第2話

 俺は彼女から昨日やったVRゲームの話を聞いて絶望する。


 「それで、初心者に話しかけられてね」


「そうなんだ。どんな感じのユーザーなの?」


「うんとね、確かカーって名前でね」


俺だ。


 「そういえば動きがカズくんみたいだったな」


俺だからね。



 あー、確証になった。


 どうやら、俺は浮気されていたようだ。


 あぁー、彼女との思い出が汚れていく。


 今俺に彼女は笑顔を向けてくれているがこの笑顔も笑顔というより、内心で笑っているんだろう。


 「ねぇ、花」


「何??カズくん??」


「俺のこと愛してる??」


「勿論!!大好きだよ!!カズくん」

愛してるとは言わない。それは大好き(騙されてくるから)ってことか


 なるほどな。

 


 でも、どうしようか。ここで浮気のことを問い詰めようか


 いや、俺も騙されたんだ。騙し返してやろう。


 もし浮気相手の情報がゲット出来たら、その時は可能な限り復讐してやる。

_______

 

 はぁ、最悪だ。マジで最悪。


 

 気分はすごい萎えてる。


 かつてないほど萎えている。


思い出す。彼女との楽しかった日常・・・けどそれは全てただの借り物。


 俺を騙す、唯のネタに過ぎなかった。


 言ってくれたじゃないか


 【初めて、家族以外の人を好きなれた】



そういえば、彼女にVRをオススメしたの俺だったよな。


 まだ、彼女じゃない時に



 それがこんなことになるなんて。


 




 はぁ、辛すぎる。



「何が、カズくんもVRやろうだよ!」


 俺だって、俺だってずっとVRやりたかったよ!!あの時オススメしたのだって、ずっとVRに憧れて、VRの良さをずっと調べてオススメしたんだから!!


 


 はぁ、実際行ってみると、


 めちゃくちゃすごかった、 

 

 本当に今すぐにでもやりたいのに、色々な思いが、重なって、とてもやりずらい。



 電話が鳴る。


 彼女からだ。


 「もしも、カズくん今何してる??」


 あーすげぇ耳障りに聞こえて来た。


「今、ゆっくりぼーっとしてる」


「ねぇそれより聞いてよ!」


「何??」


「昨日ね、フレンドと大会優勝したんだ」


「良かったね」


「、え、リアクション薄。どうしたの?今日なんか機嫌悪い?」


「ちょっと、急に疲れを感じてね」


「そうなんだ。わかったなら、ゆっくり休んでね」


「うん、そうするよ」


そして、彼女は通話を切り、オンライン状態になった。



 はぁ、一気にしんどい。


 どうしたら、いいだろうか。


 俺はVRが目に入った。


 

 VR自体には、なんの罪もないしな。


 やるか。

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