魔術の師匠
段々と意識が覚醒し始めると、僕は重い瞼を開けた。
「…知らない天井だ」
1度は言ってみたかった言葉である。
「当たり前じゃない、ここは私の家なんだから」
「うおっ!」
僕は突然の声に驚き、寝かせてもらっていたベットから転げ落ちた。
「ご、ごめんなさい!。そこまで驚くとは思わなくて…」
「あ、いや、大丈夫ですけど…貴女は?」
「あぁ、貴方が森で倒れてたからここまで私が運んできてあげたのよ。名前はシトリンって言うの。貴方は?」
助けてくれた白藍色のセミロングでキリッとした目つきの女性はシトリンというそうだ。
「僕は…フィル、ただのフィルです。」
「ふーん、ただって言うのが気になるわね。何があったか教えてくれる?あぁ、別に言いたくないのなら無理して言わなくていいわよ」
「…実は一一一
そう言ってくれたシトリンに僕は自分の身に起こったことを全て話した。転生した話はふせたから大丈夫だと思う。
一一一というわけなんです」
「…」
あれ…黙っちゃた…しかも体をプルプルしながら震えてるし…もしかして僕が闇属性だったからか!?闇属性に何か恨みがあったりして…やばいやばいどうし
「な、なんて可哀想なの!!私1回そいつぶん殴ってくるわ!そしてフィルくん!貴方は私が引き取る!私が貴方をあいつらを見返せるような力をつけてあげる!」
「え…でも僕は闇属性で…」
「あぁ、それは大丈夫よ!闇属性も鍛え方次第で化けるわ。それに加えて貴方、『隠れ属性』持ってるもの」
…え、僕隠れ属性持ってたのか…あれ?たしか隠れ属性って人には分からなかったんじゃ…
「な、なんで僕が隠れ属性を持ってるとわかるんですか?最高神官でさえ分からないと言われているのに…」
「それは私が長生きしすぎたからよ。貴方…私の歳幾つに見える?」
「え、えぇ…女性に年齢を言うのは気が引けますけど…20代ぐらいですかね?」
フフフとシトリンは笑った
「あらそんなに若く見えるの?嬉しいわね…でも残念、私…1000年以上生きてるのよ」
…今この人なんて言った?は?1000年?嘘だろ…だって人間がそんなに長生きできるわけが…
「なんでそんなに生きてるんだって顔してるわね」
「ま、まぁ…1000年以上生きるのはエルフならまだしも人間が生きることは到底できないですし…」
エルフとは1000年以上を生き、耳が長く、男性ならばとても端正で整っている顔立ち、女性なら美しく麗しい顔立ちとなっている
「そう…普通の人間では1000年以上は生きれない…でも私が隠れ属性を持ってるって言ったら?」
…なるほど!隠れ属性か…人間に1000年以上生きるのは確実に無理
ならばどうするか…それは、体の衰えを停めればいい…停める、止める…!
「…時属性、ですか?」
「正解よ!貴方賢いわね!そんな賢い子は弟子に大歓迎よ!」
「で、弟子?!僕が誰の?!」
「私のよ、言ったじゃない。貴方をあいつら見返せるぐらいの力を付けるって。それに私隠れ属性2つ持ってるから世界最高レベルで強いのよ?」
「か、隠れ属性を2つも?!」
「そ、時属性と空間属性。この2属性を持ってるから私は世間では『時空の魔女』って呼ばれてるのよ?」
か、かっこいいな…そんなすごい人に僕は教えてもらえるのか…
「分かりました。では貴女が僕の師匠になってくれるんですね?」
「えぇ 、『魔術』は…ね?」
ん?魔術はってどういうことだ?
「待ってください、シトリンさん!魔術[は]ってどうゆうことですか?!」
「師匠と呼びなさい!そのことは後から説明するから鍛錬を始めるわよ!厳しくいくから覚悟しなさいね!」
「お、お手柔らかにお願いします!」
僕は疑問に答えてもらえずに師匠からのめっちゃキツイ鍛錬を開始したのであった
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