第7話
悠香は満面の笑みで喜んで買いに行ったから俺は一人でいると場違い感が出てきていづらいので、すぐに店を出た。まぁ出たと言っても店のすぐ側だが。さすがに少し離れるとナンパされるからな。ここは渋幕の制服を知らない人も多いし。携帯を弄っていると、なにか話し声が聞こえてきた。
「ねぇーあの人カッコ良くない?話しかけてきてよ」
「仕方ないなぁー。お見本お見せしようじゃないか」
誰だよ女子高生ぽい声の人にナンパされる羨ましいやつわ。八つ裂きしてやろうか。とりあえずそのイケメンというやつを想像しながら焼いていると、誰かが近づいてくるのを感じた。そちらに視線を向けると、目があった。すると、ふふとか言って近づいてきた。
「そこのおにーさん私達とどっか行かない?千葉の下の方なら案内できるから」
この声はさっきの人達か。さっきのイケメンがどうのこうのというの俺のことなのか。そんなナンパされるほどイケメンじゃないと思うが。それにさっきモデルっぽい人が通り過ぎたし。
「いや人待ってるんでいいです」
悠香がいなかったらすぐに一緒に行っただろうが。可愛いし。だが今は悠香がいる。今すぐこの人達を退散させないと、悠香が何するか分からない。
「そんなこと言わずにさぁー。ほら胸だって、、、、」
「胸がどうかしたのかな?私の義弘くんにそんな下品なことを言って、何をしようとしたのかな?メス狐が、その胸をスリオロソウカ」
「ひっ」
そう小さくこの女子は悲鳴を漏らした。はぁーやっぱり間に合わなかったか。悠香がハイライトオフの目で発言した。何か周囲の温度が冷えきってるような気がする。悠香に話しかけようとしてきた人達ももさぁーと引いていってどっか行った。身の危険を感じたんだろうな。触らぬ神に祟りなしだわ。
「落ち着け。別に行こうとしてないから良いだろ」
「義弘くんはこの駄肉をぶら下げた女狐を庇うの?」
「いや胸に関しては悠香も十分でかいだろ。それは置いといて、話しかけただけなんだから悠香が怒るようなことしてないだろ」
実際について行く気はなかったし。これでついていくとなったら悠香が怒る理由も分かるが、そうじゃないならナンパをしてきただけそんなに警戒することではない。それにめっちゃ震えてるし。可哀想だ。ちょっとした好奇心で鬼がでてきたら誰でもびびる。ヤンデレとはコントロール出来ないから厄介なんだよなぁー。まぁ誰かをコントロールしようとも思わないけど。
「義弘くんを誑かしたら行動を起こそうと思ったけど、義弘くんは一途みたいだから許してあげるよ。ほらどっか行って」
「ひっはい!」
そう言って女子高生はどっか行った。結構可愛かったが仕方ない。まぁどこかでまた会える日を待ってるぞ。まぁ怯えて近づいてこない可能性があるが。 むしろその可能性がもっとも高いな。彼女が出来たときの悠香の反応が怖いんだよなぁー。でも彼女は欲しい。だからなんとしてもこの難関を潜り抜けなければ。
「それじゃ鞄を買いに行こっか義弘くん❤️」
なんでもないかのように俺の腕を右腕で絡ませた。まるで俺を自分の物かのようにしながら。これが俗にいう彼女だよアピールか。周りの男共の嫉妬の目が痛いな。まぁいまさらだが。それよりさっきから女子達がこちらに視線を合わせない方が気になるんだが。まぁ腕を組んでいる悠香が笑顔ながら話しかけてきたら殺すみたいな感じを纏っているからな。男達はそれに気づいてなくて悠香に見惚れているが。
そうこうしてると最初の店に着いた。ここはブランドものでハイブランドな雰囲気を纏っている。入っていく層は港区にいそうなマダムやお金持ちそうな大学生達だ。いや大学生にハイブランドな物を買えるお金を与えるなよ。すくに無駄遣いするぞ。まぁ無駄遣いしても問題くらい稼いでいるんだろうが。
俺達は店に入る。高校生が入ってきたことに店員は驚いている。まぁお金持ちでも高校生に大金は持たせないだろうからな。東京じゃ良くありそうだが。
悠香は鼻唄を歌いながら鞄を選んでいくが、やがて鼻唄は止まった。
「次の店行こう。ここには気に入るものはないみたい」
「やっぱただの成金とは違うな。デザインが良いものを好むところとか。どいうのがいいとかあるか?」
「うーん黒いトートバックかな?ハイブランドだと小さいバックはデザイン良いんだけど、トートバックだとロゴが入っているのが気になるんだよねぇー」
「それならサマンサバタサなんてどうだ?あそこならロゴ入ってないだろ。それにハイブランドじゃないから嫉妬もされないだろうしな見たからにハイブランドだとあの子ずるいってなるし」
人間はすぐに自分にないもので欲しいものはすぐに嫉妬をする。まぁその嫉妬が良い方向に変わって禁じに手を出さないで私も稼ごうとなったら良いんだが。一部は嫉妬でいじめたりするからな難しいものだ。
「サマンサタバサかー。10代には人気のブランドだよねー。それにしよう」
「それなら進行方向だからこのまま進むか」
良かったわ。このまま気におるのがなくて歩きっぱなしはきついからな。荷物も俺か持つことになるだろうし。そんなことを考えながら前に進んだ。
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