005

「よくぞ聖剣を引き抜いた! お主こそ選ばれし勇者である!」


 気が付けば、また旅立ちの日。

 戦って戦って、それで世界に平和を取り戻す。

 泣いている人を助け、困っている人を助け、世界を救うために奔走する。


 でも、その中にあの子は居ない。

 想いが通じあったあの子は、居ない。

 それでも旅をする。

 今度は死なない。必ず世界を救う。


 ――だけど――

 ――もし仮に、この世界で死ななかったら地球の僕はつまらない人生で終わってしまうんだろうか。

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