第6話

電車に乗って新都心をイオンの前の幕張豊砂駅に着いた。最近できた駅で前は海浜幕張から歩いていくか、バスを使うしかなかったから便利になったものだ。それだけ人が集まるってことなんだろうけど。まぁめちゃくちゃ広いから人が集まっても混雑しないところがいいな。東京だと人がゴミのような状態になるからな。


「新しい駅はやっぱりいいね綺麗だし」


「そうだな、清潔感がやっぱり違う」


道行く人の視線を集めながら俺達はイオンに向かった。ちなみにイオンの本社は幕張にある。だからこれだけ大きいイオンがあるんだが。幕張はやっぱり千葉の中でも発展している。


やがてイオンに着くと、俺達は中に入った。やっぱり凄い広さだ。正直一日あっても全部は回れないだろう。


早速マップを取って行きたい場所をチェックしていく。幕張で買うときは大体海浜幕張駅前の三井アウトレットパークに行くからな。そんなにここには来ないから何がどこにあるかそんなに分からないのだ。大抵のものはおいてあると思うがな。あまりここに来ないのは歩くのが面倒なのと、悠香と目的なく来ると一日がここで潰れるからだ。


「やっぱり色々あるね。服はやっぱコロネかな。あそこエレガントでなかなかファッションせいが高いしね」


いきなりハイブランドかよ。いやもう慣れたけどな。悠香の家は摂関家の家柄だから元華族で戦前も会社を経営してたから相当お金持ってるし。大体の華族は落ちぶれたが。当時の悠香の先祖は相当優秀だったようでうまく立ち回って財産をそんなに減らさないでどうにかなったらしいからな。それで戦後はさらに商売が成功してもっとお金持ちになったらしいし。


「それじゃ最初はそこに行くとして、次は鞄か?」


まぁ鞄もハイブランドなんだろうけどな。悠香は上品さがあるからハイブランドで全身固めても成金には見えないんだよな。というかデザインがよければ普通に安いブランドも着るしな。


「うん、鞄はいくつか調べて、よさげな鞄を探すよー」


服屋に関してはコロネを好きだからそこにしたんだろう。鞄に関しては特に好きなブランドがなかったからよさげなものを選ぶんだろうな。多分高校生が好む鞄だろう。ファッション誌をよく読むし、服に合うものを探すんだろうな。ちなみに悠香はかなりの鞄を持っている。ハイブランドからアウトレットで売っているようなものまで。


「それじゃまずコロネに行くか」


「うんそうだね」


それにしてもコロネの場所結構歩くな。面倒だとは言わない。休日はこんなに歩きたくないが、学校終わりはなんとも感じない。まぁ休日は外に出るのさえ億劫になる。インドア派だからな。休日はゆっくり家でアニメやアイドルのライブでも鑑賞してるからな。できるだけ外に出たくないくらいだ。


俺達はコロネに向かって歩いている。この辺の人たちは渋幕の制服を知っている人はそんなにいない。地元の人もいるが、観光できてる人や、千葉県の下の方から来てる人も多いからな。つまり視線を集めるのだ。スマイルほどのイケメンではないから俺のことはちょっと見るくらいだが。だが悠香はアイドルレベルの美少女だからいろんな男から下心をある目で見られる。だが俺が隣にいることで俺よりイケメンじゃない限り話しかけてこない。それと悠香はあんまり気にしてなさそうだ。悠香が一人で歩いているときが心配だと思ったが、それも一瞬でありえないかと思った。きっと冷徹な目で相手を見て刺のある発言をしそうだからだ。


「どいう系の服買うんだ?」


「今は夏だけど、トレンチコートを買うよ」


失くなる前に買っておくってことか。それだけ人気があるんだろう。トレンチコートは。


そしてコロネに着くと、見たからに他の店とは違う外観だった。まぁハイブランドならイオン内に合っても異彩感がでるよな。俺達は何の躊躇いもなく店に入った。


「んーこれもいいけどこれもいいなぁー」


黒いのと白いので迷っている。どっちも似合いそうだ。だけど何かもっとエレガントなものもあると思うけどなぁー。俺も視線をさ迷わせる。うん?これとかなかなかいいんじゃないか?色合いも悠香に合いそうだし。何より上品さが醸しでている。俺はそれを取り、悠香の肩を叩き見せた。


「これいいね。イエロームルティカラーか。なかなかお洒落だね。さすが義弘くん。私に似合いそうなものをピンポイントで選んでくるなんて。これはもう付き合っても相性もいいんじゃない?いや良いに決まってるよね。だって愛してるんだから。私が愛したんだから外れはないよね」


なんで選んだだけで、相性が良いとかってなるんだよ。俺はもっとお淑やかで天然な彼女が欲しい。ヤンデレとかいつ誰がやられるか分からないからな。


「はぁーまぁいいやこれ結構な料金するけど大丈夫か?」


選んでから料金を見たが84万とか相当だぞ。俺だったらそっと元にあった場所に置くレベル。するとしげしげと悠香は値段を見た。だが特に驚いた様子もなかった。


「これくらいならカードだから大丈夫だよ」


さすがお金持ちなのと、モデルをやってるだけはある。何十万しても表情を変えないとか、麻痺してんだろ。選んだ俺がいうのも何だがな。俺も株始めようかな。
















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