闇属性と隠れ属性が合わさったらどうなるのか試してみたらとんでもない事になっちゃった

えちょま

地獄の鍛錬編

俗に言う異世界転生と出会い

 突然だが僕こと神楽嵐は異世界転生してしまった。何故かって?

 交通事故に遭ったんだよ。

 学校に行こうとしてたらトラックが突っ込んできやがった。死ぬ寸前にトラックの運転手と目が合ったけどめっちゃ眠そうにしてた。

 とまあこんな感じで転生してしまった訳だが…この身体の前の持ち主ローベルト・フィルはかなりスペックがいい。顔も良いし、性格も良かったようだ。性格が良いと分かったのはこの身体の記憶が流れ込んできたから分かった。

 しかし、1つだけ欠点があった…それは外れ属性や悪魔の属性とも言われている闇属性が適正だったことだ。この世界は一般的に火、水、木、土、光、闇と6属性しかない。属性は教会へ行き神官から『女神の祝福』を受けることで属性を授かる。

 中には2つ以上属性を授かったり、隠れ属性という特別な属性もあり、時属性や空間属性という。隠れ属性は『女神の祝福』では授かれず自分の願望によって属性が決まるらしい。時属性ならば

「努力する時間がもっと欲しい!」と強く願うことで時属性になったりする。フィルくんは貴族出身だったから属性やら魔術の知識が豊富だ。

 そんな貴族で高スペックのフィルくん…いや、僕は絶賛大雨の中、森をさまよっていた。何でこうなっているのかと思い、記憶を辿ると闇属性しか適正が無いと神官に告げられ、大激怒した父に追放されたらしい。そしてこの森をさまよっている間にどんどん衰弱していき死亡、そこに僕の魂が入ったらしい。


「はぁ…こっちの世界のことだから仕方がないけど闇属性ってだけで追放されるのかよ…」


 僕は独り言を呟きながら大雨の降る森をさまよっていた。


 …追放されてから5日が経った。

 僕は体力を消耗しすぎたためちょうどぽっかりと空いていたでっかい木の穴で休んでいた。


「いつになったらこの森を抜けられるんだ…」


 僕はいつまで経っても抜けられない森にイライラを抱えながら自分の身体に目を向けた、枝や途中途中躓いてコケたりしたからか切り傷がいくつもあった。


「ハハッ…このままじゃヤバいかもな。また死んじゃうかもしれない。」


 そう言いながら必死に僕は生きるために思考を巡らせた。


「…そういえば転生してから1回も魔術に触れてなかったな…この状況を打破出来ないか試してみるか。」


 僕は身体中にある全ての不思議な力、『魔力』を手のひらに集めてみた。


 ギュンッ


 と音を立てると、そこには手のひらサイズの球が浮いていた。


「な、なんだこれすっげぇ黒いけど闇属性だからか?」


 ピコンッ


「今鳴った音はなんだ?」


 あたりをキョロキョロと見回すが何も無かった気のせいかと思い視線を下に向けると…そこに宙に半透明の板が浮いていた。


「は?!なんだこ...れ..?」


 僕の意識は急に遠くなっていった。

(たしか魔力全部使うと魔力枯渇になって眠くなるんだっけ...あーぁ、ミスったなぁ...ていうかあの半透明の板は何だったんだ?)僕はそう思いながら深い深い眠りについていた。




 ガサガサと草木を分ける音がする。



「!森の中から強大な魔力を感じたと思ったらこの子だったのか!」

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