第3話

教室に入ると、男は羨望の眼差しを向けて、女子は遠目から俺を見ている。俺は一応イケメンという部類に入る。だから女子からは最初は話しかけられるのだが、悠香がその女子たちに圧力や潰したりするからやがて話しかけるやつは減った。男はあの悠香と対等に話せるなんて羨ましいと言った感じだ。悠香が女子をやたら遠ざけるのは理由があるんだがそれはまた機会があるときに語ろう。とりあえず俺は自分の席に座り、彼女と談笑している隆弘を見て砕け散れと思った。あんな美人で優しい彼女がいるなんて何と羨ましいんだ。


これ以上見ていると彼女をもっと作りたくなって発狂しそうだったから机に伏せた。すると先生が数分後に入ってきたので、俺は前を向いた。

  

「それではホームルーム始めますよー。最近この辺でヤクザが彷徨いているらしいので気を付けてくださいねー。一応家の人には報告してるのですぐに捕まると思いますがそれまでは危険なので、気を付けてくださいねー」


呑気にヤクザがいることを琴羽先生は伝えてるが、琴羽先生の家はキャリアの警察官一族だからこの辺を重点的にパトロールしてるんだろう。だからすぐに捕まると思ってそこまで大事に思ってないんだろう。ヤクザなんかと鉢合わせしたら俺は逃げるがな。


それで少し話してホームルームは終わり、琴羽先生は出ていった。相変わらず上品なお嬢様っていった感じだ。悠香も名門の家なんだが、ヤンデレ気質がありすぎて正直な仲を屋良貸さないかヒヤヒヤしてる感じだ。最初はヤンデレが怖かったがもう慣れた。


「ヤンデレ化したみたいだが無事切り抜けたみたいだな」


隆弘が笑顔になりながら言った。いっつもヤンデレ化するとヒヤヒヤするから他にストッパーとなるやつがいてほしいんだが。隆弘はすぐ逃げるし。まぁ巻き込まれたくない気持ちも分かるが。何されるか分からないからな。だが逃げるなら一声ほしいものだ。


「まぁな、あれ治んないのか?」


「無理だろ彼女を作ればそいつを潰しに行くだろうし、ヤンデレは薬でどうにかなるものじゃないしな。まぁ一種の病気だが、治らない方だからな」


あのヤンデレ対抗できる美少女の彼女がほしい。そして優しくヤンデレじゃないやつな。悠香に対抗できる少数の女子はほぼヤンデレ何だよなぁー。マジで周りに普通のやつがいない。


「隠れて作るしかないか」


「監禁されるのがオチだと思うがな」


そう話していると、次の授業が始まるので、俺は席に戻り用意をした。フランス語だから真面目に授業は受ける。俺の受験するところはフランス語で受験できるからな。ちなみに受験校は悠香には伝えていない。あいつは東大を目指せるのに俺と同じ進路にするのはもったいないからな。そしてフランス語の先生が入って来て授業が始まる。


やはり全国トップレベルの進学校なだけあってフランス語もなかなか難しい。だがこれができれば東大の問題でも対応できるだろう。目標として仏検を受けるか。まずは二級くらいだな。


そして授業が4限まで終わりお昼時間になった。見つかる前に早く移動するか。俺は素早く用意を終えて、中庭に向かった。そして中庭に着くと、弁当を広げる。相変わらず気合い入っている弁当だな。


「いただきます」


うん美味しいな。ハンバーグはまるで作りたてのように美味しい。卵焼きはやっぱり血の味がするな。はぁーせっかく美味しいのに台無しだろ。花梨は私を味わってるとか言って興奮してそうだが。まぁ出されたものは血の味がしようと食べるんだか。少し鉄の味がするだけで、ちゃんと味は美味しいしな。


「義弘先輩遊びに来ましたよー」


はぁー寝ようと思っていたのにな。こいつは後輩の倉橋だ。そして倉橋家の令嬢でもある。つまり俺と遠い親戚ってことだ。それと悠香のヤンデレで離れない数少ないやつである。だがその倉橋も、、、、


「花梨ちゃんの霊気が少し混ざってますねぇー。取り除きましょうか。そして私の血と霊気をいれましょうか?何なら式神になってもらってもいいですよ。そうすればあの悠香先輩も手が出せないでしょう」


そうこいつも悠香ほどではないがヤンデレなんだ。ヤンデレだからヤンデレが相手でも問題なく感じないんだろう。まぁN極同士のように反発しあって仲はよくないがな。ヤンデレ同士が争うと周りに被害が飛びかねないから胃を痛くする。


「分家が分家の式神になるしきたりないだろう。本家が分家ならあるが。それに色々拘束されそうだから嫌だ」


それと倉橋家は幽霊退治を生業としている。只でさえ悪霊に好かれやすいのにそいつらが集まる場所に胃ったら殺して自分の物にしようとするやつが出てくるだろうが。自分から死地に飛び込むことはしたくない。よって式神はなしだ。それに俺は専業主夫になりたいから働きたくない。


「ぶぅーそれなら私が式神になりましょうか?」


「遠慮する。悠香と喧嘩をするだろ」


「そりゃ私の義弘先輩に近づく輩は滅しないといけないですしね」


はぁー食べる場所変えようかな。いっつも倉橋がいるんだが。まぁ変えても霊気を辿って見つか。もうちょい陰業の術を磨いてばれないようにするかな。そう思いながら俺はベンチに横になり寝る準備に入った。とりあえず頭使ったから寝よう。俺は眠りに入った。

 









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