、これだけ胸を押し付けられると、ちょっと揉みたくなってしまう。それをしたら悠香の思うツボだが。


「まぁこっちからしたら意識しまくりなんだが。やっぱ巨乳っていいな」


「まぁ義弘くんが他の女子の胸を見たらそれをもぐけど。巨乳好きでも私以外のは見せないからね。ついでに揉んでく?」


「いや揉まないから。付き合ってないのにそんなことできないだろ」


「それじゃ付き合う?」


「いや俺はもっと天然な人と、、、、」


すると悠香の目から光が消えた。あ、これヤンデレモードに入ったわ。入るの早くねーか。


「ふぅん天然ね、天然なんてただのバカじゃないの。もしかして一条さんのことを言っているのかな?キョウフソメテヤロウカナウフフ」


「いや止めてね?あの眩しい笑顔が恐怖に変わる瞬間何てみたくないよ」


あの汚れのない屈託のない笑みを曇らせたくはない。天然は曇ってないから最高なんだよ。


「何の陰りもない子が止みに飲まれていくのが良いんだよ。あーどう調教師のようかな。マズハヨシヒロクンニチカヅケナイヨウニシナイトネ。ソシテアノヨシヒロクンヲマドワスムネヲソゴウカ」


俺は悠香の頭を撫でた。とりあえず被害がでる前に同にしないと。ヤンデレ化した悠香は犯罪をしかねない。まぁ完全犯罪をやりそうだが。
















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